おぢばにおかえり
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第四十八話 合格してその三
「これまで長い様で短かったですね」
「おめでとう、じゃあ詰所の三階に千里ちゃんのお部屋用意しておくね」
「お部屋一つですか」
「そうだよ、全部千里ちゃんが使っていいよ」
「有り難うございます」
夢みたいなお話でした、まさかお部屋一つ一人で使っていいなんて。これまでずっと三人部屋だったのに。
「それじゃあ卒業したらですね」
「荷物持ってすぐにね」
「入らせてもらいます」
「それで入学式からね」
「詰所から通わせてもらいます」
主任先生に笑顔で答えました。
「是非」
「うちの詰所大学まで近いし丁度いいしね」
「そうなんですよね、もう歩いてすぐですから」
十分位でしょうか、歩いて。
「図書館は立派で傍に博物館もあって」
「あの博物館も凄いのよね」
母屋の中にあって所蔵されているものは凄いものばかりです。
「博物館はこれまでも行かせてもらってるけれど」
「これからはこれまで以上にですね」
「行かせてもらうかもね」
「じゃあ僕案内してくれます?」
ここでまた私にこんなことを言ってきた阿波野君でした。
「博物館にも行ったことありますけれど」
「あまり、なのね」
「はい、まだまだ詳しくなくて」
それでというのです。
「宜しくお願いします」
「仕方ないわね、じゃあその時は事前に連絡してね」
「有り難うございます」
「千里ちゃんは宗教学科だったね」
先生が私に大学の学科のことを聞いてきました。
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