麗しのヴァンパイア
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九十五話
第九十五話 ネットでもわからない
華奈子と美奈子はネットでも鉄仮面について調べてみた、だがそのネットで調べてもどうしてもだった。
誰だったかわからない、美奈子は華奈子と共に家のパソコンの画面を見つつ曇った顔で華奈子に言った。
「やっぱりね」
「ええ、わからないわね」
華奈子が困った顔で応えた。
「何をどう調べても」
「フランス語や英語で書いてるっぽい文章もあるけれど」
「あたし達どっちの言葉もね」
「わからないから」
だからと言うしかなかった。
「どうしようもないわ」
「というか多分ね」
美奈子は自分の隣に椅子を持って来て座っている華奈子に話した。
「どっちの言葉でもね」
「わからないっていうのね」
「ええ、間違いなくこの人だっていうことはね」
「書かれていないの」
「確かな証拠を出して」
そのうえでというのだ。
「そこまで書いている人はね」
「じゃあ日本語で書かれていること通りに」
「そう、わかっていることはね」
そのことはというと。
「鉄仮面の正体はわからない」
「それだけなのね」
「そうだと思うわ」
「じゃあ学校の先生に聞いても」
「返事は同じだと思うわ」
小学生達にとっては何でも知っている人の代名詞である先生達でもというのだ。
「結局ね」
「返事は一緒なのね」
「これまで私達が調べた通りにね」
「完全に謎なのね」
「多分ね」
「多分?」
「当時かなり重要な人だったとは思うけれど」
このことは間違いないというのだ。
「やっぱりね」
「それはそうよね」
「厳重な警護というか監視と対応だったから」
「そのことはよね」
「間違いないけれど」
それでもというのだ。
「正体はね」
「結局誰も知らないままってことね」
「そうみたいね」
美奈子はがっかりした顔で自分と同じ顔になっている華奈子に述べた。そうしてここで下から母がお風呂と言ってきた。
第九十五話 完
2018・10・10
ページ上へ戻る