転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
機動戦士ガンダム
2263話
これからどうするべきか迷っていた俺達だったが、そんな中で最初に動いたのはアムロだ。
ザクをビームサーベルで倒したアムロは、そのままこちらに……正確には、フラウ一家のいる方に向かって歩いて来た。
勿論、ガンダムから降りて……ではなく、ガンダムに乗ったままで。
だが、そんなアムロの動きは不意に止まる。
ガンダムの顔がフラウ一家の隣にいる俺の方を見た為だろう。
基本的にMSの頭部というのはそこまで頻繁に動かす必要はないのだが、それでもガンダムの頭部が動いたのは、単純にまだアムロがMSの操縦に慣れていないからだろう。
というか、正式にMSの操縦訓練をした訳でもないだろうに、何故ここまで動かせるのやら。
これが、ニュータイプの能力といったところか?
ともあれ、ガンダムは一定距離から歩みを進めない。
それは俺がいるからなのは、アムロの性格を考えれば確実だろう。
……こうなると、ビームライフルの類を持っていなかったり、バルカンの残弾が0であったりしたのは、お互いにとって幸運だったのだろう。
「アムロ!」
不意に、両親と抱き合っていたフラウが、ガンダムの前に……アムロの前に飛び出す。
そんなフラウの様子に、アムロも何か思うところがあったのか、やがてガンダムは片膝を立てた姿勢、いわゆる駐機姿勢になって、そのコックピットから姿を現す。
「フラウ!」
コックピットから出てフラウの名前を呼びつつ、地面に降りようとするが……無重力の場所ならともかく、重力のある場所で格好良く飛び降りるといったことは出来ず、四つん這いになって何とか着地する。
うん、怪我をしなくて良かったんじゃないか?
そんな風に見守っていると、フラウの側までやってきたアムロはフラウを背中に庇いながら俺の方を見る。
……へぇ。
俺にトラウマを受けて、その後はそれを克服したとはいえ、俺の姿を見た瞬間に逃げ出したアムロだったが、そのアムロは現在フラウを庇うようにして俺の前に立ち塞がっていた。
これはフラウを守るという思いからそのような事が出来るようになったのか、もしくはザクとの戦いでニュータイプとしての力を成長させたのか……もしくは、その両方か。
どれが理由かは分からなかったが、ともあれ今はアムロの成長を感心するべきだろう。
「ちょっと、アムロ。この人達と知り合いなの? 私達を助けてくれた人よ?」
「フラウ、僕はこの男を知っている。この男は……」
アムロがフラウに対して何かを言おうとしたその瞬間、そこに1人の男が声を掛ける。
「ちょっと待ってくれ。君、確かテム・レイ主任の息子さんだったね?」
「……はい。そう言えば、親父は?」
その言葉に、話し掛けて来た男……連邦軍の制服を着たその軍人は、黙って首を横に振る。
「先程の地割れで、テム・レイはその中に落ちていきました」
俺の近くにいたメリルが、小さな声でそう告げてくる。
そう言えば、地面が崩壊した時、メリルが少し驚いたような声を上げていたけど……あれはテム・レイが落ちたのを見たからなのか。
あれで死んだとは限らないが、だからといって現在の状況でテム・レイを探すといったことをするのも、また難しい。
アムロにその事を教えるべきかどうか迷っていたが、俺が何か言うよりも前に首を横に振っていた軍人は口を開く。
「残念だけど、行方不明だ。MSの攻撃で……」
「……そうですか」
アムロにとっても、父親が死んだというのは色々と思うところがあるのだろう。
先程まで俺に向けていた激しい感情が、まるで嘘だったかのようになくなっていた。
軍人はそんなアムロの肩を掴み、口を開く。
「とにかく、今はこのままここでこうしている訳にもいかない。恐らくだが、すぐにジオン軍の攻撃が再開される。特にガンダムが……それにガンタンクやガンキャノンがあるとなれば、尚更だ」
どうやら、やっぱりアムロが乗ったMSはガンダムで良かったらしい。
しかも、ストライクとかウイングとかの名前が頭に付かない、本当に普通のガンダム。
そして他の2機は、ガンタンクとガンキャノン。
ガンダムの他にも別の機種があるのは分かっていたけど、名前から考えると両方とも後方支援用の機体なのか?
ヅダで言うSP型、もしくはSEED世界のザウートやW世界のトラゴス的な。
けど、遠距離からの射撃用MSにしても、わざわざ2種類の機体を作る必要があるのかと言われれば、正直なところ微妙だと言ってもいいだろう。
となると……用途が違う?
「でも、僕は別にMSパイロットって訳じゃ……」
「分かっている。けど、残念ながら今の状況でガンダムを動かせる人員は君しかいないんだ。いや、正確には動かせるだけなら他にもいるだろうけど、あのガンダムには学習用コンピュータが入っている。そのコンピュータは、既に君の動きに機体を最適化している筈だ」
「そんな、だってまだ殆ど……」
殆ど動かしてはいない。
アムロはそう言おうとしたのだろうし、事実そうなのだろう。
だが、その少しというのはザクと……模擬戦ではなく、実戦を行ったデータが入っている。
その上で、アムロがガンダムを上手く動かせるというのも、間違いのない事実だ。
この軍人も、本音としては後者の方を重要視しているのだろう。
寧ろ、学習コンピュータというのは、建前でしかない可能性もある。
……まぁ、その気持ちも分からないではないが。
アムロが見せた操縦技術は、とてもではないが素人がMSを初めて操縦したといったようなものではなかったのだから。
ザクがこのコロニーを襲ってきた以上、恐らくコロニーの外にはムサイ級……もしくは下手をすればザンジバル級の類がいる可能性もある。
この状況でここから上手く脱出する為には、アムロの力が必須だと、そう考えたのだろう。
そして、俺としてもアムロにはMSに慣れて貰った方がいい。
最終的にアムロがルナ・ジオンに所属するのか、もしくは敵対するのか。
そのどちらになるのかは分からないが、それでもアムロの力は高めておいた方がいいのは間違いない。
「乗れよ」
そう、俺はアムロに告げる。
軍人と話していたアムロは、俺の方を睨み付ける。
迫力も何もない表情だが、それでもアムロにとっては精一杯の行動。
……まぁ、ネギま世界とかペルソナ世界の住人ならともかく、ここはUC世界だしな。
おまけに、アムロは別に身体を鍛えている訳でもなく、今までは機械いじりが好きなだけの内向的な性格だった訳だし。
そんなアムロだが、それでもフラウを守ろうとしている点は褒めてもいい。
「今、そのMSにはお前しか乗れないんだろ? なら、ここで乗らないでどうする? もしここでお前がMSに乗らなければ、このコロニーは間違いなくジオン軍の攻撃によって破壊されることになる。そうなれば、お前が守ろうとしていたその女……フラウだったな。そのフラウも含めて、全員が死ぬことになるだろう。お前は、それを許容出来るのか?」
「っ!?」
俺の言葉に、アムロは息を呑んで自分の後ろにいるフラウに視線を向ける。
実際問題、フラウを助ける為にはアムロが戦うしかないというのは事実だ。
……正確には、俺の空間倉庫にはニーズヘッグを含めてサラマンダーやミロンガ改といった機体があるので、本当にいざとなれば、戦いようはあるんだが。
だが、アムロを鍛える為にはそうした方がいいのは事実だし……
「このコロニーの軍港には、MS運用艦として開発されたホワイトベースという軍艦がある。ひとまずそこにガンダムを運んで欲しい。勿論、避難民の方々も引き受けると約束しよう。恐らく、現在は多くの者がホワイトベースに避難している筈だ」
MS運用艦、か。
そう言われて俺が思いつくのは、アークエンジェルやミネルバといった軍艦だ。
いや、ザフトには他にもローラシア級、ナスカ級といったMS運用艦もあるのだが。
ともあれ、今はこの軍人の言葉通りに動いた方がいいだろう。
「だ、そうだが……どうする? ホワイトベースとかいう軍艦に避難するにしても、それが連邦軍のMS運用艦という事になれば、ジオン軍は間違いなく狙ってくる。それを考えれば、守れる力があるのに、戦いたくないから守らないのか?」
そう言いながらも、ふと俺はアムロの状況がキラのそれとよく似ている事に気が付く。
……もしかして、アムロも不殺の精神に目覚めるとか、そんな事はないよな?
微妙に嫌な予感を覚えつつ、俺の視線はアムロに向けられている。
当然アムロに視線を向けているのは俺だけではなく、メリルもそうだし、フラウやその家族……そして他の避難民からも視線を向けられている。
元々内向的な性格をしているアムロだ。
当然のように、そのような視線を向けられれば断るなどという事は出来ず……
「分かりましたよ! けど、そのホワイトベースって軍艦に運ぶだけですからね! 軍艦に行けば、このMSを操縦出来るパイロットは僕以外にもいるんでしょ!」
そう、叫ぶ。
普通に考えれば、アムロの言ってる事は決して間違いではない。
だが、この世界の原作でアムロが主人公だと思われる以上、そんなに都合良く行くのか? という思いもある。
現実というのは、いつでもこちらにとって予定外の動きを見せるものなのだから。
とはいえ、だからといってこっちで何も手を打たないという選択肢は存在せず、あの軍人の言葉通り……恐らくは原作通りの流れにそのまま乗るのが幸いだろう。
「ちょっといいか?」
「ん? 何だい?」
俺の言葉に、アムロとの打ち合わせ――といっても非常に簡単なものだが――を終えた軍人がそう言葉を返してくる。
俺に対して、普通の視線……いや、寧ろアムロを説得したという点で好意的な視線を向けてくる軍人だったが、こうして見たところでは俺がフラウの一家を助けて空を飛んだ光景を見ていなかったのか?
まぁ、軍人という事でトレーラーの側にいて、そちらにも地面の崩壊が広がっていったのだから、それどころではなかったというのもあるが。
ただ、避難民の方では俺に恐怖の視線を向けてくる者も決して少なくない。
……取りあえず、今はこの場から離れてホワイトベースとかいうMS運用艦に避難する事を皆が優先しているから問題にはなっていないが、それが一段落すれば、きっとさっきの一件が話題になるなりなんなりするだろう。
そうなれば、俺が怪しまれるか……もしくは、空を飛んだ=魔法という事で、ルナ・ジオン……いや、シャドウミラーの人間だという風に考えられるか?
ともあれ、今の状況なら特に大きな騒動になるような事もないだろうが……
「あのトレーラーはどうするんだ? あのままここに置いていくのか? 見たところ、MSのようだけど」
「あー……そうなんだよな。出来れば持っていきたいけど、見ての通り残っているトレーラーのほぼ全てが動かせなくなっている。こうなってしまうと、ホワイトベースに行ってから、こういうのを運べる軍用車両を持ってくる必要があるな。もしくは、あのアムロって子供に頼んで新しいトレーラーの荷台にMSを移すか」
あっさりとそう告げる軍人だったが、まさかMSだというのをあっさり認めるとは思わなかった。
ああ、でももうガンダムを人目に晒し、それどころかアムロのような素人が動かしてしまった以上、隠してもどうしようもないのか。
「このままサイド7から逃げるのなら、間違いなくジオン軍は追ってくる。そうなると、対抗出来るのがアムロのガンダムだけだと、色々と不味い気がする。だとすれば、あのトレーラーはどうにかしてホワイトベースに持っていった方がいいと思うけどな」
「……ああ、そうか。そうなるのか。そうだな、ジオン軍が追ってくるのなら……」
恐らく、この軍人もいきなり状況に色々と戸惑っているのだろう。
俺の言葉を聞き、ようやくそれを理解したように頷く。
「ただ、MSを操縦出来るパイロット候補生が何人残っているのか……もしいない場合、邪魔になるだけにならないか?」
「ここに残っているMSはガンダムと同じ部品を使っているのなら、いざという時にパーツ取り用のMSとしても使えるし、それにアムロみたいにいきなりMSを操縦出来る奴がいないとも限らないだろ?」
もっとも、アムロと同じような能力を持った奴が、そう多くいる筈はないが。
ただ、一応メリルもMSの操縦は出来るという話だし、俺もMS操縦は出来る。
連邦軍のMSの性能を確認するなり、もしくは奪取するなり……その辺りの事情を考えても、俺達がMSパイロットとして名乗り出てもいいかもしれないな。
そんな風に思っていると、フラウと何か言葉を交わしていたアムロが再びガンダムに何とか乗り込み、起動させるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
ページ上へ戻る