ドリトル先生と日本の鉄道
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第七幕その三
「模型も忠実に再現しきれないね」
「動くのなら余計にだね」
「そうそう、ただ飾るのならいいけれど」
チープサイドの家族は実際に模型を動かすことを念頭に置いて考えています。
「やっぱり何かが違う」
「そう観えるんだろうね」
「じゃあ実際に先生がこの目で状況を確認して」
トートーは先生に言いました。
「考えようね」
「まずは鉄道博物館に行って」
最後にガブガブが言いました。
「それでどういった状況か確認してからだね」
「うん、本当にそこからだね」
先生もこう言いました。
「結局観ないとわからないからね」
「それじゃあね」
「後で鉄道博物館に行きましょう」
「是非ね」
「そうしましょう」
皆も先生に同意してでした、そのうえで。
先生はお昼休みにお昼御飯に駅弁を食べることも含めて鉄道博物館に行きました、そうして実際に模型とディオラマの状況を確認しますと。
「いいと思いますよ」
「そうですか」
「はい、特にです」
宙を走る模型の為の線路を観て宮田さんに言いました。
「この線路は」
「透明プラ板を使っていてですね」
「これなら線路が観えないので」
それでというのです。
「まさに銀河鉄道みたいに」
「宙を走っている様にですね」
「観えますので」
だからだというのです。
「いいと思います、ディオラマ全体も」
「いいですか」
「細かいところまで出来ていて」
先生の観る限りではそうです。
「本物の駅や峡谷や市街地を走っているみたいで」
「トンネルの方もですね」
「いいですが」
「そうですか」
「まだ実際に走っているのを観ていませんが」
「では今から走らせますね」
「お願いします」
こうしてです、宮田さんはスタッフの人達にお話をして模型達を走らせました。するとすぐに先生はこう言いました。
「ああ、これは」
「おわかりになられましたか」
「はい、どの模型もとても出来ていますが」
それでもというのです。
「中にお客さんがいなくて」
「あっ、お客さんがですか」
「駅にも人がいないです」
模型が動いてこのことにも気付いた先生でした。
「踏切が動いても」
「それでもですか」
「はい、そちらにも人がいないので」
「リアリティがですか」
「人がいない分」
どうしてもというのです。
「なかったと思います」
「そうですか」
「そして特にSLですね」
先生は宮田さんにこちらのお話もしました。
「そちらですが」
「そちらのこともお気付きですか」
「SLは石炭で動きます」
「そうですね」
「ですから煙突から煙が出ます」
「ああ、煙がですか」
「出ないので」
模型の煙突からです」
「それが問題でした」
「そうでしたか」
「観て気付きました、非常によく出来た模型ですが」
それでもというのです。
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