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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダム
  2246話

「さて、先程は戦闘の途中でいきなり発光信号を使って、申し訳なかった」

 そう言い、まずはダグラスが謝る。
 とはいえ、発光信号を使うのはミノフスキー粒子が散布されている状況ではあればそこまでおかしな話でもないので、その事を責めるような者はいない。
 ……あのまま戦っていれば、間違いなく俺達が勝利したのに、その状況で何故? と思っている者もいるのだが。
 映像モニタでこの会議に参加しているシーマなんかは、あきらかにそんな感じだ。

『で? 勝てる戦いを意図的に引き分けにした理由、教えてくれるんだろうねぇ?』

 その口調だけで、シーマが不機嫌だというのが分かる。
 シーマにしてみればもう少しで勝てるというところで、いきなりの撤退を命じる発光信号というのは、面白くなくて当然だろう。
 映像モニタの向こう側にいるシーマは、自分が納得出来るような理由を話せと、表情と態度で示している。

「うむ、当然だ。……実は、先程クレイドルから報告があった。何でも、連邦軍から通信があったらしい」
「今更か?」

 思わずといった様子で呟くが、実際にダグラスの話を聞いている者の殆どはそんな俺の言葉に同意だったのか、不満そうな表情を隠さない。
 連邦軍にしてみれば、もっと早く連絡を寄越すような事は出来た筈だ。
 だが結局通信を送るようなことはせず、結果として実際に戦闘が行われ、そして向こうがピンチになれば通信。
 それで怒るなという方が無理だろう。
 タイミングを考えると、連邦軍が負けそうだからと慌てて通信を送ってきた……という訳でもないみたいだが。

「そう、今更だ。だが、その通信を送ってきたのだがレビル将軍ともなれば、ルナ・ジオンとしてはそう無碍にも出来ない」

 その言葉に全員が納得する。
 レビルというのは、ジオンが行っている独立戦争において、連邦軍側の最高指揮官と考えていい。
 ルナ・ジオンで言えば、元帥として軍を司っているアンリのようなものか。
 ……いや、考えてみれば、アンリはジオン・ズム・ダイクンの思想に惹かれてダイクン派になった、元連邦軍の軍人だ。
 そう考えれば、アンリとレビルが顔見知りでもおかしくはない。
 ちなみに全員が驚いている中で、黒い三連星だけが微妙な表情を浮かべていた。
 ガイア達はルウム戦役において、レビルが乗っていた連邦軍の旗艦アナンケを撃破し、脱出しようとしたレビルを捕らえるといった手柄を立てている。
 そう考えると、ガイア達のこの態度も分からない訳ではない、か。

「で? わざわざ連邦軍のトップから、一体何の通信が送られてきたんだ? 恐らく、ゴップからの伝手だと思うけど」

 レビルとゴップは、少なくても現在のところではお互いに協力している。
 そうである以上、俺達と繋がりのあるゴップの伝手を使うというのは当然の事だろう。

「私もその通信を直接聞いた訳ではなく、アンリ元帥からの報告でしか聞いていないが……簡単に言えば、停戦を求めるという事だった」

 そんなダグラスの言葉を聞き、ブリッジに広がったのはやっぱりなという雰囲気だった。
 普通に……そう、本当に普通に判断出来るような者であれば、それこそ連邦軍とルナ・ジオン軍の間にある戦力差というのは十分に把握出来る筈だ。
 それとも、強硬派はルナ・ジオンの主力がヅダであり、ザクとのコンペに負けた機体だからという判断で出撃してきたのか?
 もしくは月にコロニー落としでもするつもりだったのか。
 ただ、もしそれが本当でも、月の周囲にはバルジを始めとする機動要塞群が存在するんだが……それを一体どうやって攻略するつもりだったのやら。
 また、もしそれを攻略する事が出来たとしても、ぶっちゃけルナ・ジオンの背後にはシャドウミラーがいる訳で……いや、本当に何がどうなってこんな暴挙を行うつもりになったのやら。

「停戦か。まぁ、こっちの被害は……幾らか小破していたり、ダラニが撃破されたりといった事にはなっているが、MSが撃破されたという事はない。だとすれば、向こうから停戦を求めてくるのなら、それはそれで構わないのではないか?」

 ラルのその言葉に、何人かが嫌そうな表情を浮かべる。
 折角このまま勝てそうな……それも辛勝や判定的な勝利という訳ではなく、圧倒的な勝利となりそうな以上、出来ればこのまま戦いを挑んで勝ってしまった方が手っ取り早いと思っているのだろう。
 正直なところを言わせて貰えば、俺もその意見には決して反対ではない。
 恐らく……本当に恐らくの話だが、今回の戦いにはルナツーにいる中でも、強硬派の全て……もしくは大部分が戦場に出ている筈だ。
 世の中には、安全な場所でだけ強硬論を口にして、本人は絶対に戦場に出ない……そんな奴もいるので、その辺りは絶対に確実という訳ではない。
 だが、それでも面倒な事を引き起こす強硬派の大部分を纏めて潰す機会でもある。
 であれば、何故ここで停戦に合意するのか。
 そう思う俺や他の面々の視線を向けられたダグラスは、数秒目を瞑ってこっちを落ち着かせた後で、口を開く。

「ここで一気に倒してしまいたいという気持ちは分かる。だが……ここで強硬派を倒してしまえば、連邦軍にとっても……そして、ルナ・ジオンにとっても都合が悪いのだ」
「俺達にも?」

 オルテガの口から出た言葉に、ダグラスは頷きを帰す。

「そうだ。……連邦軍にとっては、兵器や軍人を失いたくないというのが大きな理由になっているのは分かると思う」

 その言葉に、話を聞いている全員が頷く。
 連邦の国力がいかに高くても、どうしたって有限なのは間違いない。
 今までにもジオン軍との戦いで大きな損害を受けている以上、出来れば兵器の損害は避けたいと思うのは当然だった。
 つまり、連邦軍がこの戦いを止めた方が利益になる――タカ派を生かしたままでは、利益どころか不利益の方が大きいと思うが――のは分かるが、それが何故ルナ・ジオンの利益になるのか。
 それが分からずに視線を向けると、ダグラスは俺の視線に先を促されるように、言葉を続ける。

「ルナ・ジオンにとっても、いざという時に連邦軍を暴発させることが出来るタカ派の連中というのは利益になる」

 一瞬その言葉の意味が分からなかったが、すぐに納得する。
 なるほど、言われてみればそうだ。
 今はこうして厄介な相手でしかないタカ派だが、それこそ今回のように相手に先に手を出させるという意味では、ルナ・ジオンが正当防衛という形で連邦軍に反撃をするという意味で、非常に便利な相手となるのは間違いない。
 ……ゴップ辺りと上手い事をやっていたが、相応に国としての政治をきちんと考えていた訳か。
 もっとも、それはあくまでも向こうが暴発しても、こっちの被害を皆無に近く出来るという前提条件があってのものなのだが。

「なるほど。そういう使い道か」

 エグいな。
 そう思わないでもなかったが、連邦政府や連邦軍という巨大な組織を相手にする以上、当然ながらその弱みを握っておく必要があるのは間違いない。
 そういう意味で、タカ派の人間達が使いやすいのも事実なのだ。
 ……サイド3への強行偵察を成功したのを考えると、全くの無能という訳でもないんだろうが。
 ともあれ、ダグラスの言葉には納得出来るものがある以上、停戦という選択肢を、俺は許容する。
 他の者達も、色々と思うような者はいたようだったが、それでも最終的にはダグラスの言葉に納得したらしい。
 ただ、問題なのは……

『ダグラスの言いたい事も分かるし、納得もした。……けどねぇ、こっちが停戦を納得したからといって、向こうがそれに従うのかい? 元々、上層部からの意見を無視して、こっちに攻めてきた連中だろう? そうである以上、このままあたし達の前から大人しく引き下がるとは……ちょいと、思えないんだけどね』

 映像モニタの向こう側で、シーマがそう告げる。
 そう、月に攻めてきたタカ派の面々が、自分達が負けたからといって、必ずしも停戦を認めるかと言われれば、正直なところ分からないとしか言い様がない。
 特にタカ派とかは面子とか、そういうのを大事にする。
 その辺りの事情を考えれば、シーマの言葉には非常に強い説得力があった。

「うーん、けど……向こうは正面から戦っても、俺達に勝ち目がないというのは分かってる筈だろ? そんな状況で死んでも無駄死にでしかないと思うけど。それとも、何か別の狙いでもあったのか、そういうのか?」

 シーマの言葉にそう返す。
 実際、タカ派は俺達と正面から戦っても勝ち目がないというのは、先程の戦いで理解した筈だ。
 てっきりMSの開発が完了したのかとも思ったが、生憎とMSが戦場に出てくるというのもなかったのを考えると、MSの開発は完了していないか、完了してもまだ実戦に出せるだけの数がないか……はたまた、タカ派にはその権限がないか、だな。

「ふーむ。……まぁ、皆に言いたい事は色々とあると思うが、今回の停戦を受け入れるというのは、姫様からの指示だ。受け入れて貰う」

 ダグラスのその言葉に、聞いていた全員がやがて頷きを返す。
 中にはここでタカ派は殲滅しておいた方がいいのではないか? といった表情を浮かべている者もいたが。
 ただ、この手のタカ派というのは、今いる分を倒せばそれで解決という訳にはいかない。
 一番目立っている奴を殺せば、次点の奴が出て来て、それを殺せば次の……といった風に、切りがない。
 おまけに、次に出てきた奴が今のタカ派の主要なメンバーよりも過激な思想だったり、何を考えているのか分からないような奴だったり……と、そんな可能性もあるのだ。
 それを思えば、まだどういう性格か、どういう能力かといったことが分かっている、今のメンバーの方が対処がしやすいのは事実だろう。

「1つ聞くが……もし向こうが今回の停戦を受け入れず、このまま戦闘を続行しようとした場合、どうするつもりだ?」

 そう視線を向けて言ってきたのは、ガイア。
 真っ先に敵に突っ込んでいっただけあって、ガイアは今回の戦いに色々と思うところがあるのだろう。
 もしくは、血の気の多いオルテガが暴走しないようにというつもりかもしれないが。
 これで、もし向こうが攻撃してきても防衛に徹して攻撃をしないようにしろなどと言われれば、間違いなくガイア達……いや、それ以外にも血の気の多い面々は爆発していただろう。
 ダグラスはそんなガイアの言葉に、獰猛な笑みを浮かべながら口を開く。

「その場合は、改めてルナ・ジオンの力を見せてやれ。停戦を提案してきたのが連邦軍である以上、こちらが下手に出る必要はない。……ただし、あくまでも先に手を出してきたのは連邦軍か、という明確な証拠が必要となるのを忘れるな」

 その言葉に、ブリッジで話を聞いていた者達は、俺も含めてほっとする。
 ダグラスが弱気になっていなかったという事を、しっかりと把握出来たのもこちらとしては嬉しい限りだ。

「おう、そう来なくっちゃな。……出来れば、さっさと向こうから攻撃して欲しい所なんだが」

 ダグラスの言葉を聞いて、オルテガはそんなダグラスに負けない程の獰猛な笑みを浮かべつつ、そう告げた。
 元々血の気の多いオルテガだけに、ダグラスのそんな言葉は望むところといった感じだったのだろう。

『それで、向こうが停戦するかどうかは……いつまでに決まるんだい? まさか、ずっとこうやっていられる訳じゃないだろう?』
「それに関しては、2時間以内にここから撤退するという事だ」

 2時間か。ある意味で、随分と急いだな。
 戻ってきたセイバーフィッシュを始めとした戦闘機の整備や、戦闘で傷ついた軍艦を取りあえず動けるように修理する必要もあり……そうなると、2時間の猶予時間というのは、結構ギリギリな時間の筈だ。
 そして2時間以内にここから撤退しないということは、まだこっちとの戦闘を繰り返す意思があると判断され、こちらから再度攻撃をされてもおかしくはない。
 うん、停戦とかはしてもいいけど、優しい態度で臨むような事はない……といったところか。
 もっとも、一方的に攻撃を仕掛けられたという事を考えれば、それでも優しい対応に思えてしまうけどな。
 そもそも、軍艦で被害を受けたのはそこまで多くはない筈だし、いざとなれば他の軍艦で引っ張っていくなり、乗員だけを無事な艦に乗せ替えるなりといった手段も出来る。
 それを考えれば、厳しい態度ではあるが、絶対に無理……という訳でもないのだ。

「なるほど。なら、俺は2時間経っても連邦軍がまだ残っていた場合、すぐにでも出撃出来るように準備しておこう。機体の状態も気になるしな。……オルテガ、マッシュ、行くぞ」

 そう言い、ガイア達黒い三連星は部屋を出て行き……他の面々も、2時間が経つの待つことになる。
 ……結果として、1時間30分程が経った時、連邦軍は月の周辺宙域から撤退していくのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S

海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435 
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