おぢばにおかえり
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四十八話 合格してその九
「それならもてるだろうに」
「いや、そうしたお話とは縁がなくて」
「それでもててもだね」
「一人だけですから」
「いい考えだね、これは千里ちゃんも安泰かな」
「あれっ、どうして私が」
また私のわからない展開になってきたと思いました、どうしてか阿波野君と一緒にいますとこう言われてばかりです。
「安泰なんですか?」
「それはおいおいわかるかもね」
「おいおいって」
「とにかく千里ちゃんも安泰だね」
「そうなんですか」
「私はそう思ったよ」
私と阿波野君を見ながらにこにことして言ってきました。
「よかったね、千里ちゃんも」
「そうなんでしょうか、まあとにかくですね」
私はあらためて言いました。
「阿波野君のことがまたわかった気がします、少しですが」
「それは何よりです」
「いいところもあるのね」
「人間誰でもいいところと悪いところがあるよ」
主任先生は私に笑顔でお話してくれました。
「そして出来るだけいいところをね」
「見ることですか」
「それが大事だよ」
「そういうものなんですね」
「それでいいところを伸ばしていくんだよ」
人のそこをというのです。
「出来るだけね」
「自分も他の人もですね」
「そうだよ、あとね」
主任先生は私にさらにお話してくれました。
「悪いところは出来るだけなおす」
「いいところは伸ばして」
「そうしていこうね、ほこりは払ってね」
おみちの言葉もお話してくれました。
ページ上へ戻る