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真説魔法少女リリカルなのはエトランゼ改

作者:南條 綾
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2部 ジュエルシード事件
1章 怪しい館にはご用心
  2階

 2階も同じようなつくりだ目の前に大きな門があり左右にも扉がある
廊下がないこの館でどうして車いすの音が聞こえるんだ!
本当に気味が悪い。

「正面の部屋から行くがいいか?」

 二人は了承したので、慎重になりながら扉を開いた。
そこは遊戯室なんだろうと思う。
部屋はしたの階の食堂と同じ大きさの部屋だが、ピアノにビリヤードが置いてある。

「何も変哲もない部屋だな」

「おかしくない?」

「どうしたアリサ?」

「なんでこの部屋だけ朽ち果ててないの?」

 確かに、この館は全て朽ち果てていた。
実際に階段も恐る恐る上ったものだ。
何ケ所か階段も砕けていて、階段に乗っただけで壊れるんじゃないかと思ったぐらいだった。
それなのにここだけ煌びやかに状態がいい。

「キャッ」

「どうしたすずか?」

「えっと、ピアノのふたが開いてるの」

「ん?」

「だから閉まってたのに、もう一度見たら開いてたから」

「見間違いじゃなく」

 アリサはすずかにそう言った。
そう聞きたくなる気持ちもわからんではないが

「ん~自信は無いんだけど、この雰囲気で見間違えたのかな?」

 すずか自身もこの部屋のなれない雰囲気に飲み込まれている感じだ。
俺はもしかしたら隣の部屋に何かいるんじゃないかと思った矢先に、
隣の部屋から先ほどの車いすの音が聞こえた。

「「きゃ~」」

 そりゃ驚くわな!

「行くぞ!」

「「う・・・うん」」

「怖いのなら、俺の服でもつかんでいろ!」

「う・・・うん」

「綾が言うのなら仕方ないわね、あんたが言うから掴むんだからね」

「何でもいい」

 まったく、年ごろって言うには若すぎるが、精神年齢が高いからな、
年ごろの娘と同じ漢字でもおかしくはないか

 俺は、罠察知の技術を使い、罠がないことを確認して扉を開くと、ここも朽ちている部屋だった。
だが多分主人の部屋と、今まで窓がなかったのだが、ここには窓があった。
俺は窓を開こうとしたのだが、窓が開かなかった。
仕方がないので力ある言葉を発した。

『魔法の(マジックミサイル)

 絶対に外さない魔法のエネルギーの矢
俺は窓にぶつけたのだが、なぜか反射をして俺に当たった。
俺が日常無意識に使用している魔法の(シールド)が発動してなんとか食らわずに済んだ。
魔法が無理ならこぶしで
俺が叩き割ろうとしたら、不可視の壁に当たりガードされ、その衝撃をもろ体に受け、
俺は片膝をついた。

「どうあっても外に出さないつもりか!」

「あ・・・綾」

「綾君」

「恐れるな、出れないのなら、正規の方法で出てやるさ」

「正規」

「方法」

「絶対に閉じ込めるなんて不可能だ、
入ってこれたのだから出る方法があるはず、
館の秘密を暴けばいいのか、敵を倒せばいいかはわからんが
大丈夫だ」

 多分久遠か退魔師としての実力がある槇原がいれば解けるはずだ!
その前に突破はしたいが、この二人に傷はつかせたくないな・・・

「ねえ、綾君あそこに日記帳みたいなものが」

「あるな」

「ねえ、綾。あたしこのような感じの映画を見た記憶が」

「まぁホラーにありそうなシチュだが、言わないでほしいフラグなっても困る」

「ええ」

 俺は警戒をしながらその日記を読む
幸いにも手に触れれるし、きちんと読める代物だった。

 読んでわかったのは、身体が不自由になり、恨んでいたこと
家が没落をしていったこと。

「まぁ良くもこれだけ恨み言がかけるな」

「百数ページそんな感じね」

「こんなもの全部読んでたら切り無いから、最後の方に飛ぶぞ」

「「うん」」

 4月3日
最近見るあの男が憎い
ずっといいと思っていた少女をはべらかしてるあの男が憎い
いつの間にか現れたあの男
3人の少女があの男に笑顔で接してるのが憎い
なぜ私じゃないのだ
この体が憎い
ニクイ・ニクイ・ニクイ・ニクイ・・・・・
1ページ丸ごと憎いで埋め尽くされていた。

 4月4日
あの男がまた違う女と歩いている
なぜあの男ばかり持てるのか
ニクイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
相変わらず最後はこの言葉でページが埋め尽くされていた

「わかったのは、最近までこの部屋で、
ここから見える風景の女たらしの男を恨んでたことか」

「そうみたいね」

「うん・・・」

「どうしたすずか?」

「えっと、この時間帯って・・・」

 日付の後に時間が書いてあった。
先ほど書いてあったか?
ニクイ連発で時間は省略していたのかもしれない

「すずかどうしたんだ?」

「私たちがよく通る時間だなって?」

「あれ?この道って俺たち通るか?」

「何言ってるの?通ってるでしょ」

「通ってるな、だがこんな館があるなんて気づかなかったぞ」

「あたしも知らないわ」

「うん、そういえば」

「第一こんなに大きな館なら見逃すはずがないのに、もしこの館じゃなかったらここって何だった?」

「綾可笑しなこと考えてる?その過程は無理よ、だってそれなら何でここまで荒れてるの?」

「そうだよな」

「うん、それですずかはなぜこれに疑問を持ったんだ?」

「なんか綾君じゃないかなって」

「なんで俺?」

「この男って綾君の事じゃないかなって、女性は私やアリサちゃん、なのはちゃんじゃないかなって?」

「それは無いだろう、だって少女って書いてあるし、すずか達の年齢は少女じゃなく幼女だろう」

「そうね、綾は見た目120CMぐらいしか見えない幼女にしか見えないから、すずかの推理は間違ってるわよ」

「だれがチビの幼女だ」

「こんな可憐な少女を捕まえて何が幼女よ!」

「は?可憐」

「二人ともケンカしてる場合じゃないよ、もう!」

 確かに!
悔しいが俺の身長と雰囲気で一発で男と見分けるのは難しいだろう
現にあの洞察力が鋭いおやっさんでさえ間違えたぐらいだ。
ちらっと時計を見るとあれから全然動いてない。
扉の音が聞こえた。
俺は2人を見て頷いて、ゆっくり音がした方の扉を開いたのだが、今度は階段を下る音
しかも車いすの音も

 俺達は踊り場に出たのだがやはり姿は見えない。

「ちょっとどうやって車いすで降りれたのよ」

「聴かれてもわからん」

 そう言った瞬間、外から雷鳴の音が聞こえてきて二人が俺に抱き付いてきた。
これで年相応ならすごくうれしいのだが、小学生に興味は無いからな

≪綾様≫

≪どうした?≫

≪実は質量がないのです≫

≪は?≫

≪先ほど車いすが聞こえたので、質量で分かると思って動くものの質量を測ってたのですが≫

≪動いたものが俺らしかなかったということか?≫

≪まったく何なんだ?≫

≪あと一つ≫

≪まだあるのか?≫

≪はい。片方の部屋割りを見てないので何とも言えませんが、下の階の作りが変なような気がしました≫

≪今は些細な情報も欲しい。言ってくれ≫

≪では、ここの遊戯室と食堂は同じ大きさでしたが、左右に扉がありました。
ですが下の食堂は下座の方に扉はありましたが上座の方に扉がありませんでした。≫

≪なら上座の奥は執事の部屋じゃないのか?≫

≪それは無いです≫

≪なぜ?≫

≪大きさが反対側の料理人の泊る部屋と同じぐらいだったからです≫

≪確かに・・・≫

≪そこに行ってみるか≫

≪これまで以上に気を付けてください≫

≪ああ、他は?≫

≪磁場が乱れているせいか、先ほどはなんとかわかりましたが、
どんどん計器の方もくるってきまして≫

≪すずかの仮定が本当だとしたら目的は俺か?
それとも恋焦がれたアリサかすずかなのだろうか?≫

≪ですが、先ほどアリサさんも言ってましたがあの距離で綾様を男だと・・・≫

≪いくら俺がぶっきらぼうな男の行動でも難しいわな、なによりこの道は良く通ってるのに、
思い出せないなんて奇妙すぎる。これもジュエルシードの力か?≫

≪ジュエルシードに記憶操作なんてものは無いはずです。あくまでも願いを叶えると言う事のみです≫

「ちょっと・・・」

「どうした?」

「本当に誰と会話してるのよ、それとも私たちを驚かすためのドッキリだったら許さないわよ」

「そうだと言いたいところだが残念ながら違う、話は・・・言ってもわからないから内緒だ」

「言ってもないのにわからないって・・・それを判断するのは私たちよ、それともそんなに信用がないわけ!」

 俺はアリサを見ると少し寂しそうな顔を見てしまった。
続いてすずかの顔も落胆の顔が見られる。

≪綾様この二人ならきっと大丈夫です。言わないと士気にかかわります≫

≪は~、物騒な世界を見せたくないのだがな≫

≪選んだのはこの二人です≫

「教えても良いが、聞いたらもう平和な環境で過ごせないかもしれない
今回の事やこの間の誘拐の時より怖い目にあう可能性が起きる可能性がある
今回は巻き込まれただけだが、知ったら巻き込まれじゃなく必然かもしれない
それでも知りたいか?」

 俺は少し脅かす素振りで聞いた。

「それでもあたしは知りたい。何もできないかもしれないけれど、
知らないよりは知りたい。知ることによって起きるのが義務だとしても」

「私も知りたいかな。知ることによってもっと綾君と仲良くなれる感じがするから
知ることによって綾君が危険を冒すのが少なくなるかもしれないから」

 反対にお前らの危険が増えたら、俺は嫌なんだが、多分そう言ったら私もって言いそうだ。

「俺の力の事は置いておく、生前の記憶と不思議な力を持ってる程度でいい
今話してたのはこいつだ」

 俺はブルーダイヤの指輪を二人に見せた

「それブルーダイアでしょ、なんで綾がそんなすごい宝石を持ってるのよ」

 まぁアリサが驚くのも無理がない約1カラットでも日本円にして6千万以上するのがブルーダイアだ
これは約15カラットもするものだ。

「形見だ」

「綾君、自慢したいわけじゃないんだよね」

[初めましてって言うのも変ですがアリサさん、すずかさん]

「指輪がしゃべった」

「綾君これって」

「詳しくは今度な、違う世界で作られたデバイスで俺の補助をしてくれてる
どういう風で作ったのかはわからんが、AI搭載だけど、人間と話してるのと同じぐらいだ」

 あの話す車のドラマのシーズン最後のAIと同じぐらいすごい

「流石に俺一人だとわからんことが多いから、こういう時はぶれないこいつに聞いた方が正確だ」

「ふ~ん、名前は?」

[遅くなりました。ティアと申しますどうぞよろしくお願いします]

「ええ」

「こちらこそ」

「それだけか二人とも」

「は~もっと重大なことだと思ったんだけど、意外と普通で拍子抜けした感じ」

「私はビックりしたけれど、耐性が出来たのかな」

「普通はもっとビックリすると思うんだがな」

「なに、綾はそれを使って私たちに被害を起こすの」

「いや」

「ならいいわよ、扱う人によって道具の趣旨が変わるわ
ティアは私たちを助けてくれる存在で綾もそうでしょ
ならあたしたちが恐れる理由は無いわよ」

 なんてガキたち・・・なんて女たちだ!

「黙って考えてる時はこいつと話してると思ってくれ」

「あたしは、音に出してくれても良いと思うんだけどね」

「そう言うな、頼む」

「わかったわよ、そのうち詳しい話を聞かせてよ」

「了解だ」

「綾君を信じてるよ」

「あまり信じるな」

 ひとを信じてもろくなことにはならんぞ!
すずかやアリサ、海鳴の連中はそんな縁とは関係なさそうだが、
人は結構残酷だ!信じていれば信じてる程な
お前らはそのままでいてほしい気持ちはあるんだが・・・

「そんなに眉間で考えてると老けるわよ」

「アリサ、大きなお世話だ」

 会話でこの変な感覚を元に戻した感じだ。
さぁ1階に戻ろう。 
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