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レーヴァティン

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第七十四話 マルセイユからその四

「やはり」
「それなりの教育が必要か」
「そしてこの島でもそれだけの教育を受けている立場は」
「聖職者かな」
「貴族位です」
 学問もまた義務であり学問の中でものを知ることが出来る聖職者か財産に余裕があって高度な教育を受けられるだけの貴族かというのだ。
「そうなりますので」
「だからだよな」
「はい、どうしてもです」
「貴族を登用することになるか」
「若しくは聖職者を」
「じゃああれか。政教分離も」
「そうです、教育が進歩しまた市民生活が豊かになり市民の中で高度な教育を受けている者が出ないと」
 この条件を満たさねばというのだ。
「どうしてもです」
「出来るものじゃないか」
「そして階級もです」
「どうしても関係するか」
「家柄優先よりも能力主義がいいのですが」
「聖職者や貴族に限られるんならな」
 政治を出来るまでの教育を受けている者が彼等だけだからだ。
「それならな」
「そうです、これは当然のことです」
「教育を受けていることも能力だな」
「はい、絶対の前提です」
「やっぱりそうだよな」
「それが出来ているので」
 それ故にというのだ。
「必然的にです」
「貴族を登用するか」
「そして平民出身でも能力があれば」
「教育を受けていてな」
「彼等も登用します、そして出来れば」
 良太はこうも話した。
「出来れば中国の科挙の様な」
「ああ、試験でか」
「能力を見極めるシステムが欲しいですね」
「試験も大事か」
「やはり人材登用の基準になります」
 それに合格しているか否かがだ、久志達の世界にしても試験というものはそれこそどの世界にもあるものだ。
「ですから」
「試験のそれもか」
「導入したいですね」
「科挙はそうした意味でいいシステムか」
「人材登用の基準を定めるいることでも」
 この視点から言ってもというのだ。
「もっともこの制度は他にも長所がありました」
「人材登用以外にもか」
「貴族の力を削ぎました」
「ああ、家柄で登用されるんじゃなくて試験でそうなるんならな」
 久志も科挙のその長所に気付いた。
「自然とな」
「家柄は問題でなくなりますね」
「ああ、それよりもな」
「問題は試験に合格するかどうか」
「それで登用されるんならな」
「それで中国では貴族の権門化がなくなりました」
 当然教育を受けられる者達は限られていたので士大夫階級が定まっていたがだ。
「そして彼等の権力もなくなりました」
「それで皇帝の力が強くなってか」
「中央集権体制がより強まり」
「統治しやすくなったんだな」
「そうなりました」
「それでか」
「はい、試験制度もです」
 順一はあらためて言った。
「欲しいとです」
「思ってるんだな」
「その様に」
「試験も大事か」
「むしろこちらをです」
「メインに持って行きたいか」
「貴族階級の専横を抑え」
 そしてというのだ。 
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