オズのエリカ
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第十一幕その四
「私よりもずっとお仕事が多いのもね」
「当然なのね」
「そうよ、それで今の私はね」
「寝ているの」
「寝てね」
「そうしてなのね」
「皆が来るのを待つのよ」
こう言ってでした、エリカは。
その場所に丸くなって寝転がりました、そのうえでまたドロシーに言いました。
「じゃあ何かあるか十時になったら起こしてね」
「十時になったら」
「起きてね」
「ティータイムね」
「それを楽しむわ」
「国を見て回るとかは」
「それは十時まで寝て」
そしてというのです。
「そうしてね」
「それからなの」
「気が向いたら遊ぶって言ったでしょ」
「じゃあそれも気が向いたら」
「遊びの一つとしてね」
そうしてというのです。
「楽しむわ」
「そうするの」
「そう、だからあんたはね」
ドロシーはといいますと。
「ゆっくりとね」
「していればいいっていうの」
「皆と遊んでね」
「ううん、こんなことでいいのかしら」
「何よ、心配なの?」
「ええ、そうよ」
その通りだとです、ドロシーはエリカに答えました。
「実際にね」
「それは杞憂よ」
ここでもこの言葉を出したエリカでした。
「何も心配いらないわよ」
「そうだったらいいけれど」
「そう、まあ見ていなさいって」
「この国の政治は上手くいくの」
「ええ、いくわよ」
実際にと言うのです。
「だから本当にね」
「何の心配もいらないの」
「焦っても何もならないでしょ」
こうも言ったエリカでした。
「そうでしょ」
「それはそうだけれど」
「だったらね」
「このままなの」
「安心して見ていることよ」
それが今ドロシーがすべきことだというのです。
「いいわね」
「そうなのね、けれど何かあった時は」
「すぐに言えっていうのね」
「そうしてね」
このことは強く言うドロシーでした。
「いいわね」
「本当にドロシーは心配性ね」
「それが杞憂っていうのね」
「そう、だからここはね」
「見ていればいいのね」
「そうよ、じゃあ私は今から寝るから」
「十時になれば」
ドロシーは今もどうかというお顔です、そしてそのお顔でエリカに言うのでした。
「ここに戻ってティータイムにするわね」
「それじゃあね」
「ええ、またね」
仕方なくといったお顔で、です。ドロシーはエリカに言いました。そうして皆と一緒に一旦宮殿の外に出ました。エリカはその皆に十時にまたねと言って玉座で気持ちよくぽかぽかと眠りだしました。
皆は猫の国の中を見回って歩きました、お家もお店も道も城壁も全部猫の大きさに合わせたものです。
そして集まってきている猫達は皆です、それぞれ自由に歩いたり毛づくろいしたり遊んだり寝たりしています。その街の中を見回してです。
そうしてです、ドロシーは言いました。
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