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艦隊これくしょん 太陽は沈まない

作者:ナナシア
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プロローグ

 
前書き
いつまでも沈まぬ太陽
そして欠ける事のない月 

 
 鳴り響く爆音。
 轟く銃声。
 血と油の臭い。
 ここは・・・戦場。






 ◇





 ある日俺は死んだ。
 よくある交通事故ってやつで。
 そして、2次創作でよくある転生されました。
 ただ・・・。どうも向こうは俺の話を聞く気がなく、はんば押し付けられたような形で転生特典をもらいました。
 内容はこんな感じ。

『三色覇気』

『六式』

『武術の才』

『悪魔の実』

 以上です。
 あのさ、3つほどワンピース関連なのに、一つオリジナル的な何かが混じっているのですが?
 ちなみに、転生後悪魔の実は譲渡されませんでした。
 しかし、俺のが転生した世界は艦隊これくしょんの世界でした。
 最初は嬉々として喜びましたよ。最初はね。
 転生して直後の子供時代は、艦娘どころか深海棲艦すらいなかった。後に深海棲艦は出てきたが。
 青年になり、海軍に入ったが、艦娘はいなかった。
 海兵になっても艦娘はいなかった。
 後々になって艦娘はようやく出てきた。
 神様よう・・・、せめて艦娘が出てきた後の時代にしてくれ。






 ◇





 ある島にて。

「はぁ・・・はぁ・・・」

 俺は血だらけの体を引きずる。

「だ・・・誰か。誰かいないか!!」

 大声を出し、仲間が生きて返事をするのを確認した。
 しかし、何も返ってこない。
 あるのは、焦げたにおいとだけだった。
 しばらく、歩いていると。大勢の兵隊・・・、仲間の死体があった。

「あ・・・・・・」

 俺は唖然とした。
 ここに来るまで一緒にいた者たちが、目の前で屍になったことが。
 俺はその場に崩れ落ち膝をついた。

「ち、畜生・・・」

 気配を感じ、そこへ顔を向く。
 そこには、深海棲艦がいた。やつは、こちらを見下ろしていた。

「いつか・・・。いつか必ず!!」

 そう言った後、俺の意識は落ちた。






 ◇





「・・・!・・・さ!少佐!」

「!!」

 俺はふと目が覚めた。
 俺は車の中で寝ていたようだ。疲れていたのだろうか。

「申し訳ございません。つきましたよ」

「ああ、そうか。すまない」

「いえいえ」

 俺は、運転手に礼を言い、車を降りた。
 そうだ、大本営にいるあの人に呼ばれたんだった。
 大本営に向かい、歩き、入り口のドアを開く。
 そして、中に入った途端。
 大量の視線を感じた。大体がそこで働く職員たちの視線だ。
 その視線から感じるのは『畏怖』だけだった。
 俺は、軽いため息をして、中へと歩む。






 ◇




 通路を歩いていると、すれ違う職員や指揮官達に、嫌な視線を感じる。
 どれもこれもが、『恐怖』や『畏怖』的なものばかりだ。
 俺が何をした?思い当たるふしはなくはないが・・・。
 そう思っていると、目的の場所、指揮官長室に着いた。
 大きな扉の前に立ち、ノックした。

「どうぞ」

 中から声がした。

「失礼します」

 中へ入ると、一人の男の人と女性がいた。
 男は、白い指揮官服を着ているが、かなりの巨漢に見える。
 この人は、本郷元帥。この海軍のトップであり、俺の師匠だ。
 この世界には、覇気や六式が軍では当たり前のようにある。
 隣にいる女性は、大淀だな。

「よく来てくれた南少佐。まあ、かけたまえ」

 元帥がそう言って、俺をソファーへと導いた。
 俺はソファーに座り、元帥は俺の前にあるソファーに座った。
 大淀が、俺と元帥にコーヒーを出した。

「何の御用でしょうか?本郷元帥」

 俺が聞くと、元帥はキリっとした顔をして言った。

「・・・『(ブラック)』が発見された」

「な!」

 『黒』。それは、秘匿暗号の一つで、『ブラック鎮守府』の事を指す。
 この海軍では、艦娘ができてから二つの派閥が存在する。
 一つは『艦娘親密派』。もう一つは『艦娘軽視派』。
 親密派は、その名の通り艦娘に対して親身に接する連中の事だ。彼らは艦娘を人のように扱う。故にこういった連中は、とにかく艦娘に好かれたり、懐かれたり、モテたりする。
 対して軽視派は、全く逆で艦娘を軽蔑し道具のように扱う。その為、暴力や虐待。挙句の果てには性的行為に及ぶこともある。こういった連中に関わった艦娘たちは、人間不信やPTSDにかかる場合もあり、かなり厄介だ。
 この軍では、この二つの勢力が大多数を占めている。だが、自分はどちらかと言うと『中立』に等しい。
 『中立』は、艦娘にあまり感情移入せず、しかし劣悪な行為もしない連中の事。と、言っても中立はそこまで多くはおらず、ごく少数。自分もその一人。
 中立であるなら、別に軽視派のやる事は知らんぷりだが。流石の俺でも無視はできない。
 中立でなりながら、なる程度は親身に接する俺。故に、軽視派のやる事は大っ嫌いだ。
 そこで俺は、親密派の1人である本郷元帥に聞いた。

「場所は?」

「舞鶴鎮守府だ」

 舞鶴か・・・。横須賀、佐世保に並んで有名どころが、黒とはね。

「現状は?」

 俺は舞鶴の現状を聞いた。

「かなりひどい。担当していた提督は既に逮捕済みだ。大破進軍や暴力行為、性的虐待も確認された。それと、轟沈もあったそうだ」

 屑が。その状況に怒りを感じ、無意識にこぶしを握っていた。

「そこで、君に舞鶴へ向かってもらいたい」

 と、大淀が俺の前に異動に関する書類と舞鶴の資料を出した。
 は?俺は元帥に聞いた。

「何故俺なんですか?俺じゃなくて、『(じん)』や『筑波』や『村雨』が適任では?」

「確かに、あの3人なら適任かもしれないが、彼らには彼らの職務があるからね」

 と、言われてしまった。
 確かに、あの3人着任して一年足らずで元ブラック鎮守府を現ホワイト鎮守府にしてしまったのだから。
 だが、そう言われてしまったならしょうがない。

「わかりました。命令として承りました」

「そうか!ありがとう!」

 笑顔で言う元帥。そしてさらに。

「君の所の艦娘を連れて行っても構わないぞ。ただし、向こうにいない子だけだがね」

「わかっています」

 そう言い、出されたコーヒーを一気に飲む。あれ?ぬるくなっている。
 しかし、相変わらず元帥の所のコーヒーは美味しい。
 出された書類やな何やらを持ち、指揮官長室を出る。

「失礼しました」

 さて、帰りに舞鶴の資料を見て、連れていく子を決めなければ。








 ◇






「良いのですか?彼で」

 大淀が元帥に聞く。

「大丈夫だ。彼ならやってくれる」

「そうでしょうか」

 大淀は、元帥の机に置いてある一枚の書類に見る。

「あまりいい噂を聞きませんが・・・」

 と、書類から目を離し、元帥の方を見た。

「大丈夫だ。彼なら、きっと彼女たちにとっての『太陽』なってくれる」

 そう本郷元帥は返した。
 大淀は、少し不安になりながらも元帥のいう事を信じた。
 改めて書類を見る。
 そこの名前の欄に書かれている名前は。
































  『南 てつを』と書かれていた。 
 

 
後書き
南 てつを

本作の主人公。
かなり強い。三色覇気と六式を扱えるようになっている。特に、見聞色の覇気は相手の心を読むまでになっている。
武術の才によって、いろんな武術ができるようになっている。主に剣術を扱えるようにしてある。
悪魔の実の力は、既に取得済み。
あと、ベビースモーカー予備軍。


本郷 弘 元帥
かつて、深海棲艦が現れた際、単身で大隊クラスの深海棲艦を壊滅させたとか。
生ける伝説であり、英雄。
南の覇気や六式の師であり、上司。
コーヒーに対して異常までにこだわりを持っている。
艦娘親密派の1人。


(じん)
南の同期で戦友。
艦娘親密派の1人。怒るとすごい怖い。


筑波
南の同期で戦友。
艦娘親密派の1人。こいつも怒ると怖いが、不幸持ち。


村雨
南の同期で戦友。
艦娘親密派の1人。不憫と言うか不遇と言うか・・・。そんな感じの奴。 
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