ヴァンガードG ネクステージジェネレーション degrade
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
Turn:11 消えない光
前書き
ミライを助けるため犠牲となってしまったドラン
大切なユニットを失ったミライは失意に打ちひしがれる
そんな中やってきたタイガはミライにファイトを挑む
ドランのいないミライが選んだデッキは………
シェンメイとのファイトに敗れたミライはドランを喪い茫然自失としていた
検査のため入院したものの体に異常がないと判断され今はトコハが手続きをしている
同室のミツキはどう声をかけていいのかわからず戸惑っていたが
「よぉ、ちょっといいか」
病室の扉をノックして入ってきたのはタイガだった
Turn:11 消えない光
「あれ?ミライは?」
トコハが病室に戻ってくると
「タイガさんが来てるんで、屋上でファイトを………」
窓の外を物憂げな眼で見るミツキの前にトコハがデッキを置く
「なら、戻ってくるまで私たちでやってようか」
「はい!」
ファイトテーブルの前に立ちながらデッキをシャッフルするタイガ
一方ミライはユニットの消えたクロノ・ドラン・G、クロノジェット・ドラゴン・G、クロノドラゴン・ギアネクストのカードを見つめていた
「デッキはどうするんだ?それじゃギアクロニクルは使えないだろ?」
「ええ、だからこれを使うわ」
そういってミライは懐からもう一つのデッキを取り出す
「ネオネクタールか」
「ええ、この先の戦いに備えて、できるだけ調整してあるわ」
「懐かしいな、お前と初めて会った時ファイトしたっけ」
ファーストヴァンガードを置いたタイガはデッキをカットするため差し出した
「わかってる、タイガはあの頃と比べ物にならないくらい強くなってる」
「なら、お前も全力で来い」
「言われなくてもそのつもりよ」
互いのデッキをカットして5枚の手札を手に取る
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」
惑星クレイ、ズーの花園に2体のユニットが降り立つ
「メイデン・オブ・ノワゼット」
「クロノ・ティガー」
タイガのデッキは変わらずギアクロニクル
一方のミライはトコハと同じネオネクタール
「ライド、スチームリンクス エンメ」
「ライド、メイデン・オブ・ランプラー、更にメイデン・オブ・ブリードレインをコール」
紫色の服に身を包んだ少女の姿へと変わったミライ
更に隣にはピンク色を基調とした少女が姿を現す
「ブリードレインでエンメにアタック」
「ノーガードだ」
ブリードレインが手をかざすと花が舞ってエンメに襲い掛かる
【刻獣 スラッシュ・ドッグ】クリティカルトリガー
「エンメにパワー+5000するぜ」
「けど、まだ届くわ、ノワゼットのブーストしたランプラーでアタック」
「ノーガードだ」
【メイデン・オブ・ランプラー】トリガーなし
ランプラーが掲げた瓶から放たれた水が勢いよくエンメに襲い掛かる
【スチームスカラー エメルアンナ】トリガーなし
「こっちも行くぜ、ライド、スチームリンクス アダドアブラ、刻獣使い マニシュをコール」
マニシュの銃から放たれた光がランプラーを打ち抜く
【メイデン・オブ・ダマスクローズ】トリガーなし
「ティガーのブースト、アダドアブラでヴァンガードにアタック」
「ノーガード………」
【クロノファング・タイガー】トリガーなし
アダドアブラの放った光線がランプラーを飲み込む
焼け焦げた地面にランプラーの小さな体が転がっていた
【メイデン・オブ・グロウシャイン】トリガーなし
カードをドローしたミライは手札を確認する
「(ここで差を広げる)ライド!メイデン・オブ・ダマスクローズ」
鞭を握って相手を見据えるダマスクローズ
「ブリードレインを後ろへ、空いた場所にグラジオラスをコール、ノワゼットのカウンターブラスト、ソウルへ置いてグラジオラスとダマスクローズにスキルを追加」
ジャンプして後ろに下がったブリードレインに代わってグラジオラスが構える
さらに光に包まれたノワゼットがダマスクローズの体を包み込んでいく
「(ここはスタンド狙いで行く)ブリードレインのブースト、グラジオラスでアタック!」
グラジオラスの剣がアダドアブラに突き刺さる
【刻獣 スラスター・バイソン】クリティカルトリガー
「しまっ」
「パワーはアダドアブラに、残念だったな」
「けど、ノワゼットの与えたスキルで1枚ドロー、っ!」
ドローしたカードはメイデン・オブ・ゼフィランサス
もしヴァンガードからアタックしていればクリティカルが乗ってダメージを多く与えられたうえリアガードの攻撃で狙い通り差を開くことが出来た
「まだよ、ダマスクローズでアタック」
「マニシュでインターセプト、これでダマスクローズの攻撃は通らないぜ」
「ドライブチェック!っ!また不発………」
【メイデン・オブ・エボルブルス】トリガーなし
「我を導け!信じる世界をその手に!ライド!クロノファング・タイガー!」
赤き猛虎が咆哮を上げフィールドに姿を現す
「スキル発動、ギアタイガーをバインドしてブリードレインを山札へ」
ブリードレインは何とか体をかばうがクロノファングの開けた時空の穴に吸い込まれてしまう
「ギアタイガーのスキルで山札の上から1枚バインドしてソウルチャージ、ティガーの効果でさらにギアタイガーをバインドゾーンからコール、オビュラシー・オックスをコール、クロノファングでダマスクローズにアタック」
「ゼフィランサスでガード!」
拳を振り上げたクロノファングの攻撃をゼフィランサスが素手で受け止めた
「ツインドライブ」
【スチームテイマー ナニ】トリガーなし
【刻獣使い マニシュ】トリガーなし
「ギアタイガーのブースト、オビュラシー・オックスで攻撃」
力強く突進したオビュラシー・オックスの攻撃が決まり吹っ飛ばされるダマスクローズ
【メイデン・オブ・グロウシャイン】トリガーなし
デッキも回らず焦るミライ、このままではフォールファイターたちと戦うことなど
そんな時声が聞こえたような気がした
「私たちを信じてください」
彼女に語り掛けて見えるのはリアガードのグラジオラス
それだけじゃない、手札のメイデン達の声が聞こえる気がした
「スタンドアンドドロー………これは!」
引いたカードを見て驚くミライ
この状況から逆転するのに最高の1枚が来てくれた
「そうか………私、焦ってばかりだったから、あなたたちを信じ切れてなかったんだ………」
ようやく迷いを振り切ったミライ
その表情にタイガも満足そうに笑った
「咲き誇れ!煌く大輪の花!ライド!メイデン・オブ・トレイリングローズ!」
トレイリングローズとクロノファング
二人が初めて出会った時と同じ
「今の私に、何が出来るかはわからない!それでも!今できることをするしかないんだ!メイデン達がそれを教えてくれた!」
「来い!こっちも全力で迎え撃ってやる!」
「ストライドジェネレーション!世界樹を守るロータス・メイデン!コストに使った2枚のランプラーの効果でそれぞれをリアガードにコールして、1枚ずつドロー、メイデン・オブ・プロフュースをコール!ロータス・メイデンのスキルで前列のユニットにスキルを与えパワー+5000!プロフュースでアタック!」
「(ブーストをつけずにアタックか、狙ってるな)」
プロフュースのかざした手に導かれるままに花弁がクロノファングに襲い掛かる
【ラッキーポッド・ドラコキッド】ドロートリガー
「1枚ドローしてパワーをクロノファングに」
「プロフュースの攻撃がヒットしたことでロータス・メイデンの与えたスキルで山札の上から5枚を公開する」
「その中にお前のユニットと同名がいればコールできるんだろ、そいつの効果はよく知ってるよ」
「グラジオラスとランプラー有り、普通ならグラジオラスを選ぶ場面だけど、ここはランプラーをヴァンガードの後ろにコール」
「(なるほど、その方法をとるのか)」
「ランプラーのブースト、グラジオラスで攻撃、その時グラジオラスのスキル、コストを払ってプロフュースをリアガードにコール」
グラジオラスの攻撃がヒットしてクロノファングはその場に膝をつく
【刻獣 オビュラシー・オックス】トリガーなし
「効果発動、山札の上から5枚公開、同名のカードはないわ、ランプラーのブースト、ロータス・メイデンでアタック」
「ジェネレーションガード、ハイブロースチーム ラファンナ、スキルでオビュラシー・オックスをデッキへ、ギアタビーをスペリオルコール、更にスラスター・バイソンでガード」
「トリプルドライブ」
【メイデン・オブ・ブリードレイン】トリガーなし
【メイデン・オブ・ブリードレイン】トリガーなし
【メイデン・オブ・ゼフィランサス】クリティカルトリガー
「効果はすべてプロフュースへ、ランプラーのブースト、プロフュースでアタック!」
「ジェネレーションガード、時空獣 パンドラ・キメラ」
パンドラ・キメラの咆哮で開いた時空の穴にロータス・メイデンの後ろにいたランプラーが吸い込まれていく
「ターン終了」
「手札のクロノファングをバインドして、ストライドジェネレーション!時空竜 バインドタイム・ドラゴン!」
「(バインドタイム………ということは)」
「ナニとマニシュをコール、ナニでトレイリングローズにアタック」
「グラジオラスでインターセプト」
バインドゾーンの枚数だけパワーアップできるナニはブーストをせずともアタックが届く
本来ならマニシュにもパワーアップできるスキルはあるのだが………
「(十二支刻獣のほかのユニットがいないからそのスキルは出来ない、確実に攻撃の回数を稼いでこっちの戦力を削ぐつもりね)」
※十二支刻獣を持たないバインドタイム・ドラゴンにストライドしているので現在タイガの場には1枚も十二支刻獣がいない
「バインドタイム・ドラゴンでアタック!スキル発動、こっちの4体のリアガードをバインド!バインドゾーンのカードの枚数だけ相手のリアガードをデッキの下に!」
ミライの三体のリアガードがバインドタイムの咆哮で空いた時空の穴に吸い込まれていく
「ギアタイガーのスキル、山札の上から1枚バインドしてソウルチャージ、更にギアタビーのスキルでソウルに移動して1枚ドロー!」
「完全ガード!メイデン・オブ・パッションフラワー!」
バインドタイムの口から放たれた光線をパッションフラワーが盾で受け止める
「トリプルドライブ」
【スチームスカラー エメルアンナ】トリガーなし
【スチームスカラー ジジ】トリガーなし
【刻獣 リボルバー・ドラコキッド】トリガーなし
「ナニのスキル!ソウルブラストしてバインドゾーンからスペリオルコール!ナニでアタック!」
「ディモルフォーゼでガード」
タイガの攻撃をしのぎ切ってミライの手札は後3枚
ドローしたメイデン・オブ・ゼフィランサスのカードを見る
「(ストライドは出来る、けどそれだけ、今の手札じゃストライドした後もリアガードは一列だけ、タイガの手札に守護者がある以上、2列では決めきれない、なら)コール!グラジオラス、ゼフィランサス、ブリードレイン!」
2枚のブリードレインでブーストを確保して攻撃できるラインを揃えた
「ゼフィランサスでクロノファング・タイガーにアタック!」
「エンメでガード!ガードした後エンメはバインドゾーンに」
「トレイリングローズでアタック!」
「ジジ!リボルバー・ドラコキッド!」
クロノファングに向かっていたトレイリングローズの進路を2体のユニットが阻む
「ツインドライブ!」
【メイデン・オブ・ブリードレイン】トリガーなし
【メイデン・オブ・パッションフラワー】トリガーなし
「グラジオラス!」
「エメルアンナでガード!」
クインテットウォールによりコールされた5枚のガーディアンによってグラジオラスの攻撃が阻まれる
「エメルアンナのスキルでジジをバインドして、スラッシュ・ドッグとギアタビーをデッキに戻すぜ」
「ターンエンド」
「ストライドジェネレーション!クロノタイガー・GG!」
新たなクロノファングの可能性
その姿がトレイリングローズの前に立ちはだかる
「バインドゾーンのエンメのスキル、このユニットをドロップゾーンに送ることで山札から2枚バインド、そしてギアグレアのスキル、バインドゾーンが9枚以上なのでパワー+10000、クリティカル+1、ドライブ+1」
ギアグレアのソウルブラストによってすべてのリアガードが再び山札の下へと送られる
ギアグレアの武装から放たれた光が上空からトレイリングローズに降り注ぐ
光に飲み込まれながらトレイリングローズはそっと目を閉じた
【メイデン・オブ・パッションフラワー】
【メイデン・オブ・トレイリングローズ】
敗れはしたミライだったがこのファイトは意味のあるものだった
フォールファイターの出現以降忘れていたヴァンガードを楽しむ気持ちを思い出すことが出来たから
「楽しいファイトだった、あの根絶者の言うとおり、シェンメイを巻き込んでしまったのは私かもしれない、けど」
とても短い間だった
それでもファイトを楽しむシェンメイの笑顔はまだミライの脳裏に焼き付いている
「ファイトを楽しむシェンメイの心まで否定はさせない!私は根絶者からシェンメイを取り戻す!あの子にもう一度笑ってファイトしてもらうために」
「その意気だ、じゃ、行くか」
「行くって…………え?どこに」
「シンガポールだ、そこに………クロノ・ドランを助け出す手がかりがある」
後書き
次回予告
「それにしてもやっぱネオネクでも強えな」
「まあ、最初はネオネク使いだったから、私」
「ギアクロに変えたきっかけっていうのはやっぱりドランか?」
「ええ、物心つく前からドランのことが大好きで」
turn:12 繋ぐものたち
「だから………絶対に助けなきゃ」
「俺も手伝うぜ」
ページ上へ戻る