おぢばにおかえり
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第四十八話 合格してその五
「お礼勤めをしましょう」
「ええ、そうね、ただね」
「ただ?」
「阿波野君って結構こういうこと勇んでするわね」
「だといいですけれどね」
「毎日よくおぢばの中を歩いてる感じね」
思えば結構色々な場所で会いますし。
「あちこちを」
「そうかも知れないですね、回廊ひのきしんもさせてもらってますし」
「あれもさせてもらってるの」
「はい、時間があれば」
「あれはしんどいわよ」
教会本部の廊下を拭かせてもらうひのきしんです、一周約一キロを拭かせてもらうので結構しんどいんです。
「それもしてるのね」
「気が向けばですが」
「それで大体どれ位?」
「一週間に二回か三回か」
「結構多くない?」
「毎日じゃないですから」
「そりゃ毎日してる人もいるけれど」
このおぢばに伏せ込んでいる人なら本当にそうした人もいます、中には朝か夕方の日課にされている人もいます。
「それでも学生さんで週に二回三回はね」
「多いですか」
「そう思うわ、毎日学校帰りに参拝してる娘もいるけれど」
東寮にはです。
「回廊ひのきしんをそこまでしてる子はね」
「そんないないですか」
「予想以上に勇んでるわね」
阿波野君を見直しました。
「高校生から入った子には思えないわ」
「まあ暇ですしね、部活入ってないですし」
「ようぼくコースで」
「そっちなんですけれどね」
部活には入っていないというのは前から聞いていて知っています、阿波野君はそういうのは好きじゃないみたいです。
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