混沌の魔術師と天空の巫女
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第8章 日常編
コージVS全ギルド!!? 前篇
マグノリから東の草原にて・・・
「これくださいーい。」
「はいよ!」
「アレほしいー!!」
「こっちがいいんじゃない?」
本来、何もない草原だが、数多くの屋台が並んでいた。
ここで・・・あるイベントがある為・・・
その、イベント会場にて・・・
「さあー!!!始まりました!!!スーパーイベント!!!!
このイベントの実況者は私、大魔闘演武でも実況をしたチャパティ!
そしてゲストには、週刊ソーサラーのジェイソンさんです。」
「COOOOOOOOOOOOL!!!!」
長机と椅子のある簡易テントで2人が魔水晶マイクでそう言う。
この魔水晶マイクはメガホンと同じようなものである。
メガホンと違うのは、特殊な魔水晶音響スピーカーがあれば、
そのスピーカーから音が出る事。
「いや~盛り上がってきましたね~。」
「YES!!!今日のイベントは凄いもの!!!」
「何とぉ~~~・・・」
「最近話題になった、ドラゴンになれる少年、
妖精の尻尾のコージ・フォレトロスが
多くのギルトのメンバー達と対決だぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「「「「「「「「「「わあああああっ!!!!!」」」」」」」」」」
「何でこうなったんだろう・・・・・・」
俺はドラゴンの姿になってそう言うのだった・・・・・・。
事の始まりは、数日前の事・・・
「ただいま戻りましたよー。」
俺は仕事が終わり、ギルドに帰って来た。
「おおっ!ちょうどいいタイミングで帰って来たか!!」
「?」
マスターが俺が今帰って来て、何やら安心した様子だった。
「よっ!久しぶりだな!!」
「あれ?何で・・・?」
俺が目にしたのは、ある人物達であった。
まずは俺に声を掛けた人、剣咬の虎のスティングさんだった。
現在、マスターをやっているとの噂を聞いた。
他にも、人魚の踵のカグラさんや青い天馬のシンさん、
4つ首の狂犬のバッカスさんに蛇姫の鱗のジュラさんがいた。
「コージ、皆、お主に用があってのう・・・。」
マスターがそう言う。
「用って・・・?」
俺はその事に尋ねる。
「そんなの決まってんだろ・・・・・・」
「お前と勝負しに来たんだよ!!!」
「・・・・・・へ?」
それだけの為に・・・・・・・・・?
「一応言っておくが、今のお前と勝負したいんじゃねえ・・・」
「?」
まさか、だけど・・・・・・
「ドラゴンのお前と勝負してえんだよ!!!!」
「やっぱり・・・・・・」
そんな気がしたよ・・・。
「大魔闘演武のあのドラゴンとの戦いは俺達の想像以上だった・・・。」
「私達ギルド全員で合わせても勝てなかった・・・。」
シンさんとカグラさんがそう言う。
「俺達はどーして、ドラゴンともう1度戦わねえといけねえって思ったんだよ。」
「ないとは思うが、またドラゴンの脅威があっては、
滅竜魔導士でない我々には、もっと力を上げねばならない。」
バッカスさんとジュラさんがそう言う。
「だからこそ、お前と勝負したいんだよっ!!!」
スティングさんが大声でそう言う。
「勝負!!!なら俺と勝負しろーーーー!!!」
何かナツさんが勝手に出てきた。
「落ち着かんか。」
ゴンッ
「ぶべっ!」
マスターは拳を大きくして、ナツさんを止める。
「兎に角、コージ・・・悪いが勝負をしておくれ。」
マスターは少し申し訳なさそうに言った。
「はぁ・・・・・・」
俺はため息をする。実は明日にも仕事の予約があるので・・・
「明日も仕事があるので・・・・・・
できれば、仕事が終わって余裕があった時でいいですか?」
「・・・そんなに忙しいのか?」
俺の言葉にジュラさんが尋ねる。
「ここ最近、コージ指名の依頼が多くてのう・・・」
俺の代わりにマスターがそう言ってくれた。
「早くても、来週には終わるかと・・・」
「わかった。じゃあその時に連絡をしてくれ。」
俺の言葉に全員が納得してくれた。そのあと皆さんは帰っていた・・・
だがのちに、俺の知らない所で、とんでもない事になっていた。
俺が他のギルドの人達と勝負する事を誰かが話して、
それがかなりの話題となって・・・・・・・・・
「(今に至る訳なんだよなぁ・・・・・・。)」
心の中で俺はそう思うのだった。
「ではこれより、コージ選手と多数のギルドメンバーとの対決を始めます!!!」
「「「「「「「「「「オオオオオッ!!!!」」」」」」」」」」
「ルールは簡単!
コージ選手1人・・・否、1頭に対して、
大魔闘演武に出場したメンバー全員での対決!!
相手を倒して気絶、またはメンバーのリーダーが降参と言ったら負けとなります。」
説明はいいけど・・・1頭って・・・・・・
「コージーーーー!!!!全部やっつけちまえ!!!!」
「漢ーーーーーーーーーーー!!!!」
近くの席でギルドの皆が来ているけど・・・・・・
俺としてなぁ・・・・・・はぁ・・・。
「まずはこのギルド!!!!」
話は進み、入場門らしきところから煙が出て、人影が見える。
「大魔闘演武では2位となったギルド!!!!剣咬の虎!!!!」
「「「「「「「「「「ワアアアアアアアッ!!!!」」」」」」」」」」
最初の相手は剣咬の虎だった。
ちなみに戦う順番は実は決まっている。
前にナツさんが勝手に、
俺を見つけたらユキノさんを見つけた人のギルドに入れるという話になって、
その時に俺を見つけた順番である。
「待ってたぜ・・・この時を・・・!!」
「ああ。」
「腕が鳴るぜ。」
「彼を記憶しよう。」
「全力で、やります。」
「・・・・・・。」
大魔闘演武で出てきたメンバーが姿を現した。
ミネルバって人はどこに消えたらしい。
それとユキノさんは結局剣咬の虎に戻る事になった。
「それでは・・・・・・試合、開始!!!!」
ドォーーーーーーーーーーーーン!!!
戦いが始まる!!
「行くぞ、ローグ!!!!」
「ああ!!!」
「!」
2人の魔力が一気に高くなった。
「いきなりドラゴン・フォースか。」
俺はそう言う。
「援護します!!!」
ユキノさんが出る。
「開け、天秤宮の扉、ライブラ!!!!」
出てきたのは、両手に天秤を持ち、
民族衣装のような格好をした褐色肌の女性の姿をした星霊だった。
「ライブラ、標的の重力を変化。」
「了解。」
ズゥゥン!!
「ぅ、ん・・・。」
少し体が重くなったけど、大した問題じゃないなこれぐらいなら。
「雷神の荷電粒子砲!!!!」
「記憶造形、燃ユル大地ノ業。」
黒い雷の塊が俺に向かって放ち、下から炎が出てきた。
「ふん!!!!」
だが俺は力ずくでそれらを消した。ただし、本気ではない。
あまり強すぎると大怪我の可能性もあるからだ。
「ならば・・・開け、蛇遣座の扉、オフィウクス!!!!」
ユキノさんは黄道十二門をも凌ぐと言われる13番目の星霊を召喚した。
前にも見たけど、巨大なヘビの姿だ。
「動きを押さえてください。」
ユキノさんがそう言うと、オフィウクスは俺に向かってきた。
巻きつくつもりだろうか・・・・・・。
「ふん!!」
だがどうやろうとも、そんな事はさせない。
俺はオフィウクスを殴った。
「岩壁!!!!」
ゴゴゴゴッ!!!ドォン!!!!
「すみません、ガルーザ様。」
「・・・気にするな・・・だが・・・オフィウクス・・・すまん・・・。」
「いえ・・・私の未熟さゆえ・・・・・・。」
飛ばされたオフィウクスがユキノさん達に当たりそうになったが、
ガルーザさんが巨大な岩の壁で防いだ。
だがオフィウクスは岩の壁にぶつかりダメージを受けた為、
閉門してしまったのだった。
「・・・だが・・・これで・・・」
「?」
「準備OKだー!!!!」
「ああ!!!!」
スティングさんとローグさんが動き出す様だ。
『おおっと!!!ここで双竜がようやく動き出したぁぁぁっ!!!!』
実況者が大声でそう言う。
「かなり魔力を溜めていたあからな。」
「時間はかかったが・・・一撃でダメージを入れるにはこれしかないからな。
コージ・フォレトロス、覚悟するがいい。」
「「俺達の最大級の魔法を!!!!」」
来るか・・・!!!!
「「聖影竜閃牙!!!!」」
前にナツさん相手に出した魔法だな・・・・・・ん?
「(よく考えれば・・・・・・この2人の魔法・・・・・・)」
俺はある事に思い出す・・・・・・。
「「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」」
『双竜の魔法がコージに襲い掛かる!!!コージは一体どうするか!!?』
バクッ!!!
「「へ・・・?」」
2人だけでなく、ここに居るコージ以外全員が唖然となった。
「うおっ!!めっちゃうまっ!!!!」
俺は2人の魔法を食べた。
「え・・・喰った・・・え・・・」
「な・・・何故・・・・・・?」
「いやー・・・どうもドラゴンになっても、
滅竜魔導士としての能力は残っているみたいですし・・・」
俺はそう言い、さらに続けた。
「思い出したんですけど・・・
俺の光竜と闇竜はそれに近い魔法、耐性も高い上、食べれるんですよ・・・。」
「それって・・・」
「つまりは・・・」
「あなた方の魔法・・・俺には効かない上、食べれるって事です。」
「「「「「「「「「「えええええええええ。」」」」」」」」」」
俺の説明に全員がそう言う。
『な、ななな、何という事でしょう!!!!双竜が魔法が効かない!!?』
『COOOOOOL!!?双竜が無力に!!!??』
実況者達が大声でそう言っている。
「嘘だろ・・・」
「これは完全なる予想外だ・・・」
他の剣咬の虎メンバー達も驚いていたようだ。
「・・・なら・・・俺が・・・やるしか・・・ない・・・。」
ガルーザさんが俺の前の出て来る。
「・・・モード・・・地竜神・・・!!!」
いきなり地竜神モードに入ったか・・・。
「・・・大魔闘演武の・・・借り・・・返す・・・。」
ガルーザさんはそう言う。
「地竜神の鉄槌!!!!」
黒い土が巨大な拳となって俺に襲い掛かる。
「ふん!!」
俺も拳で対抗した。
ズドォーーーーーーーーーーーン!!!!
「ぐぅぅっ・・・!!!」
ぶつかった衝撃によって、ガルーザさんは後ろに下がってしまう。
「ならば・・・動きだけでも・・・封じる・・・!!」
何かしようとしてくる!!
「地竜神の土束!!!!」
ガルーザさんの両手が巨大な黒い土でできた手となり、俺を捕まえた。
ガシィッ!!!
「っ!!」
「・・・捕獲・・・!!」
「・・・そう簡単には・・・行かないよ!!!!」
俺はそう言い、翼を広げ、飛んだ。
ビュウゥゥゥン!!!
「あっ!!」
「ま、不味いぞ・・・!!!」
スティングさんとローグさんが何故かそう言った。
「飛べればかわす事ぐらいできますよ。」
俺はガルーザさんに向かってそう言ったが・・・
「・・・・・・・・・」
「・・・あれ?」
何か様子がおかしい・・・・・・?
「ん・・・・・・?」
よく見てみると・・・・・・・・・・・・
「気絶してる?」
ガルーザさんは俺を握ったまま、気絶していた。
「あっちゃ~・・・。」
「不味い事になりましたね・・・・・・。」
スティングさんとユキノさんがそんな事を言っている。
一体どうしたんだ・・・・・・?
「無理ねえぜ・・・・・・。」
「彼は・・・・・・高所恐怖症だからな・・・・・・。」
「・・・え。」
声が聞こえて俺は驚くのだった。
「まじかよ・・・・・・。」
「アイツそんな弱点があったんかよ・・・・・。」
そう言ったのは観客席にいたラクサスさんとグレイさんだった。
「もしかして、海戦の時に私と一緒に退場させたのって、
早くあそこから出たかったのかしら・・・?」
ミラさんがそんな事を言う。
「ええっと・・・」
取りあえず・・・・・・
「ふん!」
フン!!フン!!
俺は拘束されている黒い土を払った。
ガルーザさんはそのまま下に落ちたけど、ローグさんがうまい事、助けた。
「おいどうする・・・?ガルーザもやられちまったんじゃあ・・・・・・」
「あるとすれば・・・・・・1つだ・・・。」
オルガさんの言葉にそう言ったのはルーファスさんだった。
「何だ?」
「一体何があるんだ?」
スティングさんとローグさんがそう言う。
「うむ・・・・・・それは、記憶造形・・・・・・」
一体何を出す気だ・・・・・・?
「純白ノ雪ノ杖。」
全てが真っ白の杖に、旗が付いているけど・・・・・・
「これを彼に見せて、負けを認める事だ。」
「降参てっ事かよ!?」
「今の我らでは、彼には勝てん。」
スティングさんの言葉にルーファスさんはそう言うのだった。
『あーーーっと!!!剣咬の虎が負けを認めたぁぁぁっ!!!!
よってこの試合は、コージ選手の勝利!!!!』
「「「「「「「「ワアアアアアアアッ!!!!」」」」」」」」
『COOOOOOOL!!!!何という素晴らしい戦いだぁぁぁぁっ!!!!』
観客や実況者は盛り上がったようだけど・・・・・・
これ・・・まだ続くんだよねぇ・・・・・・。
『剣咬の虎全力を尽くすも、
コージ選手の能力によって敗北!!!!』
実況者はそう説明をする。
そんな説明をしながら剣咬の虎の人達は退場して行った。
『さあさあさぁっ!!!!試合はまだまだ続きます!!!!
次のギルドの登場です!!!!』
「はぁ・・・・・・早く終わりたい・・・。」
俺はため息をつくのだった・・・・・・。
後書き
どうも、白鋼です。
何とか出す事が出来ました。
今回はコージが色んなギルドと戦う事になりました。
まずは剣咬の虎のみでした。
スティングとローグの滅竜魔法では、コージには敵いません。
もしかしたら、わかっていた人もいるかもしれませんね。
次回は他のギルドが出てきてコージと戦います。
お楽しみに!!!
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