転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2253話
ドズル・ザビの子供が生まれた。
そんな通信がジオン公国で行われ、当然のようにルナ・ジオン軍でもその通信を受信し、見た者は多い。
……ジオン軍にとって、ドズルの娘が生まれたという通信は慶事だったのだろう。
そんな通信を受け……ルナ・ジオン軍の中では意外な事に喜ぶような者が多かった。
どうやら、ルナ・ジオン軍の中でもドズルの評判はそんなに悪くはないらしい。
ギレンやキシリアと違って、ドズルは純粋な軍人だ。
その上、自分専用のザクを用意して、前線に立つ事はないまでも士気向上にはかなり励んでいるらしいので、人気が高いというのは当然なのだろう。
もっとも、俺と初めて会った時には、握手をする振りをしながら思い切り俺の手を握ってきたりもしたのだが。
ともあれ、ドズルに娘が生まれたという事でクレイドルにおいても喜んでいる者が多かったのは、俺にとっても正直意外だった。
そんな中でルナツー攻略戦の準備は着々と整えられ……
『では、これよりルナツーに向かって進軍する!』
この部隊を率いるダグラスの通信を合図として、クレイドルにいるルナ・ジオン軍が出撃する。
グワジン級にザンジバル級、ムサイ級、パプア級と、その全てがジオン軍から奪ってきた軍艦だったが。
本来ならカトンボといった軍艦も使えたのだが、今回はあくまでもルナ・ジオン軍だけの力でルナツーを攻略するという事になっている。
……もっとも、本当にそのままという訳ではない。
多少なりともそれぞれが改良されており、燃費、速度、索敵範囲、メガ粒子砲の威力や射程距離……それ以外にも、多くの部位が改良されている。
見て分かる程に性能が上がっている訳ではないが、それでも俺が乗っているこのグワジン級も当然のように色々と改良されていた。
外見も相応に変わっているが……こちらも見て分かる程に違っている訳ではない以上、ルナ・ジオンの技術者にとって課題となるだろう。
「ん? アクセル、どうしたんだ?」
グワジン級にある食堂――ちなみにここも改良され、食べられる料理は標準よりも一段上となっている。ナデシコみたいにプロの料理人が食堂をやっている訳ではないが――で紅茶を飲んでいると、不意にそんな声が掛けられる。
そこにいたのは、ガイア。
「いや、どうしたんだって言われても、今は特にやる事がないからな。暇潰しだよ。……それより、そっちこそどうしたんだ? 1人でいるなんて珍しい」
いつもであればガイアと一緒にいるオルテガとマッシュの姿がない。
イメージ的に、黒い三連星はいつも一緒というものがあったので、余計にそのように感じてしまう。
だが、ガイアは俺の言葉に呆れたような表情を浮かべる。
「別に俺達だって、毎日ずっと一緒にいる訳じゃねえ。オルテガの奴はマリオンと会ってるし、マッシュは何か調べるって言ってたな」
「ふーん」
マッシュはともかく、オルテガは……本気でマリオンとの関係が怪しくなってきたな。
師弟愛的なものだと思ってたんだが。
というか、年齢差! ……その辺は俺もあまり言えた事ではないが。
「で、アクセルは途中で降りるんだよな?」
「ん? ああ。まぁ、そんな感じだ。サイド7に行くからな」
「……連邦軍が何かをしている可能性、か。一体何を考えてるのやら。気にならないか?」
「気にならないと言えば嘘になるな」
何気に、ガイアも連邦軍に関しては思うところがあるらしい。
もっとも、MSとかを開発してるにしても、恐らくそれはルナツーなんだろうが。
「俺の事を心配するよりも、自分達の方を心配した方がいいんじゃないか? ルナツーは、仮にも宇宙に残った連邦軍最後の基地だ。当然のように、守りはガッチガチに固めてると思うぞ?」
実際、連邦軍にしてみれば、ルナツーが最後の拠点である以上、可能な限り防御を固めるというのは間違いない。
幾らMSが高い機動力を持っていても、ハリネズミのように対空砲――対宙砲と呼ぶべきか――を装備していると思われるルナツーを攻略するのは、簡単な話ではない。
今までの戦闘では、何だかんだとルナ・ジオン軍に死者が出るような事はなかった。
だが、今回の戦いでは、今まで盾代わりになっていたメギロートやバッタといった存在がいないし、向こうも十分い防衛の戦力は用意している筈。
そうなると……初の戦死者が出るという可能性は、決して否定出来ない。
いや、今まで戦死者の1人も出なかったってのが、出来すぎだったんだけど。
「だろうな。その辺は分かってるよ。だが……俺達も軍人としてルナ・ジオンにいる以上、これは必要な行為だ」
「……らしいな。正直、俺にはその辺はあまり理解出来ないんだが」
軍人にとって誇りとかプライドとかが重要なのは理解しているつもりだ。
だが……それでも、出さなくてもいいような被害をわざわざ出すかもしれないのに、シャドウミラーの戦力を使わないのは、と。
俺がそう思ってしまうのは当然だろう。
もっとも今更その辺を言っても、既に事態は動き始めている。
そうである以上、今の俺が何を言っても既に意味はないだろう。
「その辺の話はもういいとして、だ。このグワジン級の料理が美味いって聞いてきたんだが……それは本当か?」
「ああ、それは間違いない。料理に関しては、ルナ・ジオンも色々と力を入れてるからな」
まだルナ・ジオンが建国されてから数ヶ月程度ではあるが、それでも既に農場からはそれなりの数の野菜がクレイドル内に流通するようになっている。
また、ホワイトスターを通して大量の食料が輸入されるようにもなっており、そしてマブラヴ世界の合成食への半ばトラウマに近い思いから、出来るだけ美味い料理を食べたいとして、料理店の数がかなり多くなっている。
……また、グワジン級を含めてルナ・ジオン軍の軍艦がそこまで多くはない――あくまでもジオン軍や連邦軍の総数と比べての話だが――というも、この場合は影響しているのだろう。
それら様々な理由が絡み合い、ルナ・ジオン軍で出される食事は、ジオン軍や連邦軍に比べれば数段上のクオリティになっているらしい。
何気に四葉が監修した中華料理セットとかもあると言われれば、それがどのくらい美味い料理なのかは予想出来るだろう。
「俺も突撃機動軍にいた頃にグワジン級に乗った事があったが、そこで出された食事は
結構美味かったぞ?」
「あー……まぁ、だろうな」
グワジン級に乗るのは、ザビ家の血筋の者か、その信頼が厚い者。
そしてガイアがグワジン級に乗ったというのは、間違いなくキシリアが旗艦としていたグワジン級だろう。
突撃機動軍を統べるキシリアが乗っている戦艦の食堂で、それも黒い三連星という突撃機動軍の中でもトップクラスのエースに、粗末な食事を出せる筈もない。
……もっとも……
「美味いな、これ……」
結果として、ガイアは俺がお勧めした四葉監修の中華料理セットを食べると、そう感想を述べたのだが。
あくまでも、これは四葉が監修したのであって、四葉が作った訳ではない。
だが、それでも十分に……いや、十分以上に美味い料理となったのは、それだけ四葉の力が強かったという事だろう。
料理という一点に関して、四葉はシャドウミラーの中でもトップの実力を持っているのだから、それもおかしくはないのだが。
マリューや千鶴の料理も美味いけど、それでもやっぱり本職には敵わないといったところか。
とはいえ、だからといってマリューや千鶴の料理も十分に一級品と呼ぶに相応しい味ではあるのだが。
寧ろ家庭料理という点で考えれば、マリューや千鶴の料理の方が上という考えも決して否定は出来ない。
……そう言えば、いつだったか四葉が言っていたな。
一流のレストランで出てくるような料理と、普通の食堂で出てくる料理というのは違う、と。
レストランで出てくる料理は、一口目から美味い! と感じる強烈なインパクトが必要となるのに比べて、食堂で出てくるような料理は二口目、三口目くらいで、美味い……と、しみじみ感じるような料理だとか。
勿論全てが一概にそのようなタイプだという訳ではないのだが。
そういう意味では、ガイアが食べている料理は食堂系の料理なのだろう。
「だろう? ちなみに、シャドウミラーでは日常的にこれよりも美味い料理を食ったりしてるんだけどな」
「……本当か?」
「ああ。とはいえ、クレイドルで食べられる料理も相応に美味いけどな」
「あー、それは言える。それこそサイド3よりも美味い料理屋が多いし」
その辺は、やはり食材によるものだろう。
サイド3でもコロニーにて農作業は行われており、農作物とかはそれなりに収穫出来るのだが……基本的には、あくまでも質より量だ。
いや。質の高い野菜とかも作ってない訳じゃないんだろうが、そういうのはお偉いさんの口に入るようになっているのだろう。
……あ、でもガイア達だって黒い三連星として有名なんだから、美味い野菜とかが割り当てられてもおかしくはないような気が……
そんな風に考えている間にも時間が経ち……
「じゃあ、俺はそろそろ行くか」
「もう行くのか?」
「ああ。これからシミュレータで若い連中を揉んでやろうと思ってな。ルナツーにMSも用意されている可能性がある以上、その辺はしっかりとやっておく必要がある」
そう言い、ガイアは食堂から出て行く。
それを見送った俺は、シミュレータに顔を出そうかとも思ったが、今のルナ・ジオン軍で一致団結している状況を考えると、下手に俺が顔を出さない方がいいだろうと判断し、そのまま食堂でデザート代わりにソフトクリームを食べる。
このソフトリクームも、サイド3の普通の店で売ってるのに比べると数段上の味わいだ。
……ちなみに、ただのソフトクリームだけではなく、色々なフレーバーもある。
ちょっと面白いと思ったのは、ラベンダーのソフトクリームだ。
紫色のそのソフトクリームは、少し食べてみたいと思わせるだけの魅力があった。
そんな訳で、普通のソフトクリームを食べた後でラベンダーのソフトクリームを口に運ぶ。
うん、ラベンダーの風味はあるな。……ただ、味は……普通のソフトクリームと変わらないような?
まぁ、普通のソフトクリームにラベンダーの香りと色が付いていると思えば、それはそれでいいのか。
「あら、アクセルじゃない。……随分と美味しそうなのを食べてるわね」
ラベンダーのソフトクリームを味わっていると、不意にそんな声を掛けられる。
ガイアに続いて一体誰が来たんだ? と疑問を抱きつつ、視線を声のした方に向けると、そこにはクスコの姿があった。
いつも一緒のマリオンがいないのは……ああ、そう言えばオルテガがマリオンと会ってるとか、ガイアが言ってたな。
つまり、クスコは……
「1人で寂しくグワジン級を見て回ってた訳か」
「ちょっと、それはどういう意味よ。そもそも、1人寂しいって言うのならアクセルも同じじゃない」
「まぁ、それは否定しない。ただ、ルナ・ジオン軍が一致団結してルナツー攻略に当たるってのに、俺がそこにちょっかいを出すのは色々と不味いと思ってな」
「ああ、なるほどね。……で、食堂でソフトクリームを食べてた訳ね」
「そうなる。……というか、俺はともかくお前はここにいてもいいのか? さっきガイアがシミュレータを使って訓練をするとか何とか言ってたけど」
そう告げると、クスコは大丈夫と笑みを浮かべる。
「私の出番はまだ先なのよ。だから、こうしていても問題はない訳」
「戦いを見るのも、十分訓練になると思うけどな」
もっとも、クスコはいわゆる天才肌のMSパイロットだ。
ニュータイプ能力の件もあって、感覚的にMSを操縦する。
そういう意味では、あまり他人の操縦を見ても自分の操縦に活かす真似は出来ないのか。
とはいえ、相手の行動を予想する為の判断材料にはなるのだから、全くの無意味という訳でもないのだろうが。
「その辺りの事情はともあれ……クスコはルナツーの攻略に対して、不安はないのか?」
「それは当然あるわよ」
あっさりとそう告げるクスコ。
だが、俺の目から見た限り、クスコは震えているようにも見えない。
だというのに、不安を抱いている?
そんな風に疑問を抱くが……
「不安はあるけど、それを表に出すような真似は出来るだけしたくないのよ。あまり格好良くないでしょ? ……そういう意味では、マリオンは良かったのかもしれないわね」
良かったというのが何を言っているのか一瞬分からなかったが、すぐにオルテガの事だと理解する。
まぁ、オルテガがいれば……それは怖がっているとか、そういうのはあっという間になくなってしまってもおかしくはないよな。
そんな風に思いつつ、俺はクスコと一緒にソフトクリームを食べるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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