ドリトル先生と日本の鉄道
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第七幕その二
「そのことに気付きまして」
「僕のところに来られましたか」
「はい、それで知恵をお借りしたいですが」
「そうですね、この度のことは」
少し考えてです、先生は宮田さんに答えました。
「鉄道模型なら」
「何かお考えがありますか」
「はい、大学の鉄道模型研究会の」
「ああ、彼等ですか」
「彼等に聞いてみてはどうでしょうか」
「そうですね、僕はこちらにはです」
どうもと言った宮田さんでした。
「あまり縁がないので」
「だからですか」
「鉄道は好きで模型も嫌いではないですが」
「あちらの研究会にはですか」
「入っていなかったので。今回も出身者が参加していてくれていますが」
「では問題ないのでは」
鉄道模型研究会出身の館員さんが参加していると聞いてです、先生はそれならと思いました。ですがその先生にです。
宮田さんはそれでもという口調でさらに言いました。
「その人達が言っています」
「違うのではとですね」
「もっと忠実に再現したい、夢がある様にしたい」
「凝ってですか」
「特にSL関係に」
「SLですね」
「これがどうも」
SLの鉄道模型がというのです。
「何かが違うとです」
「お話が出ていますか」
「はい、それで先生にお知恵をお借りしたいのですが」
「それでは」
ここまでお話を聞いてです、先生は。
中国茶を一口飲んでからです、宮田さんに言いました。
「少し見せてくれますか」
「実際の状況をですね」
「はい、どういった鉄道模型か」
それはというのです。
「見せてくれますか」
「それでは」
宮田さんも快諾しました、そうしてです。
先生は再び鉄道博物館に行くことになりました、宮田さんはこのことをお話してから一旦鉄道博物館に戻りました。
そのお話が終わってからです、先生は皆に言いました。
「ではね」
「うん、それじゃあね」
「また鉄道博物館に行って」
「それでね」
「模型観ようね」
「そうしようね、しかしSLは」
蒸気機関車、この列車のことについて言う先生でした。
「もうないからね」
「そうした国も少なくなって」
最初にホワイティが言いました。
「日本では完全に」
「うん、もう電車の時代でね」
チーチーがその通りと応えました。
「SLはね」
「もうなくなって随分経つから」
ダブダブも言います。
「今の人達は観た人いないよね」
「この目で観た人がいないと」
「動かしても忠実には再現しきれないね」
オシツオサレツも二つの頭で考えました。
「この目で観ると観ないで全然違うよ」
「何でもね」
「列車砲もそうだけれど」
ジップはこの兵器のことを思い出しつつ言いました。
「僕達にとっては」
「SLも観ないとわからないわね」
ポリネシアもこうした考えでした。
「どうしても」
「いや、それがわからないと」
老馬も言いました。
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