転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2237話
コンペが終わり、その後でセイラを相手にジオン公国……特にザビ家の連中が少し会話をするような事があったが、それも特に問題なく終わった。
向こうが、本当に俺達が警戒したようにセイラの暗殺を狙っていたのかどうかは分からない。
だが、向こうがもし本当にそれを狙っていようとも、このUC世界では人間兵器と呼んでも間違いではない俺がいる時点でセイラの暗殺や誘拐といった真似は完全に出来なくなった。
ザビ家もそれを理解しているからこそ、今回は特に何かを仕掛けてくるような真似はしなかったのだろう。
そんな訳で、コンペも一通り終了して俺達は月に帰るべく建物から出ようとしていた。
「アクセル、結局のところコンペはどうなると思うんだい?」
そんな中で、不意にシーマがそんな風に尋ねてくる。
シーマにしてみれば、ジオン軍とはいずれ戦う事になる可能性が高い以上、どうしてもその辺は気になってしまうのだろう。
「そうだな。まだ確実にどっちだという風には判断出来ないが、コンペを見ていた連中の様子と、俺の希望的な観測から考えると……リックドムだろうな」
コンペで模擬戦が行われた時にも、俺はシーマと同じような会話を交わした。
だが、今では恐らく……ほぼ間違いないだろうと思うくらいに、リックドムが今回のコンペで勝利すると考えている。
模擬戦においては3戦全勝したR2型だったが、ジオン軍で採用される場合は、やはりコストが問題になる。
また、装甲の厚さ……防御力に関してはリックドムの方が優れているという事もあり、何だかんだでベテランやエース、精鋭と呼ばれるパイロットが消耗してきているのを考えると、リックドムの方が向いているのは間違いない。
R2型に関しては、新人パイロットを乗せるような真似をすれば、間違いなくすぐに撃破されてしまう。
少なくても、リックドムよりは撃破されるのは早いだろう。
「ジオン軍の人材が揃っているなら、R2型って選択肢もありだったんだけどな。連邦軍との戦いでは連戦連勝が続いたとは言っても、人的被害が皆無って訳じゃない。どうしたって戦闘が行われるに従って少しずつではあっても消耗していくし、人的資源という風に思えば、連邦軍の方が圧倒している。そう考えると、やっぱりパイロットの質から考えて、リックドムの方が有効なのは間違いないんだよな」
本当に最善の選択をするのであれば、R2型とリックドムの両方を採用して、新人にはリックドムを、ベテラン、精鋭、エースといった者達にはR2型をとすればいいんだが……ジオン軍には、恐らくそのような余裕は存在しないのだろう。
「なるほどね。……それに、ジオン軍は戦いだけじゃなくて、どこぞの国が軍人を引き抜いたりもしてるしね」
そう言うシーマだったが、どこぞの国というのは明らかにシーマの所属しているルナ・ジオンだろうに。
というか、シーマ率いる海兵隊もベテランや精鋭と呼ぶに相応しい戦力なのは間違いない。
元々はそこまでMSの操縦とかが上手くなかったのかもしれないが、キシリアとアサクラの陰謀によって激戦地区に連続し投入され……それこそ生き残る為には腕を磨く必要があった。
操縦技術が伸びなかった者は、それこそ死んでしまった筈だ。
「シーマが言うと、説得力あるな」
引き抜かれた本人だけに。
あ、でもシーマの場合はルナ・ジオンを建国する前から俺達と一緒に行動していたのを思えば、引き抜いたというのは正確じゃないのか?
そんな風に思っていると、不意に廊下の先に見覚えのある人物が姿を現す。
「エリオット? どうしたんだ?」
「……すいません、アルテイシア代表、アクセル代表、シーマ中佐。実は、上から3人にある物を渡すようにと言われてまして」
「ある物?」
真剣な表情なのを見れば、エリオットの言ってる事がデマの類ではないというのは明らかだ。
けど、エリオットがここまで真剣で……それでいて緊張するような物。
一体何だ?
「どうする? 今回の主役はあくまでもセイラだ。セイラが行くというのなら、俺は構わない。行かないのなら、それはそれで構わない」
セイラという名前を聞いて一瞬戸惑った様子を見せたエリオットだったが、文脈の前後から誰の事なのか理解出来たのだろう。特に何を言うでもなく、セイラ……アルテイシアに視線を向け、言葉を待つ。
そのセイラは、数秒考えた後で口を開く。
「分かりました、行きましょう。わざわざ私達にこのような事を口にしたのですから、それは間違いなく危険を承知の上での行動でしょう。であれば、その行動に応える必要があります。それに……アクセルがいる以上、もしこれが罠であっても、意味はないのでしょう?」
女王モードの口調でそう告げるセイラの言葉に、俺は当然と頷きを返す。
それこそ、もし俺達を呼び出して暗殺しようとしていた……という事であっても、俺がいる時点でそれは不可能だ。
であれば、こちらとしてはセイラのその言葉に笑みを浮かべて頷きを返すだけで十分だった。
そんな俺の様子に頷いたセイラは、エリオットに向けて口を開く。
「では、案内を頼みます」
その言葉にエリオットは頷き、少し離れた場所にある通路に俺達を誘導する。
その先にはエレベーターがあり、エリオットはカードを使ってボタンの近くにあるスリットを通すと、やがてエレベーターは真っ直ぐ地下に向かう。
わざわざカードを使わなければ移動出来ないようになっているだけあって、かなりの時間移動し……やがて止まる。
そうして外に出てみると、そこに広がっていたのは格納庫だった。
ザク系のMSが何機か並んでいるのはいいのだが、メカニックの姿……どころか、それ以外の人間の姿もどこにも存在しない。
「これは……見たところ、ジオニック社の格納庫か?」
「そうです。このコロニーにおいて、ジオニック社が専用の場所として与えられている場所です。もっとも、それは別に珍しい事ではないですよ。ツィマッド社やMIP社、それ以外にも多くの会社が同じように専用の場所を与えられていますから」
「そういうものか。……で、当然の話だが、ここは部外者以外立ち入り禁止、と」
「そうなります」
「その割には、あたし達が来てるけどね。……いいのかい?」
俺とエリオットの会話に割って入るように、シーマがそう話し掛ける。
実際、シーマの言ってる事は間違っていない。
ジオニック社の格納庫ともなれば、当然のようにそこには部外者には見せられない物も多いだろう。
なのに、そんな中で何故わざわざ俺達をここに呼び寄せるのか。
その理由が、俺には分からなかった。
……いや、俺達に渡す物があるという話で、MS格納庫に呼んだという事は……つまり、そういう事なのか?
だが、このタイミングでとなると、考えられる可能性は……
そんな風に思いつつ、俺達は格納庫を進むエリオットの後に続き、1機のMSの前で足を止める。
そこにはあったのは、俺の予想通りR2型。
だだし、先程までエリオットが乗ってコンペに参加していた機体ではなく、別の機体だろう。
機体色が、エリオットの乗っていたR2型とは違い、肩まで全てが黒だし。
ちなみにコンペの時のR2型は、黒ではあったが左側のスパイクアーマーと右肩はピンクだった。……コンペでの視認性の問題か? エリオットの趣味という事はないと思うんだが。
ともあれ……黒、黒か。そうなると、もしかしてこの機体は黒い三連星用の機体なのか?
シャドウミラーやルナ・ジオンの中で、黒をパーソナルカラーにしているような者は、黒い三連星しか存在しない。
その割には、機体が1機しかないのが気になるが。
「この機体をアクセル代表にお渡しします」
「……いいのか? この機体はジオニック社にとっても、最新鋭の機体だろ?」
R1型は、ヅダには劣っても限られた資源やコストの中では十分な性能を発揮する機体だった。
このR2型は、そのR1型を改修した機体である以上、性能も当然のように上がっている。
そんな機体を何故俺に渡す?
「はい。……ジオニック社としてはルナ・ジオンやシャドウミラーと友好的な関係を作りたいと、そう思っての行動です。それに……」
そこまで言ったエリオットは、少しだけ寂しそうな、そして悔しそうな表情を浮かべて言葉を続ける。
「まだ本決まりという訳ではないですが、こちらに入っている情報によると、今回のコンペ、採用されるのはツィマッド社のリックドムになる可能性が高いそうです」
「……だろうな」
それを聞いても、俺にしてみれば半ば予定調和に近い話であった以上、驚く事はない。
いや、エリオットがその件を知ってるというのには、驚いたが。
「上としては、その件に対する当てつけに近い感情もあるのかと。また、自分達の技術力がこれだけ高いというのをルナ・ジオンやシャドウミラーに示したいという思いも」
ジオニック社のその気持ちは、分からないでもない。
ルナ・ジオン建国当初、ジオン公国の三大兵器メーカーの中で、一番親しかったのはMIP社だったが、それに続いていたのが、カーウィン家やゲラートとの縁があったジオニック社だ。
そしてツィマッド社は一番親しくはない相手。
だが……ヅダと改修チームをルナ・ジオンに寄越した事で、その関係は大きく変わる事になる。
現在ルナ・ジオンやシャドウミラーと一番縁が深いのは、ヅダの改修チームを送ってきたツィマッド。次いで、元々縁が深く、ある程度の技術者を派遣してきているMIP社。そして最後にジオニック社の順番となっていた。
勿論、ジオニック社もルナ・ジオンやシャドウミラーとの関係を深くする為に行動していなかった訳ではない。
実際、少し前には強行偵察型のザクとか、その改修機とか、グフとか送ってきたし。
だが、それでもツィマッド社の二番煎じであるのは間違いない。
それを何とかして、少しでもルナ・ジオンやシャドウミラー内での自分達の地位を上げようと、こうして行動に出た訳だ。
まぁ、今回のコンペでリックドムが採用される可能性が高いというのも、こうした行動の原因になってそうだが。
もし今回のコンペでR2型が採用される可能性が高いとなれば、恐らく俺達と接触するにしても、R2型を引き渡すといった真似はしなかっただろう。
ジオニック社としては、ジオン公国を見限った……とまではいかないが、自分達の機体が採用されなかった事に対する意趣返しといったところか。
「分かった。……けど、この機体は珍しいんだろ? 実戦はそう簡単に使えそうにないけどな」
もっとも、R型がヅダよりも若干劣っていた性能だったのを考えると、このR2型は……スペック的にはヅダと同等くらいか。
であれば、わざわざ実戦で使うような真似はしなくても、解析に回すのが最善だろう。
ジオニック社の最新鋭機という事になれば、当然のようにこの機体はお宝の集まりなのだから。
「そうですね。珍しいというのは否定しません。現時点でこの機体を抜かすと、私が今日のコンペで操縦した機体を含めて全部で4機しか存在してませんし」
「……つまり、この世で5機しかない機体な訳か」
また、随分と厄介というか、何というか……そこまで貴重な機体とは思わなかったな。
「はい。今回のコンペでツィマッド社の新型が採用された場合、R2型はこれ以上製造される事はないでしょう。……元々は色々とした事情で4機だけが現状では製造される筈だったのですが、そこにシャドウミラーとの関係を考えて、この5機目が完成した訳です」
ん? さっきの話が本当なら、この機体は本来俺達に譲渡されなかった……って筈じゃなかったのか?
まぁ、ジオニック社程の大規模な会社だ。派閥抗争とかそういうのの関係で色々とあるんだろう。
「取りあえず、くれるって言うのなら貰うけど。この機体に使われている技術がヅダ辺りに流用される可能性もあるけど、構わないのか?」
「構わない、との事です。……上としては、それだけシャドウミラーやルナ・ジオンとの付き合いを重視するという話で……その、これは噂ですが、ジオニック創始者の1人で、ジオン・ズム・ダイクンと親交が深かったホト・フィーゼラーという人物の意向が強いようです」
「……父と?」
エリオットから、ジオン・ズム・ダイクンとの関係が深いと言われ、セイラは驚く。
だが、俺はその話を聞いた事で、この行動の意味を理解する。
恐らくそのホトという人物は、本質的にはダイクン派なのだろう。
……であれば、それこそ最初からルナ・ジオンに協力してくれてもいいと思うんだが……まぁ、ジオニック社の創設者の1人ともなれば、色々と事情があるのだろう。
ともあれ、俺はエリオットの言葉に頷き、R2型を空間倉庫に収納するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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