おぢばにおかえり
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第四十八話 合格してその六
「それでようぼく以外にもなんです」
「おぢばのあちこち行ったりしてるの」
「それでなのね」
「はい、回廊ひのきしんもさせてもらったり」
「色々としてるのね」
「そうなんです」
「充実してる?学校生活」
阿波野君のお話を聞くとそうだと思えてきました、それで聴きました。
「授業だけじゃなくて」
「おぢばでの生活ってなりますと」
「充実してるの」
「休日も帰ってますしね」
おぢばにというのです。
「そう考えますと」
「充実してるのね」
「そうですね、ひのきしんもさせてもらって」
「それはいいことね、じゃあ大学もなの」
「はい、天大の宗教学部を受けさせてもらって」
「合格したらなのね」
「そこでも勉強させてもらいます」
おみちのことをというのです。
「いつもお話させてもらってる通りに」
「そうなのね、ただ阿波野君まだ一年でしょ」
「それが何か」
「考え変わるかも知れないわよ」
今はそう思っていてもとです、私は阿波野君にお話しました。
「三年までの間にね」
「そうなる可能性もありますか」
「そうよ、大学だけが人生でないっていうし」
私自身本部勤務は専修科を考えましたし。人生は色々です。
「だからね」
「そうですね、確かに」
阿波野君も私の言葉を聞いて考えるお顔になって言いました。
「人生どう考えが変わるかわからないですね」
「そう、一寸先はってもいうしね」
「そうですね、ただ僕の好きな人は変わらないですね」
何でか私を見て言ってきました。
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