| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

かえって減って

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章

「体力ない感じするのよ」
「ああ、体重減るとね」
「それと一緒に体力落ちるわよね」
「人間痩せ過ぎもよくないっていうけれど」
「それ実際にあるから」
「そう、だからね」
 それでと言うのだった。
「私今それで困ってるのよ」
「体力が落ちて」
「それで」
「運動で体力ついたと思ったら」
 それがというのだ。
「かえってね、二キロ減った分だけ」
「じゃあ太る?」
「今度はそうするの?」
「二キロ太るの」
「そうしたいの」
「だから運動は続けようと思ってるけれど」
 ダイエットをはじめたついでにだ、体重が増えるのも嫌なのでそれでそれは続けるというのである。
「食べることはね」
「増やすのね」
「前みたいにするの」
「そうしたいの」
「ええ、お菓子も食べて」
 好きなそれをだ。
「勿論他のものも食べるけれど」
「それでもなのね」
「しっかりと食べて」
「それでなの」
「体力戻すのね」
「そうするわ」
 絶対にと言ってだ、実際にだった。
 梓は食事は戻した、すると次の月には体重は彼女の標準のものになった。それでまたしても友人達に言ったが今度は笑顔で言えた。
「二キロ増えてね」
「体力戻ったのね」
「そうなったのね」
「そうなの。私の標準体重に戻って」
 それでというのだ。
「体力もね」
「戻った」
「完全にそうなったのね」
「ええ。やっぱりあれよね」
 こうも言った梓だった。
「人間太り過ぎもよくないけれど」
「痩せ過ぎもよくない」
「そっちもかえって」
「そうなのね」
「それがわかったわ」
 まさに身を以てだった。
「二キロのプラスマイナスって小さい様でね」
「結構それがわかるのね」
「そうしたことが」
「太るとやっぱり色々出るしね」
「身体が変わるわ」
 肥満が顔やスタイルに出て余計な肉がついて動きが鈍くなる、もっと言えば健康にも影響を与えてしまう。
 しかしだとだ、友人達はさらに話した。
「痩せ過ぎもね」
「やっぱり身体が変わるわね」
 こちらはこちらで顔やスタイルに出る、そしてやはり健康にも影響を与えてしまうのだ。太る場合と同じく。
「梓の言う通り体力もなくなって」
「かえってよくないわね」
「私昔ね」
 ここでこうもだ、梓は友人達に話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧