うちはオビト逆行物語 改 〜逆行?何それ美味しいの?〜
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幼少編
うちはオビト逆行物語『両親とは』
前書き
副題【オビトが両親の謎を解いていく話】
ご注意願います。
この作品は二次創作品となっており、本誌への多大なるネタバレを含みます。
更に辻褄や都合を合わせる為に作られた出しゃばるオリジナルキャラクターや、本誌に合わせた恋愛、過剰なるグロテスク等の表現をしております。
以上の事を踏まえた上での閲覧をお勧め致します。
第六話です!カカシが勇気を出す話パート二でもあります!頑張れオビト!頑張れカカシ!
カカシ(別に心配って訳でも、寧ろどうでもいい奴なんだけど、不思議とほっとけない。)
オビト(…なんだかんだ言って心配してくれるんだから、調子狂うよなぁ。)
カカシの家ではいろんな事をした。
でも皆、何一つ俺の考えている事には口出しをしなかった。
やっぱりこいつらはいい奴だと、痛感した。
だから、今回は。
今回だけは絶対に爺婆になるまで死なせねぇからな。
改めてそう思えた。
ふと、ドアが開く音がした。
「ただいま。」
「おかえり、父さん。」
カカシの声でその人物を見る。
「「「お邪魔しています。」」」
「ごめんね父さん、勝手に入れちゃったんだけど…。」
「うん、大丈夫だよ、カカシが友達を連れてくるなんて珍しいしね。」
ニコッ、とカカシとは正反対の顔で話す人。
…へぇ、この人がサクモさんって言うんだ。
大人になったカカシとそっくりで、笑いそうだ。
なんて考えてたら、サクモさんは俺の方を見た。
「君がうちはオビトくん?」
「あ、はい。」
何故名前を知っているんだ?
「実はと言うと、昔君のお父さんによくお世話になってたからね。」
え。
「父さんの…?父さんの事、知っているんですか!?」
「あぁ、オレの部下だったからね。」
俺の父さんが…サクモさんの部下。
あの、白い牙と恐れられるサクモさんの…。
「っと、さぁ皆、もう日が暮れてきているからお家に帰らないと親御さんが心配するよ。」
たしかにそろそろ帰らないと婆ぁちゃんが心配しそうだ。…だが、少しくらいは約束を取りつけてやるべきだろう。
「サクモさん、今度また父さんの話聞かせてね。俺、親のこと何も知らないし、顔写真もあんまないからさ。」
「そうだったのかい?まぁ確かに、あの子は写真に映るのを拒んでたからなぁ。」
「…。」
カカシの視線が少し気になったがあえて無視をかました。コイツの視線は何かと鋭いし痛い。
そのあと、カカシに付き添われながら、ガイ以外の皆で帰り道を歩いていた。ガイは修行だそうだ。ガヤガヤと賑やかに帰っている中、アスマがそういやと話題を切りかえた。
「まさか、オビトの親父さんがあのサクモさんの部下だったなんてな。」
「子どもを見れば疑うけどな。」
「おいカカシっ!!お前は一言余計なんだよっ!」
ほんとにコイツムカつく…!
どうしてあの性格がこうなったのかを知りたい。
…俺のせいか。
はぁ、とため息をつき、気を取り直すも、他三人とは分かれ道で、アスマが一番遠い場所に住んでいるから2人を送ると言った。男前だな。
「じゃあ俺たちここの道だから。」
「わざわざありがとうね、カカシ。」
「ん。」
アスマと紅の言葉にもこの素っ気なさ。同い年じゃないんだぞ?一切年下のくせに生意気だ。やっぱり可愛くないもんは可愛くない、むしろイラつく。
「オビト、気をつけてね!」
リンが楽しそうに手を振る。カカシなんかと比べては申し訳ないほどリンはいい子だ。本当に、そのまままっすぐ育って欲しい。
「おう!じゃあな!」
そうして3人の後ろ姿に手を振る。
さてと、俺も帰るか。
そう思いまた進み始める。
はぁ、なんでうちはの敷地はこうも遠いか…。
端っこに追いやられてるんだから仕方ないと言ったら仕方ないが。
ところで。
「なんっでお前まだついてきてんの!?もういいだろ!?」
「は?まだオビト帰らせてないデショ。」
何言ってんの、と呆れた顔をする。
何言ってんのってこっちのセリフなんですけど?
「別に1人で帰れるわ馬鹿!!」
「じゃあせめて教えてよ。」
「…は?」
訳が分からないんだが。
「皆は優しいからなにも聞かなかったけどこれじゃ結局かわらないじゃない、ついでに言っておくとさ、お前が一人でボケっと悩んでるより俺たちに相談した方がいいに決まってるデショ。」
そうペラペラ喋りそっぽを向く。
カカシもカカシだがやはりまだ幼さは残っている。勇気を振り絞ったが故の行動だろう。現にボケっとしてんのに悩んでるとか、おかしいこと言ってるし。
でも、コイツなりの優しさなんだろう、照れているということはそういうことだ。
「そうだな、お前に話すってのも一つの手かもな…。」
その言葉で一瞬カカシは目を大きく見開いた。
それは困惑なのか、驚きなのかよく分からない感じだった。
カカシは今の俺の発言を聞いて面倒だと思っただろうか。
それとも変なことを言ってしまったと後悔してるだろうか。
…何を今更、こんな事まで心配しなくてはいけないんだ。カカシなんかに。
違う、俺が言うのを、拒んでいるのか?
「別に無理に話さなくていいんだけど…。」
何かを察したのか、カカシは控えめにそう言ってくれた。
「いや、もうここまで焦らしておいてそれは無いだろうし、話す。」
俺はカカシに夢の話をした。
もうあまり気にしないようにしようと思ってたが案外話してしまうとやっぱり気になる点が多い。
「…ってな、俺もよく分かんねぇんだけどまぁそういう事。」
「…。」
カカシは黙り込んでしまっている、まぁそりゃそうだろうけど。
「まぁ、俺はあんま考えないようにしようと思ってんだけどな。」
「そーなんだ、その、カッコつけといてこんなこと言うのもアレなんだけど…」
その発言に驚いた。
カカシってこんな奴だっけ!?
「…なに固まってんの、俺が謝るのがそんなに珍しい訳?」
「おう。」
即答かよ、とカカシはあからさまに態度をイラつかせる。
あはは…、と誤魔化すように目を逸らし笑っておく、面倒臭いし。
「…でも聞いてくれただけでもありがたかったよ、なんかちょっとスッキリしたわ。」
「そ、ならいいけど。」
そう言って俺らは笑いあった。
…本当はもっと前からこんなふうにしていたかったな。
「じゃ、またな!」
「明日まで遅れてこないでよね、遅刻魔。」
カカシはそのまま走って帰っていった。
「お前はほんとに一言余計だな…。」
苦笑いをこぼしつつ、俺は家に向かった。
「ただいま…。」
「オビト、おかえり。」
ばあちゃんはちょうど夕食を作ろうとしている所だったようだ。
「…ねぇ、ばあちゃん。」
「ん?どうしたの?」
俺の問に優しく返してくれるばあちゃん。
もしかしたら今なら教えてくれるかも知れない、両親のことを。
「あのさ!…俺の父さんと母さんって、どんな人だったの?」
その問にばあちゃんは動きを止め、俺を見る。
その顔は笑っていたが、一瞬哀しそうな顔をしたのは気のせいだろうか。いつの間にかタブーになっていたこの話題は、気になりはしたものの口に出来なかったから、ばぁちゃんに聞こうだなんて考えもしなかった。カカシが話を聞いてくれたおかげで、俺も少し勇気を出してみたくなったのだ。
ばあちゃんはそのまま俺に近づいて手を取った。
「オビト、あなたの父さんたちはね・・・あなたが小さい頃に亡くなったの、オビトを守るために。」
「…俺を?」
守るために、っていったい…どういう。
「ごめんねぇ…オビト。」
そう言ってばあちゃんはまた笑った。
…これ以上は言ってくれないということだろうな、まぁいいんだけど。
「ありがとう、ばあちゃん。」
俺は祖母の表情が見ることが出来ずに、そのまま部屋に戻った。
「はよー!」
「あっ、オビト!おはよ!」
あの日から数日たって、カカシの飛び級で下忍になる日になった。
アイツらしい、やっぱり今回も言ってくれなかった。
「…カカシ、上手く出来てっかな?」
「大丈夫だよ!カカシだもん!もしも上手くできてなかったら私達が追いついて助けなきゃね!」
同意の代わりに笑顔を向けて俺達は歩き出した。
俺らも早く追いつかなきゃな。
「にしてもあの日からカカシの姿見ねぇなぁ…。」
「そう言えばそうだよね、いそがしいのかな?」
それだけならいいんだけど…。
あ、でもまだ馬鹿な時期じゃないか、ちゃんとやってるはずだもんな生意気なりに。
俺も早く下忍になりてぇ…。
「と言ってても残り数ヶ月で、俺らも卒業試験か…。」
「早かったねぇ、でも気は抜けないよっ!お互い頑張って下忍になろうねっ!」
そう言ってリンは俺の手をギュッとにぎって笑う。
…待ってリンまじで柔らかい、白い、可愛い!
自分でも分かるくらい鼻の下が伸びてるきがする、やめよう。
「そろそろ行かなきゃ、アカデミーのHRに間に合わなくなるね、行こっ!」
「あ、あぁ…。」
タジタジしながらも俺はなんとか返事して、リンと共にアカデミーに向かった。
…早く忍になりたい、そしたら後は成り行きだ。
「なぁ、アスマ…。」
「なんだよ、言いたいことも分かるけどよ。」
「…じゃあ助けてくれよ。」
アスマは苦笑いをして視線を反らす。
「悪い、俺には無理だ。」
「おまっ…!裏切るのか!」
「いや、なにも手を組んだ訳では無いしな、頑張れよ!」
じゃあな!と清々した顔でアスマは逃げた。
あいつ、後で如何様にしてくれようか…。
この場を逃れられた時に、だが。
「どうしたの?オビト、行くんでしょ?」
「アスマも来れば良かったのに、なんで行っちゃったのかしら…。」
女子勢に捕まったのだ、しかも用事が買い物。
つまり、お荷物係だ。
みんなで買い物、な。
建前なんだろうけども、だってここ服屋だし。
女子勢の買い物だろうが、ったく。
「結局こうなるんだよなぁ…。」
「なにが?」
「いや、なんでも。」
正直、放課後ぐらい好きにさせて欲しい。
リンといれるのは別としてな。
女子勢は服の会計をしていて今俺は一応服屋の外にいて、何もすることがないからぼーっとしてるか。
「…何してんの、ここ女服の売ってる店だよ?」
いきなり声をかけられた。
「リン達の荷物係だよ、悪かったなバカカシ。」
任務帰りか?と付け足してジド目で見てやる。
まさかこんな所で会うとは思ってなかった、てか前は任務帰りのカカシを見たことが無かったな。
「そ、任務帰り、女子勢に捕まったの、お前がトロイからデショ。」
俺のジド目を華麗にスルーしつつ一言余計なカカシは呆れた顔をしていた。
うるせっ、と反論しつつも久しぶりにあったのがちょっと嬉しかった、とか思う俺はちょっと自分でも気持ち悪い。
「あ、カカシ!久しぶりだねっ!」
「リン、久しぶり。」
いつの間に出てきててたのかリンと紅がカカシに話しかける。
ついでにドサクサに紛れて紅は俺に荷物を持たせた、抜かりないなおい。
「任務帰りなんだとよ。」
「そうそう、俺は女子の買い物に付き合ってる奴みたいに暇じゃないからね。」
「悪かったな!暇な奴で!」
「まぁまぁ二人とも…」
「フフッ、相変わらずね二人とも。」
相変わらず、か。
なんか懐かしいな…。
あ、そういや俺ばあちゃんに買い物頼まれてんだった。
これを口実に逃げよう。
「悪ぃけど俺ばあちゃんに買い物頼まれてたんだわ、じゃあなリン、紅、バカカシ!」
そう言って持っていた荷物をカカシに渡し足早にこの場を立ち去った。
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