レーヴァティン
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第八十話 繁栄の中でその一
第八十話 繁栄の中で
一行は江戸に着いた、まずは港に船を停めて錨を下ろした。それからだった。
全員で江戸の街に出た、まさに真ん中に城があるその街に入り英雄はその目を鋭くさせてこう言った。
「この街もな」
「見事と言うたいな」
「ああ、見た限りではな」
こう香織に答えた。
「いい街の様だな」
「実際に賑やかでたい」
「繁栄していてか」
「いい街たい。周りには多くの田畑も漁場もあってたい」
「食うものにも困らないか」
「そうたい、この街とその周りを手に入れたら」
その時はとだ、香織は話した。
「この島の統一に近付くたい」
「あの城もだな」
英雄は街の真ん中に見える城を観た、見れば本丸と思われる辺りに五層七階の立派な天守閣がある。
「江戸城も」
「そうたい、うち等が旗揚げ地に考えている大坂からは離れているたいが」
「この街と周りもだな」
「手に入れると大きいとよ」
街の統一にというのだ。
「それもかなり」
「そうか、ではな」
「旗揚げの時はたいな」
「大坂と都、名古屋にだ」
「江戸たいな」
「この四つの街をその周りは手に入れたい」
絶対にと言うのだった。
「統一の為にな」
「そうしてその豊かさでたいな」
「国力を備えてだ」
そのうえでというのだ。
「島を統一したい」
「そうなるたいな」
「そしてだ」
英雄は統一から先のことも話した。
「海の魔神も倒す」
「それがうち等の目的とよ」
「そうして世界を倒すな」
「そうたい、しかしうちも海の魔神のことは」
「知らないか」
「一体どういった神か」
魔神といってもとだ、香織も首を傾げさせることだった。
「さっぱりわからんとよ」
「そうなのか」
「書を探して伝承も調べたたいが」
それでもというのだ。
「どうにもたい」
「わからないか」
「そうとよ。何もたい」
海の魔神のことはというのだ。
「うちにとっても謎たい」
「それのままか」
「まさにたい」
「そうか、しかしな」
「しかしたいな」
「倒さなくてはならない」
このことはというのだ。
「絶対のことだ」
「そうなるたいな」
「魔神についてはな」
「やがてはたいな」
「何者か突き詰めるが」
しかしというのだ。
「まずはだ」
「十二人全員揃えて」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「旗揚げからな」
「統一たいな」
「そうしていく、魔神のことも考え調べていくが」
それだけでなく、というのだ。
「島でやるべきことをしていく」
「そういうことたいな」
「そうだ、では手掛かりを探すが」
それと共にとだ、英雄はあらためて言った。
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