| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十八話 山の頂上の仙人その八

「医学部と法学部は」
「七十を遥かに超えているからな」
「まさに全国トップクラスです」
「そこにいるか」
「そうたい、まあ理系だけたいからな」
 それでと言う香織だった。
「入られたとよ」
「理系だからか」
「実は文系は駄目たい」
 こちらの科目はというのだ。
「現国、古文、漢文、歴史、地理、公民全部たい」
「理系はよくてもか」
「そうたい」
 実際にというのだ。
「どの科目も偏差値五十七位たい」
「八条大学に入られるかどうかっちゃな」
 愛実はその偏差値を聞いて言った。
「文系の成績は」
「それで法学部は無理だったたい」
「医学部ならっちゃな」
「合格出来るたいが」
「完全に理系の頭っちゃ」
「そうたい、それがうちたい」
 こう言い切った。
「昔からそうたい」
「本物の理系女子っちゃな」
「その通りたい」
「よくわかったっちゃ」
「そのせいか仙女でもたい」
 仙人になってもというのだ。
「丹薬を造ることが得意たい」
「ああ、あれも理系っちゃ」
「薬学部も理系たい」
「そういえばそうっちゃ」
 八条大学にはこちらの学部もある、他の大学と違うのは漢方医学の学科もその中にあることである。
「だからっちゃか」
「仙術も使えるたいが」
 それでもというのだ。
「丹薬が得意たい」
「そうだっちゃな」
「どんな薬でも造られるから期待しておいて欲しいたい」
「強精薬が欲しいぜよ」
 当季は香織のここまでの話を聞いて冗談を入れて言った。
「それは造られるぜよ」
「造られるたい」
「そうか、それならぜよ」
「造って欲しいたいか」
「遊郭行く前か後に頼むぜよ」
「そこに行くなら別の丹薬たいな」
 遊郭と聞いてだ、香織は当季に笑って返した。
「そっちを造って渡すたい」
「それはあれじゃな」
「梅毒や淋病用の丹薬たい」
「それを造るんじゃな」
「そうしてあげるたい」
 香織は当季に笑ったまま答えた。
「楽しみにしているたい」
「そっちの方が問題か」
「仙術でその気を強めるには房中術があるとよ」
 香織は当季にこのことも話した。
「それでうちもそうしたことには詳しいたいが」
「その際じゃな」
「病気が怖いたい」
 性病、これがどうしてもというのだ。
「だからたい」
「そっちの薬を造ってくれるんじゃな」
「それで渡すたい」
 実際にそうするというのだ。
「遊郭の後で行くたい」
「強精薬も頼むぜよ」
「そっちはいらんと思うとよ」
「それは何でじゃ」
「あんた見たところ元気たい」
 香織はこのことから言うのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧