ドリトル先生と日本の鉄道
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第四幕その二
「そして勝ったんだ、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「これで終わりじゃなかったんだよ」
先生は皆にさらにお話しました。
「鉄道自体が兵器にもなっていったしね」
「移動や輸送の手段じゃなくて」
「鉄道自体がなんだ」
「兵器にもなっていったんだ」
「列車砲っていう兵器があったんだ」
それがというのです。
「そうした兵器がね」
「列車砲っていうと」
「大砲を乗せた列車ね」
「それね」
「そうだよ、線路の上を走ってね」
そうしてというのです。
「砲撃を行う」
「そうした兵器もあったんだね」
「攻撃する場所も変えられるし」
「これならね」
「かなり使えるね」
「そう、だから列車砲は存在したんだ」
こう皆にお話するのでした。
「ただ線路の上しか移動出来ないからね」
「あっ、それだとね」
「普通の大砲より不便だね」
「いささかね」
「線路の上しか動けないんなら」
「だから今はないんだ」
この列車砲はというのです。
「自衛隊にもないしね」
「うん、見たことないよ」
「自衛隊でそうした兵器はね」
「大砲も沢山持ってるけれど」
「列車砲っていうのはね」
線路の上を走る大砲と言われると皆見たことがありません、それで先生に対してもこう答えたのです。
「ないね」
「そんな兵器はね」
「本当に見たことがなくて」
「今はじめて聞いたよ」
「そうした兵器があったって」
「そうなんだ、けれど昔はそうした兵器もあったんだ」
列車砲というものがというのです。
「そしてね」
「使われていたのは事実だね」
「昔は」
「鉄道自体も兵器になっていたんだ」
「攻撃する場所に持って行くにしても」
ここからお話した先生でした。
「大きなものだとパーツごと、ばらばらの状態で運んで」
「ああ、大砲の部分とか」
「あと列車の部分も」
「車の部分もあるし」
「あと線路も必要だね」
「全部運んでいってそして線路を敷いて」
そしてというのです。
「列車砲を組み立ててね」
「凄い手間かかるね」
「人もお金もかかりそうね」
「攻撃の度にそんなことをしていたら」
「それこそ」
「そうだよ、まさに原寸大の鉄道模型みたいなもので」
こう例えた先生でした。
「凄く大変だったんだ、そのこともあってね」
「列車砲は使われなくなったんだ」
「大砲は今も使われているけれど」
「そうなんだね」
「そうだよ、使うには大変でね」
このこともあってというのです。
「なくなったんだ」
「そうなんだね」
「確かに今はないしね」
「僕達軍隊のことは詳しくないけれど」
「そんなものがあったんだ」
「そうだよ、そしてね」
さらに言った先生でした。
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