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異世界は神皇帝と共に

作者:黒鐡
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第1巻
  記録画面を見る三人娘×王都への帰りと八重と共にリフレットへ

「それにしても一真殿もだが世の中は広いでござるな・・・・あのように強い御仁がいるとは拙者はまだまだでござる。特に最後の一撃は一体何が起きたのか、拙者は確かに頭を下ろされた剣を受け止めたと思ったのでござるが、何故か剣が横から来た」

「凄かったよね。あたし横にいたのに全然見えなかったもの、いつの間にか八重が倒れていて」

「無念でござる。もう一度あの太刀筋を見る事が出来れば・・・・」

「見れるぞ」

「・・・・は?」

あっさりと答えた俺に八重は間の抜けた声を出す、俺は運転しながらゼロに座席の後ろにテレビ画面をセットする。そして録画した試合を再生させた映像を八重達三人娘に見せた。

「こっ、これは何でござる!?あっ!せっ、拙者、拙者がいるでござるよ!?子爵殿も!エルゼ殿もいる!」

「うわあ、何これ!勝手に動いてる!あたしここにいるのに!えっ、これあたしじゃなくてリンゼ!?違う、リンゼもここにいるよ!?どうなってんのー!?」

「黙れ!」

『は、はい!?』

俺は運転中なので少し覇気を混じって言ったが、まあ驚くか。この技術は王国やイーシェンにもないし、あるのはプトレマイオス神国しかない技術。

「全く、落ち着けバカ共。これは俺が持つスマホで出来事を記録していつでも見られるようにした、無属性魔法とは違うが俺らの神国にしかない技術だと言っとこう。先程の試合を記録しておいた」

「魔法ではなく技術ですか?」

「俺が運転してるこれも技術で生まれた代物、これの正式名称はスマートフォンだが略してスマホと俺はそう言ってる。さっきのとこまで早送りしよう」

「あ、ここでござる!」

八重が打ち倒されたシーンとなったので再生すると正面から振り下ろされたはずの剣が、最初から胴狙いで振り抜かれていた。リンゼも疑問符浮かべてたので納得するまで再生させて見せても疑問符浮かべてる。

「影の剣だな、高めた闘気を剣とする技で幻だから実体もない。だが気で作られてるから気配はあっても存在を思わずに認識してしまう。ソードレック子爵は影の剣を上に、本物の方を横に分けて闘気を感じて動いても影の剣だから八重はまんまと引っ掛かった訳さ」

「拙者の剣には影がない・・・・か。なるほど、道理でござる。相手の隙を待つのではなく相手に隙を作らせる・・・・」

「落ち込むなって、これからは俺が模擬戦で強くしてやるからさ」

ムービーモードから通常モードにさせてテレビ画面から無くして、リンゼには魔法を主にした講義をしてた。今のままだと燃費が悪いから、燃費をよくするにはどうすればいいかとかだが王都に来たのなら帰る前にショッピングしようと言い出した三人組。

俺は特に買う物は無いが、たまには同性同士の買い物でも楽しんで来いよ。三時間後、ゼロが置かれてる場所まで集合と言う事になった。三人一緒に行動するのは最初から分かってたし、荷物持ちさせるより別行動した方がいい。

「俺は買う物はないから暇潰しにドライグを召喚っと」

「いいのか相棒?俺を外に出して」

「アイツらが帰ってくるまでな、まだドライグの事は秘密だ。封印されていても外に出せる事まで知れてないし」

「相棒は魔力付与の効果がある道具も不要だしな」

魔力付与された道具は古代遺跡から見つかる価値の高いのがあるとか、だがショッピングは時間が経つのは早いが待つ事は長く感じてしまう。俺は散歩だと思ってドライグを頭上に乗せて歩く。

人間以外の色んな人種がいるようだが、亜人と呼ばれる奴らは様々な特徴を持っていて獣人もいるらしい。リフレットでは見なかったが、ここだと獣人が結構いるみたいで特に耳と尻尾以外は人間と見える。

「相棒、あそこにいるのは迷子ではないのか?」

「誰も助けてくれないとは冷たい奴らだな、よし、嬢ちゃんどうかしたのか?」

「ひゃい!何でしゅか!?」

「落ち着け、何か困ってそうだから声をかけてみただけだ。何があったんだ?」

「あの、私、連れの者とはぐれてしまって・・・・もしはぐれた時の為に待ち合わせ場所を決めといたんだけど場所がどこにあるか分からなくて」

いきなり声を掛けたのか噛んでしまった様子、しゅんとして小さくなる狐の少女。待ち合わせ場所が『ルカ』と言う魔法屋、スマホを取り出して検索でググると『ベルクト』の途中にある店。

「その店なら俺が行く同じ方向だから一緒に行かない?」

「本当ですか!?ありがとうございましゅ!」

「いえいえ、また迷子になっても困るから手を繋ごうか」

「うん!」

何か朱里を思い出す、手繋ぎながらマップを見ながら進んで行く。少女の名はアルマと言い、この子も姉が仕事で付いて来たらしく王都を見に来たらしい。魔法屋が見えて来ると獣人の女性がこちらを見て走ってきた。

「アルマ!」

「あ、お姉ちゃん!」

こちらに駆け寄ると姉らしき人の胸に飛び込む。アルマより年上なのは知ってたが、凜とした雰囲気はどこかの使者として来たのかな?

「心配したのよ!急にはぐれるからっ!」

「ごめんなさい・・・・でも一真さんがここまで連れて来てくれたから大丈夫だったよ」

「妹がお世話になりました。感謝します」

「いえいえ、俺もちょうどここに来たかったのでね」

「ぜひ、お礼をさせて下さい」

魔法屋『ルカ』に入る前に喫茶店に行き、色々と話し合った。こちらはギルドの仕事で王都に寄ったが、姉の名前がオルガと言うらしいんで互いに軽く自己紹介した。俺の方が年上だと言うと呼び捨てで構わないと言われた。

「ところで一真さんは魔法屋に何用で来たのですか?」

「無属性関連の本をいくつか、六属性のも魔法書も見てみたいと思ってな」

軽く話してから買って俺はゼロのとこに戻るので、近くまで来てから別れた。宿屋のミカさんにも土産をお買い上げ、ゼロのとこに戻るとまだ誰も戻っていなかった。ドライグは頭上で寝てたから静かにしてた。

「ゼロ、三人娘は何を買うと思う?」

『そうですね、かなりの荷物を抱えてきそうな気がします』

「あー想像すると荷台に乗らないぐらい買ってきそうだ」

『それより私はまだ喋らないままの方がいいのですか?』

「機械が喋る事自体がこの世界には無い事だからな、ドライグが喋った事も驚いてたが」

先に運転席に乗って夕方まで寝てた、窓からノック音が聞こえたので起きると荷物を地面に置いた三人娘。どんだけ買ったんだよ、白金貨を持ってから金銭感覚が崩れそうな気がする。

「一真さんは何してたんですか?」

「俺は簡単な買い物をしてただけで、あとはここで寝てたよ。運転するのは集中力いるからな」

「これ全部入るかしら?」

「荷物は俺が預かるよ。空間の中に」

魔力付与がかけられたコートなどいらんし、全属性の攻撃魔法軽減&対刃耐熱耐寒対激効果。金貨八枚らしいが、全員が座ってから俺が使うゲートを使って帰る。とりあえず王都を出てからじゃないと。

「王都から離れたからそろそろ使うか」

「無詠唱でゲート使えるのは便利ですよね」

「一真殿しか使えない魔法でござるか?」

「無属性魔法の【ゲート】は一度行った事があるとこしか使えんが、俺が使うゲートは一度も行った事がない場所でも行けるのさ。じゃ、進もうか」

軍用車が光の門に進むと王都付近からリフレットの人気がない場所まで到着、夕陽は変わらないが車で三日の距離が一瞬で行ける。暗くなってきたからザナックへの報告は明日にしよう。

『銀月』の前で止まり、軍用車を空間内に戻してからミカさんに帰ってきた報告しに入る。するとそこにいたのはミカさんではなく知らんオッサンが受付をやってた、もしやミカさんの親?

「いらっしゃい。お泊りで?」

「ん?俺らはここの宿泊客だが」

「ああ、泊まってるお客さん達かい。すまんな、見た事なかったから」

「あれ?皆帰ってくるの早くない」

厨房からエプロンをしたままのミカさんが現れた。やはりと言うか俺らが旅立った後に遠方の仕入れから帰ってきたんだと。

「ドランだ。よろしくな」

「よろしく、調達と言う事は調味料とか?」

「ああそうだよ。この辺りじゃ塩や胡椒が無くてな、他店の者らの分で大量に買ってきたのさ」

「ドランさん、この子の部屋を頼む」

「あいよ」

八重の背を押してカウンターに向かわせて、手続きしてる間に俺らは買い物をした荷物運びをする事に。ミカさんにも土産を渡して、どうしてすぐ戻ってこれたかを聞かれたからゲートについて答えた。

夕食はいつもより多かった気がすると思えば、ほとんど八重が食べてたらしく燃費が悪い者を仲間にしてしまったようだ。ミカさんもドランさんも呆れてたが、八重の分だけ食費代を追加した。

次の日、依頼完了するべく俺らはザナックの店へやってきた。想定外の早い帰還に驚いてたが、ゲートに関して話すと納得してた。転移魔法の使い手は多くないけど存在は知られている。

「これがソードレック子爵からの預かった手紙だ」

「確かに。お疲れ様でした」

「それと交通費のほとんどを返還する。仕事は信頼が一番だと言う事は商売人なら分かるかと」

「律儀かと思えば商売人の財産は信頼から来ている。それなくして商売は成立しないし、それを踏み躙れば自分にいつか返ってくるからね」

交通費のほとんどが入った袋を受け取り、依頼完了の証拠としてギルド指定ナンバーが打たれたカードを渡してくれた。これをギルドに提出すれば報酬がもらえるんで、礼を告げて店を出てその足でギルドへ向かう。

ギルドの中へ入ると相変わらず依頼ボードを見てる人達がいる。初めてのギルドなのか俺らと一緒に受付カウンターへ。さっき貰ったカードを渡して依頼完了の報告。

「ギルドカードの提出をお願いします、織斑様は少々お待ち下さい」

「なぜ一真殿とは別なのでござるか?」

「俺はギルドカードとは別のを持ってるから」

差し出された二人のカードに魔力の判子を押し、俺のカードをタッチする機器に乗せてから魔力の判子を押す。

「それではこちらが報酬の銀貨七枚です。依頼完了お疲れ様でした」

「すまんが、この子のギルド登録を頼む」

「登録ですか?畏まりました」

八重が登録の説明を受けてる間に報酬を三等分、報酬の銀貨二枚が少なく感じたエルゼだが白金貨を持ってるのならしょうがないと思う。やがて登録完了した八重のカードは二人とは違い黒のカード。

「早速依頼を受けたいでござる」

「ふむ、北の廃墟にあるメガスライム討伐ってまだ残ってたのか」

「これだけは生理的に無理でござるよ」

「そう言うと思って別のにしたわ」

スライムは服を溶かして行為をする方法だけど、タイガーベア討伐ってのをやってみた。熊か虎か分からん魔獣で棲息場所が車より徒歩で行った方が良さそうだし、ゲート使って行くとタイガーベアの外観は虎縞のデカい熊で牙がサーベルタイガーだった。

岩山にていきなり襲い掛かってきたが、ほぼ八重が一人で倒してた。証拠として牙を折ってゲートでギルドへ帰還、牙を提出して報酬を貰って依頼完了したし受付嬢は俺が使う転移魔法に関して言っといたから疑われずに済んだ。

「織斑様のように転移魔法を使える人は何人かいますが、何かしらの制約があります」

「無属性魔法の【ゲート】は一度行った事がある場所しか転移できないようだな」

「まだ時間があるからもう一件受けるでござる!」

「落ち着け、俺も行きたいがエルゼ達は連戦勘弁してくれと言う顔をしてるから察しろ」

俺も連戦は行ける口だが、喫茶店『バレント』にてザナックの依頼完了と八重のギルド登録と初討伐を祝う事に。軽めの食事と飲み物、それと全員アイスクリームの新作を頼んだ。

「一真さん、また新たなメニューを考えたいのですが」

「またデザート関連かな?」

「はい。今回も女性受けのを考えたくて」

「宿屋に戻ったら何品か試作品作っておくよ」

何点か試作品作ってみたが、味は相変わらず変わらないし腕も鈍ってなかった。で、王都帰還から二週間が経ち、外は雨で天空神曰く梅雨みたいな季節じゃなく雨続きの日らしい。

雨が降ってる間はギルドの仕事も休みだから暇だ、魔法の勉強などしなくても使えるが復習ついでに聞いてくれ。王都で買った本をデータ化にして使えないのを切ってく作業してた。 
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