転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2243話
会議は当然のように、連邦軍にどう対処するか……という話から始まった。
というか、それが主目的だろう。
「さて、それで結局はいつまでこうして睨み合ってるつもりだ?」
俺のその言葉に、全員が難しい表情を浮かべる。
まぁ、その気持ちも分からないではない。こうして向き合ってるだけで、全く何の進展もないのだから。
そうである以上、ここで会議をしても特に何か変わるような事はない。
「いっそ、こっちから敵に突っ込むというのもありではないか?」
ガイアのその言葉に、気の短い……もしくは好戦的な面々が同意するように頷く。
ちなみに黒い三連星の機体も、現在ではヅダに変わっている。
黒いシグーを結構気に入ってる様子ではあったのだが、ルナ・ジオンという国の主力量産MSだから、というのも大きいだろう。
いやまぁ、実際にヅダの性能はかなり高い。
その上で、通常はノーマルのヅダを使っていながら、戦況に応じてバリエーションを変える事が出来るというのが、大きい。
シグーも性能は高いし、武器も使いやすい物を持っているのだが、ヅダのバリエーションの多さには敵わない。
……マリオンが開発に関わったから、オルテガが強烈に押したという可能性も否定は出来ないのだが。
「それは少々不味いだろう。まだ正式に敵対行動を働いた訳でもないのに、こちらから攻撃を仕掛けるとなると、大義名分は向こうにある」
グワジン級の艦長という事で、今回の戦いの指揮官という立場にあるダグラスが、ガイアの言葉を否定する。
本来ならアンリ辺りがいてもおかしくはないのだが、元帥の地位にある者が出て来るのはどうかという事で、今回はクレイドルに残っていた。
「大義名分と言うが、月の前にこうして軍艦を並べているのを見れば、その時点でこちらに対する敵意は明らかだと思うが?」
マッシュのその言葉は、事実ではあった。あったが……
「月の前にいるだけであれば、それこそ演習だと言い張ってもおかしくはない。儂もそれが無理のある事だというのは分かっているが、向こうは連邦軍、それもタカ派だ。その程度の事は言ってもおかしくはないだろうな」
ラルのその言葉に、話を聞いていた全員が嫌そうな表情を浮かべる。
「そもそも、向こうは何て言ってきてるんだい? こうしてあたし達の前に戦力を揃えてるんだから、何か通告してきてもおかしくないと思うけど?」
「シーマ中佐の言ってる事はもっともだ。だが、向こうに通信を入れても無視されて返信は一切ない」
「何だい、そりゃあ」
ダグラスの返答に、シーマの口から出たのは呆れの言葉。
それも分からないではない。
こうしてわざわざ月の前に陣取っている以上、何らかの声明……とまでは言わないが、通告辺りをしてきてもおかしくはないのだ。
だが、何故か向こうはそのような事をするつもりはないらしい。
それに呆れるなという方が、無理な話だろう。
「そうなると、こっちも向こうを連邦軍と認識しなくてもいいんじゃないか?」
ふと疑問に思い、そう呟く。
実際に向こうがこっちの通信に答えたりしない以上、向こうを連邦軍だと認識しなくても、それはおかしくない筈だ。
それこそ、どこぞの宇宙海賊といった連中が連邦軍の軍艦を乗っ取って俺達の前にいる。
そう言い切っても、向こうが何も通信を送ってこない以上、不思議でも何でもないのだ。
それがかなり無理のある事であるのは、俺にも分かっている。分かっているが……向こうが無茶な真似をしてくる以上、こちらも同じように無茶をしても問題はない筈だった。
「いや、それは……少し無理がありすぎるのでは?」
MS部隊の一員としてこの場にいるケンが微妙な表情でそう言ってくる。
だが、生憎と他の面々はそんなケンの言葉を気にした様子もなく、俺の言葉に良い意見だといった様子の視線を向けていた。
ケンは何だかんだと外人部隊の面々や家族と一緒にいる事が多いし、本人がこういう場所に出ようとしていないというのもあって、自分の予想とは違う光景に驚きの表情を浮かべる。
とはいえ、実際今回の件をどうするのかという事を考えると、やはりいつまでもこのままという訳にはいかないのも事実だ。
ルナ・ジオンという国は、シャドウミラーのてこ入れもあって高い技術力を持ち、軍事や政治に関わっている者には精鋭と呼ばれている者も多い。
ただし、精鋭ではあっても、そこに少数というのがつく。
つまり、人手不足なのはまだ解決していないのだ。
……いやまぁ、人手不足がそう簡単に解決するのかと言われれば、正直なところそれは微妙なところだろうが。
こうして俺達をここに引き留めている時点で、何気に連邦軍はルナ・ジオンを攻撃していると言っても間違いではない。
とはいえ、その辺りを考えても俺達よりも連邦軍……ルナツーの悪影響の方が強いと思うんだが。
「ともあれ、だ。多少無茶でもずっとこのまま睨み合ってる訳にもいかないだろ? なら、多少乱暴であっても、行動に移した方がいいんじゃないか?」
「それは……」
俺の言葉にケンが何かを言おうとするも、結局それを口に出す事はない。
「ふむ。では……そうだな。では、取りあえず向こうに近づくが、攻撃範囲内には入らないようにして行動するというのはどうだ? オープンチャンネルで通信を送り続ける事にして。……もっとも、ミノフスキー粒子が散布されている以上、向こうがこちらの通信に答えてくる可能性は少ないが」
ラルのその意見に、特に誰も異論がないといった様子を見せる。
ギリギリまで近づいて、敵の反応を誘うか。
それで向こうがどう反応してくるのか……それは楽しみではある。
だが、同時にこの動きによって大規模な戦いに発展する可能性も考えれば、慎重にやらなければならないのも事実だ。
……強攻策を訴えていた俺が、そんな事を心配するのも、正直なところどうかと思わないでもないのだが。
ともあれ、それで意見は決まり……そうなると、次に誰がその行動に出るかという事に話題は移る。
当然俺も立候補したのだが……
「アクセルの機体はザクだろ? そうすると、ルナ・ジオン軍としては色々と不味いんじゃないか?」
マッシュのその言葉により、俺の意見はあっさりと却下されてしまう。
いやまぁ、マッシュの言いたい事は分かるんだがな。
ただ、俺の場合はもし万が一、億が一に機体が撃破されたとしても、混沌精霊である以上、俺には問題がない。
勿論、俺は自分の操縦技術には自信があるし、向こうが攻撃してきても回避出来る筈だった。
それらの事情を考えると、やはりここは俺が出た方が最適だと思うんだが。
「今回の件は、ルナ・ジオン軍が連邦軍と初めて戦う……かどうかは分からんが、戦いになる寸前までになる筈だ。それを考えると、やはり敵を挑発するのはザクではなく、ルナ・ジオン軍の主力MSたるヅダで出たい。……アクセル、分かってくれ」
ダグラスにそう言われれば、俺としても退くことしか出来ない。
実際、ダグラスの言葉には一理あるというのもあったからだ。
今回の一件は、恐らく……本当に恐らくだが、歴史に残る事になる筈だ。
そんな場所で最初に前に出るのがルナ・ジオン軍の主力MSたるヅダではなく、ジオン軍の象徴とも呼ぶべきザクであれば、当然のようにそれは色々と不味いだろう。
……もっとも、歴史に名前が残るというのは、一体どういう意味で名前が残るのかは、不明だが。
連邦軍の間抜けさ加減を示す行動なのか、もしくはルナ・ジオン軍という勢力を倒して連邦軍が自分達の実力を見せつけるのか。
いやまぁ、ぶっちゃけ俺がいる以上、ルナ・ジオン軍が壊滅的な被害を受けるとは、到底思えないんだが。
「そこまで言うのなら、俺も我を通そうとは思わないよ。そもそも、この問題はあくまでもルナ・ジオンの問題であって、ぶっちゃけると俺はあくまでも外部協力者って扱いだし」
そう言うも、もしかしてルナ・ジオンがシャドウミラーの保護国である事を考えると、もしかして俺の立場が外部ではなく内部協力者って扱いになるのか?
……まぁ、その辺はどうでもいいか。
ともあれ、ラル達が止めてくれと言うのであれば、俺がそれを否定するようなつもりはない。
「すまんな」
「気にするな。……けど、じゃあ、誰が行くんだ?」
俺の質問に、ラルの視線は一点に向けられる。
「俺達か? 望むどころだが」
そう答えたのは、視線を向けられた先にいた人物、ガイアだ。
なるほど。ガイアは……いや、正確にはガイア率いる黒い三連星は、ルウム戦役において連邦軍の総大将を務めたレビルの旗艦を沈め、レビル本人も捕らえるといった戦果を上げている。
つまり、連邦軍にとって黒い三連星というのは強い因縁のある者達となるのだ。
……ただ、それって半ば挑発してるようなものじゃないのか? と、思わないでもないが。
まぁ、事態を動かすにはそのくらいの事も必要になるのかもしれないが。
ともあれ、そんな訳で黒い三連星はヅダに乗って出撃する事になるのだった。
『悪いな、アクセル。お前のやりたかった事を奪ってしまって』
格納庫の中にあるR2型の中で、俺はガイアからの通信を受ける。
もっとも、ガイアはそのように言いつつも、本当に悪いとは思っていない。
……まぁ、最近はガイア達の出番もなかった事だし、そういう意味ではガイアに……いや、黒い三連星にとって、今回の一件は自分達が活躍する絶好の機会なのだろう。
「気にするな。この新型の性能を実践で確認出来なかったのは残念だけど、この戦いがまだ起きないと決まった訳でもないし、チャンスは幾らでもあるよ」
それは冗談でも何でもなく、俺にとっては普通に有り得ると思われる事だった。
連邦軍を率いているのがタカ派である以上、こちらから通信を送ったとしても、向こうはそれを聞き入れて撤退するといった事はまず出来ないだろう。
わざわざ月の周辺まで出張ってきて、そうして特に何もしないまま撤退……などという事になれば、それこそタカ派の将校の面子が丸潰れとなるのだから。
であれば、当然のようにこのまま睨み合って終わり……という事にはならないだろう。
『やっぱりアクセルもそう思うか?』
どうやら、ガイアも俺と同じような事を考えてはいたのだろう。
獰猛な笑みを浮かべながら、そう告げてきた。
向こうにしてみれば、戦争は望むところ……といったところか。
「ああ。正直なところ、ガイア達が近づいていって通信を送って、それで向こうが退いたら、拍子抜けだな」
それこそ、何かを企んでいると、そう思ってしまってもおかしくはないだろう。
もっとも、今の連邦軍にそんな余裕があるのかどうかといったところだが。
……そもそもの話、何故連邦軍が月に攻めてきたのかというのが、妙な話だ。
ジオン軍に攻撃するのであれば、俺も話は分かる。
それこそ、連邦軍はこの戦争が始まってかジオン軍に連戦連敗だったのだから。
何とか地球では勝利する事が出来るようになっていたが、何だかんだと地球の多くを既にジオン軍に占領されてしまっている。
そんな状況であれば、連邦軍が攻撃を仕掛けるのは、当然のようにルナ・ジオン軍ではなく、ジオン軍なのが正解だろう。
その辺りの事情を考えると、やっぱり今回の連邦軍の動きには強い違和感がある。
そう説明すると、ガイアは納得したように頷く。
『そうだな。この連邦軍の動きは絶対に妙だ。……そうなると、やっぱり今回の件は俺達が引き受けて良かったといったころか。ああ、別にアクセルを侮ってる訳じゃないぞ』
ガイアの言葉に頷きを返す。
とはいえ、黒い三連星でなくても、ルナ・ジオン軍にはエースパイロットはいる。
青い巨星ランバ・ラル、宇宙の蜉蝣シーマ・ガラハウ……また、異名持ちではなくても、決して腕はひけをとっていない者もいるし。
それを考えれば、本当にガイアじゃなくても良かったんじゃないかと思える。
もっとも、ガイア達の技量を知っているからこそ、ラルはガイアに頼んだのだろうが。
「分かってる。……ただ、お前達の通信を送りながらの接近に向こうが攻撃で返答してきた場合、俺もすぐに出るぞ。お前達は何だかんだと、ルナ・ジオンの中では決して失ってはならない戦力だしな」
『その言葉はありがたく受け取っておくよ』
ガイアがそう返事をしてくるが、俺が言ってるのは決して嘘でも何でもない。
……ただ、本人達は今のところ時の指輪の受信機を身につけてないんだよな。
それこそ、出来ればガイア達黒い三連星には不老になって、いつまでもルナ・ジオン軍を支えて欲しいと思っているのだが。
そんな風に考えている間にも時間は経過し……ガイア率いる黒い三連星は、出撃するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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