転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2228話
模擬戦は、最終的にルナ・ジオン軍の勝利で終わったのだが……それを面白くないと思う者は当然いる。
いやまぁ、それがジオン公国の連中だったり、高機動型ザクを開発したジオニック社の技術者だったりすれば、俺も納得出来るのだが……
「ヅダの性能で、2機の敵を相手にした程度で撃破されるとは、どういう事だ。お前の実力があれば、最後の攻撃は間違いなく回避出来た筈だ。それが出来なかったという事は、お前が1機撃破した時点で気を抜いたからというのが大きいぞ」
ガイアの説教に、クスコは悔しそうにしながらも、油断したという実感はあったのか、何も言い返す事は出来ない。
実際、ショットガンで敵の機体を撃破した時に、すかさずスラスターを使って移動していればザクマシンガンの攻撃は回避出来た筈だ。
それこそ、ニュータイプとしての能力を存分に発揮していれば、1発も攻撃を受けずに回避出来た可能性もある。
だが、クスコは1機を撃破した時点で気を抜いてしまった。
それは、当然のように黒い三連星を率いるガイアには見て取れたのだろう。
「まぁ、落ち着いて下さい。結局はこっちが負けたのですから。……正直なところ、こちらもMSには自信があったのですが、そちらの機体を1機しか撃破出来なかったというのは、非常に残念です」
そう言い、ガイアとクスコの説教に割って入ったのは、銀髪の痩せた中年の男だった。
鼻の下には髭が生えているのだが、何となく男の雰囲気と合っていないようで、違和感がある。
エリオット・レム。ガイア達から聞いた話によると、ジオン軍の軍人で階級は少佐。そして、最後にクスコを撃破した高機動型ザクに乗っていたパイロットでもある。
とはいえ、本人が言うところではパイロットは本職という訳ではなく、技術士官らしい。
元々はジオニック社の技術者だったのが、ザクの開発をするうちにジオン軍の軍人になったとか。
技術士官でありながら、パイロットとしても一流。
正直、出来れば欲しい人材ではあるが……今の状況で引き抜こうとしても、向こうが頷くとは思えない。
「……」
クスコは自分を撃破した相手が自分を庇ったのが面白くなかったのか、不満そうな表情を浮かべている。
もっとも、それを直接口にすれば、間違いなくガイアからまた何か言われるだろうからと、黙っているが。
「エリオットに免じて、今日のところはこの辺にしておいてやる。……それにしても、久しぶりだな」
ガイアがエリオットに気軽に話し掛ける。
ん? この2人、知り合いだったのか? てっきり相手のことを一方的に知ってるだけかと思ったが。
一瞬そう思うも、エリオットはザクの開発にも関わっていた人物で、ガイア達は教導隊だった事を考えると、それ程不思議な事でもないのだろう。
ただ、そうなるとラルとも顔見知りだという事になりそうだが。
ともあれ、エリオットはガイアやマッシュと楽しそうに話している。
……オルテガ? オルテガはマリオンの操縦技術を褒めていた。
その外見とは違い、どうやらオルテガは褒めて伸ばす教育方針らしい。
もっとも、それはあくまでも相手がマリオンだからの話であって、それが男であればもっと厳しい……それこそ比べものにならないくらいに厳しい教え方になっていた可能性が高いが。
「アクセル、ちょっとこっちに来てくれ! エリオットを紹介する!」
ガイアに呼ばれ、俺はエリオットの方に向かう。
視界の端では、クスコが顔見知りらしい女のメカニックマン……メカニックウーマン? に慰められている光景が見えたが、取りあえず今はその辺は気にしないでおく。
ここで悔しいと思い、それによって奮起すれば、クスコもより腕が磨かれるだろう。
「アクセル代表ですか? まさか、このような場所で会えるとは……」
「まぁ、俺は堅苦しい場所が好きじゃないしな。それより、あの高機動型ザク、なかなか良い機体だったな」
「そう言って貰えると、開発した者としては嬉しく思います」
緊張した様子でそう告げてくるエリオット。
こちらに向けて敬礼しているのに頷いて敬礼を解かせてから、改めて尋ねる。
「やっぱりガイア達とは知り合いだったのか?」
「はい。共にザクの開発をしましたので、その縁で」
どうやら、友好関係に関しては俺の予想通りだったらしい。
「そうか。なら、ルナ・ジオンに来ないか? 今なら、技術者は足りないし、全体的に人手不足だから、かなりの厚遇を約束するぞ? もしくは、ルナ・ジオン軍に所属してもいい。さっきの操縦を見る限り、パイロットとしても相当の腕だし」
駄目元であるというのは分かっていたが、優秀な技術者というのは幾らいてもいい。
特にシャドウミラーとしては、このUC世界独自の技術で作られた兵器には高い関心を持っているのだから、出来れば保護国たるルナ・ジオンには出来るだけ優秀な技術者を集めたいというのが本音だった。
先程思ったように、ヅダの改修チームとの関係は難しくなる可能性も高いが。
だが、俺の言葉にエリオットは首を横に振る。
「いえ、申し訳ありませんが……」
自分はジオン公国からルナ・ジオンに移る気はないと、そう告げるエリオット。
正直なところ、ジオン公国にそこまで義理立てする必要があるとは思わないけどな。
ジオン公国が今までやって来た事を考えれば、それこそ色々と思うところがある筈だろうに。
ともあれ、移住する気がないと言ってる人物を無理に連れて行っても、それでは意味がない。
しっかりとその能力を発揮して貰う為には、やはり自分からルナ・ジオンに移住する気になって貰った方が助かるのも事実だった。
「そうか。なら、無理にとは言わないさ。ただ、お前がその気になったら、いつでも連絡をしてくれ。ガイア達の友人だけに、便宜は図らせて貰おう」
「ありがとうございます」
正確には、ガイアの友人というのより、本人の有能さが便宜を図る最大の理由なのだが。
「それにしても、あのヅダがここまでの物になるとは、正直思ってもいませんでした。機体剛性の低さをどうやって補ったのか、非常に興味があります」
「そうか? まぁ、その辺に俺は関わってないから、何とも言えないけど。……本当に話を聞きたいのなら、改修チームに紹介でもするか?」
そう尋ねると、エリオットは苦笑と共に首を横に振る。
「私はザクの開発に関わった者として色々と有名ですし、元ジオニック社の人間でもあります。そうなると、ヅダに思い入れのある人達はあまり良い感情を抱かないでしょう」
そう告げるエリオットの言葉は、間違いなく事実でもあった。
あるんだが……一応、ヅダの改修班の面々はルナ・ジオンにいる元ジオニック社の技術者ともある程度は普通に付き合っている。
少なくても俺にはそう見えていた。
その辺を考えると、もしかしたらと思ったんだが。
やっぱりザクの開発に深く関わっているというのが大きいのか?
とはいえ、今日の模擬戦では1機は撃破されたものの、圧勝と言ってもいい結果だった訳で。
ヅダの改修班の面々も十分満足して、ジオニック社やザクに対する敵対心は多少なりとも下がっていてもおかしくはない。
とはいえ、無理は言えないか。
「分かった。さっきも言ったけど、ルナ・ジオンに移住する気があるならこちらも便宜を図るから、考えておいてくれ。それと、移住ではなくてもクレイドルに遊びにくるというのでも、こっちは歓迎するぞ。クレイドルを見て、ルナ・ジオンがどういう生活をしているのか知れば、移住する気になるかもしれないしな」
そう言うと、エリオットも黙って頷く。
取りあえず一度クレイドルに来て貰えれば、間違いなくこっちに興味を持ってはくれると思うんだけどな。
何しろ、クレイドルは北海道以上の広さを持ち、政庁の周辺にある街並みだけではなく、山や川、海すら存在しているのだ。
UC世界の……それもスペースノイドにしてみれば、そのような光景を見て興味を抱かない筈はない。
一応コロニーの中にもそういう自然というのはある程度あるが、それでもやはり広さが限られている以上は限定的なものになってしまう。
自然を楽しむだけの専用のレジャーコロニーの類なら、話は別だろうが。
ただし、そのようなコロニーは当然だが普通のコロニーよりも多くの資金が必要となるし、何より連邦に独立戦争を挑んでいるジオン公国にそんなコロニーを運営しているような余裕があるとは思えない。
……ああ、でもサイド3にはワインを作る為のワイン畑用のコロニーとかがあったな。
外人部隊の家族やら恋人やらの人質が隠されていた場所で。
ともあれ、あのようなコロニーはサイド3にとっては例外だろう。
そもそも、あのコロニーで作られたワインは報奨として部下に与える為に使われているのを考えると、軍事的に意味がない訳じゃないし。
「色々と手間を掛けさせて申し訳ありません」
「気にするな。ジオン公国の中に、ルナ・ジオンに対して友好的な存在がいてくれるというのは、こっちにとっても嬉しい事だしな」
そう言うと、改めてエリオットはこちらに敬礼してくる。
これ以上しつこく誘うような真似をすれば、悪印象を与えかねない、か。
そう判断し、俺はその場から離れてクスコのいる方に向かう。
「初めての実戦……いや、模擬戦だけど、どうだった?」
「……油断したわ」
ガイアに叱られた事が堪えてるのか、クスコの口から出たのはそんな言葉。
基本的に余裕を持った口調で喋るクスコにしては、非常に珍しい。
「まぁ、そこまで気にするな。そもそも、クスコもマリオンもMSのパイロットをやるようになってから、まだそんなに時間が経ってないだろ? なら、少しくらいのミスが出るのは当然だろ」
寧ろ、この短時間で完全にヅダを乗りこなしているという方が恐ろしいのだが。
ヅダは、間違いなくザクよりも性能の高いMSだ。
ましてや、今のヅダは改修作業によって以前よりも性能は上がっている。
その分だけ乗りこなすのが難しくなっているのも、また事実なのだ。……あくまでもザクに比べての話ではあるが。
その辺りは最初に乗ったのがザクかヅダかで変わってくる印象だ。
今はまだルナ・ジオン軍のメンバーは、その大半がザクに乗った事があるので、すぐにヅダに慣れるのは難しいだろうが、この先……初めて乗るMSがヅダとなれば、その辺はどうとでもなる……と、思う。
なるといいなぁ……
「ありがと。……でも、自分であんなミスをするとは思わなかったのよ」
そう言いながら、クスコはその桃色の髪を掻き上げる。
当然の事だが、ここにいるメンバーは大半が男で……そんなクスコの仕草に目を奪われる者も多い。
クスコ本人はその視線を全く気にしている様子もないが。
「結局のところ、ニュータイプ能力も重要だが、経験とかはそれ以上に重要だ。それはジャンとの模擬戦でクスコも理解しているだろ?」
ジャンとの模擬戦で、マリオンと2人掛かりで戦っても、ジャンが勝っていたという経験を何度となくしている以上、クスコは俺の言葉を否定は出来ない。
「そうね。……こうなったら、これからはもっと実戦に出るようにした方がいいのかしら」
「……クスコだけならともかく、マリオンはちょっと実戦に行くのは難しいんじゃないか?」
クスコは結構な気の強さを持っているが、それに比べるとマリオンは明らかに気弱な性格をしている。
そうである以上、本当の意味で戦場まで連れていけば、間違いなくまともに戦えないだろう。
いや、動けなくなる程度であればまだしも、最悪の場合は混乱して味方の射線を遮って邪魔したり、誤射をしたり……といった事も考えられる。
そして最終的には何も出来ずに敵に殺される。
そんな光景が目に浮かぶようだ。
だが……そんな俺に対し、クスコは不満も露わに手を伸ばし……
「あ、馬鹿」
俺がそう言うのとほぼ同時にクスコが俺の右肩に触り……瞬間、俺とクスコの精神は以前セイラと一緒に移動したような空間に移動する。
……いや、けどあの時とは違うな。
あの時はセイラの記憶だったり、俺の知っている断片的な知識だったりを見る事が出来たのだが、そういうのは全くなく……それこそ、俺とクスコだけがあの妙な空間に浮かんでいるような状態だ。
『アクセル……これは……』
どこか籠もったような声でクスコが告げ……次の瞬間、俺とクスコはあの妙な空間から追い出され、現実の世界に意識が戻る。
これは……一体どうなっている? アムロの時のような事にならなかったのはいいけど……セイラともアムロとも違うパターンだ。
そんな風に思いつつ俺とクスコはお互いに視線を交わすのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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