転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2190話
ギニアスが治療ポッドに入ってから数日……レモンが最初に口にした通り、その程度の期間でどうにかなる事はなく、未だに治療ポッドの中にいる。
ただ、レモンがギニアスの身体を確認した結果、少し時間は掛かるが完治は可能だという結論に達した。
それを聞いた時、アイナとノリスの2人はこれ以上ない程に嬉しそうな笑みを浮かべていたのを俺は見ている。
そんな訳で、今は2人共が明るい気分で生活をしていたのだが……
「マジか」
その報告を聞き、俺は驚きの言葉を口にする。
それは、量産型Wが持ってきたとある書類を見ての一言だ。
書類に書かれているのは、アイナのMSパイロットとしての能力の高さ。
具体的に言えば、ラルやシーマ、黒い三連星、ゲラート、ガトーといった精鋭中の精鋭といった程ではないが、それに準ずる……俺に分かる範囲で例えるのなら、ハワイでズゴックに乗っているヴェルナーやガトーの部下のケリィ、カリウスに匹敵するくらいの才能があるのは恐らく間違いないというものだ。
俺が知っているアイナのイメージというのは、やはり貴族令嬢といった印象が強い。
それ以外にも、おっとりしてそうな見た目とは違って気が強いとか、そんな感じだ。
……まさかそんなアイナが、精鋭と呼ぶに相応しいだけのMSパイロットとしての素質があるとは。
勿論、素質は素質にすぎない。
例えどれだけの素質があったところで、その素質を伸ばすだけの努力は必要となる。
もしかして、ギニアスはその辺りを知った上でアプサラスのテストパイロットをアイナにしたのか?
まぁ、ギニアスは小さい頃からアイナの事を知ってるんだし、アイナの運動神経とかそういうのを知っていてもおかしくはない……か?
勿論、これが偶然であるという可能性は十分にあるのだが。
「取りあえず、それだけの素質があるのならしっかりと密度の濃い訓練をして、その素質を実力に変えてやる必要があるだろうな」
そう考え、さて誰にMSの操縦訓練を任せるのかという事を考える。
幸いにして、現在のルナ・ジオンにおいては精鋭と呼ぶに相応しいMSパイロットが大勢いる。
だが、本人の腕が良いのが、そのまま教師役として相応しいかと言われれば……それはまた、否だ。
そうなると……ラルはルナ・ジオン軍の中でも重鎮として忙しいので、アイナを訓練するような余裕は存在しないだろう。
となると、ガトー? うーん、ただ、ガトーは若い男で、それをアイナのような若い女と一緒にという事になれば、それはそれで色々と不味そうな気がする。
ギニアスの治療が終わった後で、もしそれを知ったら……
ギニアスはサハリン家という家に強い愛着を持っているのは間違いない。
そうである以上、アイナがガトーと噂になったりすれば、色々と不味そうなのは間違いない。
そうなると、一番適任なのは……シーマか。
シーマも、別に暇という訳ではない。
ジオン軍の時と同様に海兵隊を率いており、現在は新たに海兵隊に加わった者達の訓練で忙しいらしい。
だが、女で将校、それも佐官以上の立場にいるのは、今のところはシーマだけだ。……将来的には増えるだろうけど。
軍隊ではなく政治家の方では、ジェーンとかルルーのように女で高い位置にいる者もいるのだが。
ちなみに、ハモンにもそういう要望があったらしいが、本人がラルと一緒にいたいという事で、それを断ったとか何とか。
……まぁ、ハモンらしいと言えばらしい。
ともあれ、そういう事でアイナを任せるという意味では、やはりシーマが一番いいのだが、それはそれで問題もある。
この場合一番大きな問題は、やはりシーマの出身……いや、所属だろう。
海兵隊というのは、言ってみれば下品だったり野卑だったりする性格の持ち主が多く、それに対してアイナは名家の娘だ。
ギニアスやノリスの態度を見れば、恐らく蝶よ花よといった感じで育てられたのだと言われても、驚く事はない。
そんなアイナが、シーマの性格の悪影響を受けたりすれば……
いっそ、ノリスにパイロット訓練を任せるか?
ノリスの方は以前からMSの操縦はしていたらしく、実際に腕はかなりのもので、それこそガトーとかと並ぶくらいに凄腕らしい。
正直なところ、それだけ腕の立つノリスをアプサラス計画に入れるのはどうかと、そう思わないでもないのだが……ただ、アプサラス計画はハワイで行われる予定であり、アプサラス計画の事を知れば、ジオン軍も連邦軍もちょっかいを掛けてくる可能性は高い。
そういう時は、やはりノリスのような腕利きがいると安心出来るのは間違いなかった。
もっとも、ハワイにはゲラートやその部下の闇夜のフェンリル隊といった面々がいるので、腕利きが揃ってるのは間違いないのだが。
それでも地球上にある唯一のルナ・ジオンの拠点である以上、守備隊は多ければ多い程いい。
……まぁ、メギロートとかも配備してるし、試験的にグーンやゾノ、キャンサー、パイシーズといった機体を配備予定なんだが。
ちなみに現在はそれらの機体が何機か配備されており、評価試験……いや、機種転換訓練をしている状況だったりする。
とはいえ、機種が増えすぎても現場が戸惑うような気がするんだが。
もっとも、キャンサーやパイシーズは水陸両用MSではなく、完全に水中用MSだ。
勿論魚雷とかを使えば陸上にも攻撃出来ない訳ではないのだが……とにかく、運用範囲が狭いというのがこの場合は大きい。
ハワイを防衛するという意味だったり、制海権を得る為という意味でなら、それでも全く問題はないのだが。
まぁ、水中用MSについては、後でまた考えるとして。
……うん、やっぱりシーマだろうな。
最終的にそう判断すると、俺は通信機のスイッチを押す。
そして数秒、やがて映像モニタにシーマの顔が表示された。
『何の用だい、アクセル?』
「ちょっとシーマに頼みがあってな。……実はハワイで行われるアプサラス計画ってのを知ってるか?」
『まぁ、噂に聞いてみたくらいだけどね。何でも、シャドウミラーとしてもかなりのてこ入れをしてるって聞いたよ?』
アプサラス計画については、どうやら大まかなところは知っていたらしい。
もっとも、シーマが言った通り今回の一件はシャドウミラーとしても資源的な意味だったり、研究環境的な意味では全面的にバックアップしている。
そうである以上、ルナ・ジオンにも当然話が通ってる訳で……その辺をルナ・ジオンの幹部たるシーマが知っていても、おかしくはない。
「そうか。なら、ついでに1人、MSパイロットとして育ててくれないか?」
『はぁ? 本気かい? こっちはこっちで色々と忙しいんだよ?』
「分かってる。ただ、それでも出来れば頼む。アプサラス計画で、テストパイロットをやる女のパイロットなんだ」
『ああ、なるほどね』
女のパイロットという時点で、何故俺がシーマにその話を持って行ったのかを理解したのだろう。
納得したといった風に頷くシーマは、少し考えてから口を開く。
『けど、いいのかい? あたしが鍛えるとなると、それこそ海兵隊の流儀になるよ? それこそ、ちょっとやそっとの根性じゃあ、途中で脱落するだろうけど』
「ああ、それは問題ないと思う。根性という点では、間違いなく一流の筈だ」
実際にはアイナの性格をそこまで理解している訳ではないが、アイナのおっとりしていそうに見えて、実は気が強いというところを見る限り、その辺の判断は決して間違っていないと思う。
……まぁ、やりすぎればノリス辺りから苦情が来る可能性もあるけど。
『ほう、アクセルがそこまで言うとなると、ちょっと気になるね。……いいだろう。その依頼は引き受けさせて貰うよ』
にやりとした笑みを浮かべて、シーマがそう言ってくる。
ちょっと早まったか?
そう思わないでもなかったが、実際にシーマが最善の選択だというのは間違いないのだ。
「そうか。なら、アイナの方に話を通しておくから、後でそっちに行くと思う」
『……呆れたね。まずそっちが最初だと思うけど?』
言葉通り呆れた様子で言ってくるシーマだったが、アイナの性格を考えれば、この申し出を断るという事はないだろうというのが、俺の予想だった。
アイナがアプサラスのテストパイロットをやるにしても、結局のところこれから操縦訓練をしなければならないのは間違いない。
いやまぁ、今の時点でも訓練をしているのかもしれないが、それはまだ基礎中の基礎といったところだろう。
そうである以上、シーマ・ガラハウという、ルナ・ジオンを建国する時に大きな力を発揮し……そしてジオン軍の汚い策略によってコロニー落としを行うコロニーに対してG2ガスをそれと知らず使わされた……というのは、UC世界においてかなり話題になっている。
聞いた話によると、連邦ではその件を使って映画だかドラマだかを作ろうという話もあるのだとか。
もっとも、それは別にシーマに対して感動したとか同情したとかそういう一面だけではなく、ジオン軍はこんなに残虐非道な集団ですよといった事を知らせる為の、一種のプロパガンダ的な意味合いも持っているのだろうが。
ともあれ、連邦では……そしてルナ・ジオンに興味を示しているジオン公国の一部でも、シーマは悲劇のヒロインとして扱われているらしい。
当然のように、本人は全くそれを望んでいる様子はないのだが。
あ、もしかしたらアイナもその辺の事情を知っていて、シーマに訓練して貰うというのを喜んで貰える可能性があるか?
「まぁ、その辺はこっちで手を打つから、心配しないでくれ」
『あいよ。まぁ、アクセルのやる事だ。その辺りは別に心配をしてはいないさ』
シーマの言葉は、俺を信頼しているからなのか、それとも俺がやる事だからと呆れているのか。
その辺りの事情は俺にもよく分からなかったが、何となく7:3か6:4くらいの対比な気がする。
ともあれ、シーマとの通信をそれで終わらせると、次に俺はレモンの研究室――魔法球ではなく、治療ポッドのある方――に向かう。
影の転移魔法を使っているので、移動時間というのは殆ど考えなくてもいいというのは、非常に便利だと思う。
ともあれ、そんな訳で俺は治療ポッドのある部屋の廊下に姿を現し……
「ぬおっ!」
そんな声に振り向いてみると、そこにいたのはノリスだった。
警戒し、それこそ腰のホルダーから拳銃を抜こうとしている様子のまま、固まっている。
あー……そう言えば、ノリスに影のゲートを見せた事はなかったか。
ちなみに、本来ならホワイトスターはシャドウミラーの本拠地で、シャドウミラーはルナ・ジオンの上位組織と言ってもいい。
そうである以上、普通なら武器を持ち歩く事は基本的に許可されないのだが……ぶっちゃけ、シャドウミラーのメンバーの多くが拳銃程度は全く問題にしないくらいの実力を持っているんだよな。
それどころか、ネギま世界の住人でホワイトスターにやってくる面々の何人かも拳銃程度ではどうしようもない者も多い。
とはいえ、それは逆に言えばネギま世界以外の人間は拳銃であっさりと死ぬ事もあるというのを意味している以上、本当の意味で拳銃が安全という訳でもないのだが。
もっとも、ノリスが妙な事を考えたりすれば、それこそ即座にコバッタや量産型Wが鎮圧するだろうけど。
「ああ、悪いな驚かせて」
「……いえ、失礼しました」
俺が声を掛けると、それでようやくノリスは俺がアクセルだと判断したのだろう。拳銃から手を放し、頭を下げてくる。
本来なら軍隊式の敬礼とかをするのが相応しいのだろうが、一応シャドウミラーとルナ・ジオンは別の組織である以上、このような態度になったのだろう。
ともあれ、ノリスがここにいるのは丁度良い。
「アイナは今は中か?」
「は。ギニアス様と面会をしております」
面会と言っても、ギニアスは未だに治療ポッドの中だ。
そうである以上、ギニアスの意識はなく、治療ポッドの中で眠っているギニアスと会っている、というのが正しい。
「アイナの件だが……」
そう言った瞬間、ノリスの視線が微かに厳しくなる。
……何か妙な誤解をしてないか?
いやまぁ、レモンを含めて10人以上恋人がいる今の俺の状況を思えば、ノリスにそっち方面で警戒されてもおかしくはないんだが。
実際に、アイナは若く美人と言ってもいい容姿をしているのだから、ノリスとしては余計にそう思うのだろう。
誤解だと俺が言っても、今の状況が状況である以上、説得力はないしな。
かと言って、別に俺はアイナにそういう思いを抱いていないと言っても、そうなれば今度はアイナのどこに不満があるのかと、そう言われそうな気がする。
ともあれ……俺は、アイナの訓練についてノリスに説明するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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