オズのエリカ
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第六幕その六
「ちょっと助言なんかを頂けたら」
「いいハチミツをどうして作るのか」
「はい、お願い出来ますか」
「私でよかったら」
一呼吸置いてからです、アンは答えました。
「だったらね」
「それでは」
「ええ、今からね」
「私達の巣に来て下さい」
「お花っていうと」
ここで言ったのはエリカでした。
「その辺りに一杯あるでしょ」
「そうだよね」
「一杯あるよね、お花は」
臆病ライオンと腹ペコタイガーも言いました。
「この辺りに」
「そうだよね」
「それはね」
「この周りにも」
「いや、それがです」
「それが?」
「それがっていうと?」
「この辺りのお花から蜜を取っても」
そうしてもというのです。
「どうもです」
「いい蜂蜜が出来ないんだ」
「そうだっていうんだ」
「そんな気がするのです」
どうにもというのです。
「だから私達も困っています」
「あら、どんなお花からも蜜が採れるでしょ」
エリカはミツバチのお話を聞いて言いました。
「それこそ」
「いえ、それがです」
「そうでもないの」
「はい、どうにも」
これがというのです。
「だからです」
「私達にもなのね」
「お話しているのです」
悩んでいてというのです。
「この様に」
「そうなのね」
「とりあえずはね」
ここでアンが言いました。
「まずは貴方の巣まで案内してね」
「わかりました」
こうしてでした、ミツバチはアン達を自分の巣がある森の中に案内しました。そうして着いたところは森に少し入ったところで。
そこにとても大きな蜂の巣が赤い大樹にぶら下がっていました、ミツバチはそこに来ると皆に言いました。
「ここが私の巣でして」
「それでなのね」
「蜂蜜を作っていてもです」
「いい蜂蜜が出来ないのね」
「納得出来るものが」
「それはこの巣のどのミツバチ達が言ってるのかしら」
「はい、どうか皆のお話を聞いて下さい」
こうアンに言います、そしてでした。
アンは蜂の巣から出て来たミツバチ達にお話を聞きました、するとです。
どのミツバチ達も同じことを言いました、特に女王バチはこう言いました。
「本当に何かです」
「ハチミツの味になのね」
「満足していないのです」
「そうなのね」
「何が悪いのでしょうか」
女王バチはアンに困ったお顔で言うのでした。
「私達にはわかりません」
「どのお花から蜜を採ってるのかしら」
アンは女王バチに尋ねました。
「それで」
「この森と周りの場所のお花達からです」
「その全てのお花からなの」
「はい、蜜を採っているのですが」
「満足のいく味になの」
「なっていないのです」
「そうなのね。じゃあね」
アンはここまで聞いてから女王バチに言いました。
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