転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2205話
「へぇ、ジオン軍が本格的に行動に出たのか。……資源的な問題で無理をしてると思うけど」
「そうね」
俺の言葉に、セイラは紅茶を飲みながら短く呟く。
現在俺がいるのは、クレイドルにある政庁の中でも、セイラの私室だ。
とはいえ、当然ながら寝室という訳ではなく……言ってみれば、客と一緒に紅茶を飲んだりしてすごす部屋、という表現が正しいか。
ルナ・ジオンのトップたるセイラは、色々と仕事がある。
だが、それでも休憩時間を作り出す事は難しくなく……丁度その時間に俺が政庁に顔を出した事もあって、お茶に誘われた訳だ。
アンリには会わなかったけど、もし会っていれば色々と不満を口にされた気がする。
そんな感じで、俺は現在セイラと一緒にクッキーやサンドイッチといった軽食を食べながら世間話をしていた。
その中でセイラの口から出たのが、『トライデント作戦』『ジャベリン作戦』という2つの作戦名だった。
それはジオン軍がちょうど今日発動した作戦で、具体的に言えば中東にいる連邦軍の撃破と、現在は分断された形となっている旧ロシアとアフリカを繋げるのが目的の作戦らしい。
トライデント作戦が海から進軍する作戦で、ジオン軍が有する潜水艦や水中用MSとかが主戦力となる。
ジャベリン作戦が地上から進軍する作戦で、地上用MSや一般兵器を主力として使われる作戦だ。
「上手くいくと思うか?」
「どうかしら。ちょうどさっき入ってきたばかりの情報だから何とも言えないけど、ジオン軍にしてみれば、かなりの労力を使ってこの作戦を進めていた筈よ。絶対に成功させるつもりでいるとは思うわ」
この辺でも、俺がグラナダを攻略した時に破壊されたMSや軍艦、それ以外の兵器が影響している。
元々資源不足のジオン軍だけに、このような大規模な作戦を発動させた以上、間違いなく成功させる気でいるだろう。
とはいえ、成功させたいからといって必ずしも成功する筈もなく……その辺りの事情を考えると、結構無理があるような気がしないでもない。
連邦軍だって、わざわざ自分達がやられたいとは思わないだろうし。
いや、寧ろこれを好機として、ジオン軍を纏めて撃破するなんて事を考えている可能性もある。
「で? ルナ・ジオンとしてはどうするんだ? どっちかに協力するのか?」
連邦軍にしろジオン軍にしろ、ルナ・ジオンの協力は心の底から欲している筈だ。
連邦軍にしてみれば、まだMS開発が終わっていない――と思われる――以上、戦力として使える兵器の大半は戦車や戦闘機といった物になる。
鹵獲や寝返り、もしくは奪取、横流し品……色々な手段で入手したザクもあるだろうが、自軍の戦力として使えるMSの数はどうしても少なくなる。
そうである以上、戦力に組み込むのは色々と難しいだろう。
だが、そこにMSを主戦力とするルナ・ジオン軍が協力するとなれば、連邦軍にとっては渡りに船でしかない。
また、ジオン軍もルナ・ジオン軍の戦力が欲しいのは当然だ。
俺の攻撃で資源が大量に消耗したのを考えれば、自分達の戦力を出来るだけ消耗しないで今回の作戦を成功させようと思ってもおかしくはない。
「そうね。どちらもこちらが協力を申し出れば、喜んでくれるでしょうね。……でも、だからこそ今はどちらにも協力はしないわ」
紅茶を一口飲み、そう告げるセイラ。
「何でだ? ジオン軍に協力するのは、これまでの経緯的に難しくても、連邦軍なら問題ないと思うが? ゴップとも良い関係を築けているし」
以前ジェーンと共に会談したゴップだったが、その関係は続いている。
当然だろう。連邦軍にしろ、ルナ・ジオン軍にしろ、お互いに相手の上層部とのホットラインというのは重要な代物だ。
それこそ、余程の事ながければ、お互いに連絡を取り合い続けるのは当然だろう。
「そうね。それは否定しないわ。……けど、やっぱりここは様子見よ」
頑なにそう言うセイラの様子を見れば、俺もこれ以上は何も言えない。
そもそも、この一件はあくまでもルナ・ジオンの問題なのだ。
どうすればいいと意見を求められたのならまだしも、今の状況でこちらから口出しをするのは控えた方がいいという判断だった。
「まぁ、そこまで言うなら、俺はこれ以上何も言わないけど。……セイラにはセイラの、ルナ・ジオンにはルナ・ジオンの考えがあるんだろうし」
「そう言って貰えると、私としても助かるわ。……それにしても、まだキャスバル兄さんから連絡がないんだけど、どう思う?」
露骨な話題転換ではあったが、セイラにも色々と話したくない事はあるんだろうし……同時に、シャアからの連絡がない事に戸惑いと苛立ちを覚えているのも間違いのない事実なんだろう。
「どうと言われてもな。正直なところ、その辺は俺にとっても疑問だよ」
シャアの性格が具体的にどのようなものなのかは、原作知識のほぼ全てを失った今となっては俺にも分からない。
だが、小惑星を地球に落下させようとしたということを考えれば、恐らくシャアは地球を……連邦という存在を憎んでいるのか、もしくはどうしてもそうしなければならない理由があったのか。
その辺の理由は俺にも分からなかったが、それでもルナ・ジオンに接触してきてもおしくはない筈だった。
「シャアの性格を考えれば、もう姿を現してもおかしくはない。おかしくはないんだが……今の状況でもシャアから接触してくる様子がない以上、シャアが自発的に俺達に接触してくる可能性は、まずないと思ってもいい。そうなると、どうしてもシャアと接触したいんなら、ジオン軍にシャアを特使として寄越すように要請した方がいいんじゃないか?」
以前までも何度か同じようなアドバイスをした事はあったが、残念ながら今回もセイラは俺の言葉に首を横に振る。
何だか、セイラの方も意固地になってないか?
折角自分がここまでやったんだから、シャアと会う時は自分から呼びかけるのではなく、絶対にシャアから出てくるべきだと、そんな風に思っているようにすら見える。
……とはいえ、そんなセイラの気持ちも理解出来ない訳ではない。
実際に俺と出会ってからのセイラは、ちょっと信じられないくらいに頑張っている。
そうである以上、現状でもシャアが自分に接触してきてくれないことが、面白くないのだろう。
兄妹喧嘩……と呼ぶにはちょっと規模がでかいが。
「あー……まぁ、セイラがそれでいいのなら、俺はこれ以上何も言う事はないけどな」
紅茶を飲みながら、話題を別の方に持っていった方がいいと考える。
このままでは、折角のお茶会がセイラにとっても面白くないものになりかねないのだから。
「そう言えば、ちょっと前に起こったジオン軍がどこだったかの村の住民を虐殺したって奴。あれってどうなったか分かるか?」
「え? ええ」
先程のセイラに負けない程の唐突な話題転換に若干戸惑った様子のセイラだったが、その表情は憂鬱なものになる。
セイラにしてみれば、村の住人を虐殺するような事をするというのは、意味が分からなかったのだろう。
セイラは医者を目指していただけあって、そういうのが許せない性格をしてるしな。
「ジオン軍の方では、これは連邦軍の自作自演……もしくはジオン軍とは全く関係のないゲリラが村を襲ったのを、ジオン軍の仕業として見せ掛けている……と、そう発表してるわね」
「……まぁ、素直に認める事が出来ないのは、当然か」
何の罪もない村人を虐殺したというのは、ジオン軍にとってイメージが悪すぎる。
もし本当にあの虐殺をジオン軍がやったのだとしても、ジオン軍がそれを認めるというのは有り得なかった。
そうなれば、当然のように連邦軍とジオン軍の間で言い争いになり……結果として、有耶無耶になる可能性が高い。
もし本当にその辺りをはっきりさせたいのであれば、それこそルナ・ジオンやシャドウミラーという第三者に調べて貰うといった真似をする事も出来るのだが……少なくても、今のところはそんな風に要請されてはいない。
「そうね。……けど、正直面白くないと思ってしまうわ」
「その辺はセイラの性格を考えれば、おかしくないだろうな。……うん、また話題を変えるか」
「それを私の前で言うの? ……全く、アクセルは女心を分かっていないわね」
「そう言われてもな。正直なところ、これが俺だし。そうだな。何について話題がいい?」
そう告げると、セイラは少し考えた後で口を開く。
「そうね、アクセルが今まで行った事のある世界の事を教えてちょうだい」
「行った事がある世界って言われてもな。俺の記憶を体験したのなら、その辺は大体理解出来ているんじゃないか?」
「あの一瞬だったもの。……ああ、そう言えばあの経験はあの時だけよね」
「……言われてみれば」
俺が最初にセイラと触れあってから、当然のように相応の時間が経っている。
それだけの機会があれば、俺とセイラが肉体的に接触――いやらしい意味ではなく、手と手が触れたといった感じ――は何度か起こっているが、最初の時のようなどことも知らない空間に精神だけが飛ぶ……といった真似は、する事がなかった。
「初めて接触した時だけしかあの空間にいけないのか、もしくは他に何らかの理由があるのか。その辺りの理由は俺にも分からないけど……ちょっと試してみるか?」
そう言い、俺はテーブルに向かって座っているセイラに手を伸ばす。
セイラは俺の言葉と態度に少しだけ戸惑った様子を見せつつも、こちらに手を伸ばしてくる。
俺とセイラの手が重ね合わされ……だが、結局特に何か特殊な空間に精神が飛ばされるといった事はなかった。
「何も起きないな」
「……そうね。じゃあ、やっぱり最初だけだったのかしら?」
「その可能性も高い、か?」
なら、アムロと接触しても、今度は特に何かがあるという事はない、筈。
とはいえ、アムロに関してはもうこっちからちょっかいを出す気はない。
ルルーの妹のメリルから話を聞いた限りでは、アムロは俺と接触した事で特にトラウマを負った様子はないらしいし。
そんな中で、あの空間に移動出来るかどうか……いや、結局あの時はアムロと一緒にあの空間に移動した訳ではない以上、セイラとの仮説が正しい場合は、アムロと握手をしたりすれば、あの空間に飛ばされる事になるのか。
ともあれ、ルナ・ジオンの件やら何やらで、俺も何だかんだと忙しい。
……まぁ、恋人達とデートをするだけの余裕はあったりするのだが。
ともあれ、このUC世界においては重要人物……それこそ、恐らく主人公だろうアムロに対して、今の俺が下手に接触したりすれば、色々と不味い事になるのは確実だった。
特にアムロは俺に対してトラウマ染みた気持ちを抱いているらしいし。
「まぁ、結局のところ、ニュータイプ能力というのが具体的にどのような能力なのかというのも、まだ決まっている訳ではないしな」
「そうね。私がこのニュータイプ能力を覚醒させたのは、アクセルのおかげだけど……だからといって、誰もがこの能力に覚醒出来る訳じゃないでしょうし」
そう言いながら、セイラは俺の方に視線を向けてくるが、実際その通りでもある。
現時点では、恐らくという枕詞が付くが、セイラはアムロより優れたニュータイプの筈だ。
俺と接触しただけで全員がそれだけのニュータイプ能力に覚醒出来るのであれば、それこそルナ・ジオンはニュータイプだらけになっていても、おかしくはないし。
「思っていたよりも、ニュータイプ能力者ってのは、少ないのかもしれないな」
もっとも、この先においてニュータイプ能力者が今まで現れた事がないのを考えると、セイラ達の世代が最初のニュータイプなのかもしれないが。
もしくは、もっと前にニュータイプがいても、単純にそれが表に出てこなかっただけなのか。
その辺りの理由は俺にも分からないが、ともあれ、現状でセイラ以上のニュータイプがいるとは、到底思えない。
……まぁ、セイラのニュータイプ能力の覚醒は、俺との接触という意味で半ば反則染みていたしな。
そんな風に考えていると、扉がノックされる音が聞こえてくる。
扉の外にある気配は……アンリか。
恐らく、ルナ・ジオン軍についての何らかの報告があってやって来たのだろう。
セイラの入ってもいいという声に、アンリが部屋に入り……
「な……なあああああああああああああああああああっ!」
俺の姿があるのを見てか、アンリの口から大声が発せられる。
「2人で一体、何を……姫様!」
そう叫ぶアンリの視線の先にあるのは、俺……ではなく、俺とセイラがテーブルの上で手を繋いだままでいる光景だった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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