魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第百五十話
前書き
体育祭の翌日のお話。
地底湖 水上
ヴォン…フォン…ヴオン…バチチィッ!
「どうしたどうした? 動きが悪いぞオータム」
ガ・ジャルグを纏ったオータムのビームクローをビームサーベルで受ける。
「安心しろ、ビームサーベルで刺されても俺は死なん」
「くそっ…!」
後退したガ・ジャルグの手から放たれたGNバルカンを対粒子障壁でガード。
これはビーム弾を一つのオブジェクトと定義することで防ぐ魔法だ。
手を握り混み、指輪に力を注ぐ。
「そらっ! お返しだ!」
散ったGN粒子をかき集め、オータムへ返す。
が、肩部フィールドジェネレーターが起動し、防がれた。
「スキンクローズ」
手足の人工皮膜を量子格納庫に入れる。
手足のサイコシャードが淡く白く光る。
「そら来い。俺としてもお前にはさっさとガ・ジャルグに慣れて貰わねぇと困るんだ」
オータムがGNメガランチャーを展開し、構える。
トリガーが引かれ、光の奔流が溢れ出す。
「PSS」
手足のサイコシャードの形を変え、球状に成形しその上に障壁を張る。
圧を感じたが、貫通はされなかった。
光が途切れると同時に、PSSを解除。
少し離れた所に全サイコシャードで巨大な手を形つくる。
フィィィィィィィン…! とサイコシャードが振動し始める。
「偽典・アームドアーマーVN」
直径一メートルほどの拳でガ・ジャルグをぶん殴る。
「きゃぁっ!?」
あら可愛い悲鳴。
ぶん殴られたガ・ジャルグは壁にめり込んで停止した。
『一夏。やりすぎではないのか?』
『坊や、もう少し手加減してあげられない?』
箒とスコールからブーイングである。
「おーい。生きてるかオータム? 休憩挟んだらスコールと模擬戦だぞー」
「お、おう…生きてるぜ…」
ガラ…、と岩からガ・ジャルグが出てくる。
「あ、あとスコールとの模擬戦やったらファングの練習ね」
side out
10:17
「あー、もう、そうじゃない。違う。
こう、ファングはこう動かすんだよ」
「わかるわけないだろう!?」
ガ・ボーとガ・ジャルグの模擬戦が終わった後、オータムはファングの扱いを、スコールはクラビカルウィングの扱いを習っていた。
一夏はソードビットを動かしながらオータムに説明しているが、ビット系の操作は感覚が物を言うのであまり効果が上がらなかった。
「チッ…めんどくせぇ…阿頼耶識使うか…?
でもなぁ…ISだしなぁ……。まぁ…単一方向なら大丈夫か…」
一夏がガ・ジャルグの操作ウィンドウを開き、ドラッグ・デリバリー・システムを起動した。
「オータム、ちょっとチクッとするけど我慢しろよ」
「え?」
ガ・ジャルグの装甲内部からインジェクターがせりだし、オータムの中に多量のナノマシンが注入される。
「おい待てオリムライチカ! アタシの体に何しやがった!?」
「害のある物は入れてねぇよ。ISとの親和性を高めるナノマシンだよ」
「ドイツ軍のヴォーダンヴォージェか?」
「いや、ヴォーダンヴォージェみたいな不完全な物じゃぁない。
なに、30分もすればわかるさ」
一夏は今度はスコールの近くへと脚を向けた。
ちょうど、スコールがクラビカルウィングで粒子を収束させ、撃った所だ。
「やっぱり上手いな。お前にアルヴァアロンベースのガ・ボーを渡したのは正解だったなスコール」
「ちょっと、私のキティに何したのよ」
ヴォン…とガ・ボーのビームサーベルが一夏に向けられる。
「お前に打ったのと同じナノマシンだよ」
「あぁ…アラヤシキね」
「まー。ガ・ジャルグをサイコEカーボン満載にしてもよかったけど、オータムは感受性強いからねぇ。
サイコマテリアルなんてのせたら発狂しちまうよ」
「あら、貴方の乗るISはそのサイコマテリアルだけで作るのでしょう?」
「外装は違うけどな」
一夏は大破したカンヘルのフレームのデータを元に、新たなカンヘルを建造している最中だ。
「進捗はどうなのかしら? 貴方の手足とISがふっとんでもう一週間よ?」
「あんまり進んでないなー。ほら、俺って一応学生だし家事とかしないといけないからな」
「子育ても大変ね」
「ほんと束さんには頭が上がんないよ」
一夏がウィンドウをスコールに見せる。
「はい、進捗。まだ手足しか出来てない」
「こんな所で油を売っていていいの?」
「円香のガーディアンの育成はカンヘルよりプライオリティ高いんだよ」
「アレは?」
スコールが指指したのは、垂直跳びで十数メートル跳躍する箒だった。
「あー。あのバカ自分の力の上限把握してねぇみたいだからさ」
「なるほどね………オータムもいつかはああなるのかしら?」
「さぁ? オータムの努力次第じゃね?」
一夏が不意にコルト・ガバメントカスタム:スカーレット・デビルを取りだし、跳躍中の箒の頭にぶち当てた。
が、箒は悶絶こそすれ直ぐに起き上がり、スノースライサーディスク…六方手裏剣を投擲。
ヒョイ、と一夏が避けたのでガ・ボーにスライサーディスクが命中し粉々に砕け散った。
「と、まぁ。五年くらいで拳銃弾のヘッドショットを防げるようになるぞ」
「ちょっと。ISのエネルギーが減ってるんだけど」
「だからそれくらい余裕なんだって。箒クラスになったら竹刀で第二世代ISに善戦できるよ」
スコールが化け物を見るような目で箒を見る。
「あ、魔法込みなら箒が絶対勝つよ」
「今の私とホウキ・シノノノが戦ったら?」
「んー……まだISに慣れてないし箒が勝つんじゃね?」
スコールは少しムッとした表情をした。
「あらそう。なら少しでも早く慣れる事にするわ」
「がんばれ~」
一夏は手をヒラヒラとふって、今度は箒の所へ脚を向ける。
「痛かったぞ」
と何故か超高速で反復横飛びをしながら答える箒。
「うん。知ってる」
箒が想子徹甲弾を一夏に射つが、サイオンをウォールに阻まれる。
「箒。一応言っておくがこの義手も痛み感じるんだからな?」
淡く白く光る腕を箒に見せる。
「サイオン管が通っているのか?」
「着けてる時はな。やっぱりサイコマテリアルってよくわかんねぇわ」
「お前なら解明出来るのではないのか?
サイコEカーボンを作ったのはお前だろう?」
「サイコシャードは無意識が関わってくるから無理だな」
「そんな物か………」
箒は興味を失ったように話を切り上げた。
「ところで箒」
「なんだ?」
「結果は出たのか?」
結果、というのは体力テストの結果だ。
「うん?」
箒はウィンドウを操作し、コアを通し結果を一夏に見せる。
その結果は一夏をして眼をむくものだった。
「………………お前さ、こんな身体能力どうする気?」
「私をこうしたのはお前だろう?」
「そーだけどもさぁ……」
「ちなみに今は反復横飛びで分身できないか挑戦中だ」
大真面目な顔で反復横飛びの速度をあげる箒。
「お前はどこのタコ教師だ」
「もうちょっとでいけそうなんだがなぁ」
「取り敢えず話すのをやめたらいいと思う」
「なるほど」
無言。ひたすらの無言。
ただ無言で超高速反復横飛びをする背の高い女とソレを見上げるロリ。
ひたすらシュールな光景だった。
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