オズのエリカ
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第四幕その三
「人が駒の国なんだね」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「いえ、駒ってチェスだけじゃないけれど」
エリカはこのことを言うのでした。
「そのことは知ってたけれどこの国もそうなのね」
「そうね、やっぱりあれよね」
今度はアンが言ってきました。
「昔オズの国で盤で遊ぶゲームはチェスだけだったけれど」
「チェスだけじゃなくなったから」
「日本や中国の将棋も入ったから」
「だからこの国もなのね」
「将棋もあるのよ」
そちらの模様もそうした人達もというのです。
「そうなってるのよ」
「成程ね」
「やっぱりこれはね」
ここでまた言ったジョージでした、皆は駒の国の中を見て回りながらそのうえでお話をしています。門番の兵隊さん達が案内を申し出たのですがエリカは自分達で見回りたいと思ってそれを断ってそうなっているのです。
「アメリカがチェスだけじゃなくなったから」
「それでなの」
「うん、盤の上で駒を使って遊ぶゲームもね」
それもというのです。
「増えたからね」
「将棋もする様になったの」
「そちらを指す人も出来たから」
「日本の将棋を指す人もいるのね」
その日本人の恵梨香が言ってきました。
「それでなのね」
「中国の将棋もあるんだね」
中国人の神宝の言葉はしみじみとしています。
「そちらを指す人もいて」
「日系人や中国系の人からの影響だね」
カルロスはこう考えました。
「その人達がアメリカに入ったから」
「それでオズの国はアメリカが反映されるから」
最後に言ったのはナターシャでした。
「この国もチェスだけじゃなくなったのね」
「そうみたいね、私が自分の国の外にはじめて出た時のオズの国は」
その時のことを思い出して言ったアンでした。
「当時のアメリカが反映されていたのね」
「それで全然違ったわね」
「ええ、そうだったわ」
その時のオズの国はというのです。
「日本や中国の将棋の駒はなかったわ」
「そうよね」
「というか日本や中国の面影もね」
「なかったのね」
「全くと言っていい程なかったわ」
そうだったというのです。
「今じゃオズの国の人間の人も白人だけじゃないでしょ」
「アジア系の人もアフリカ系の人もいるわね」
「ラテン系の人もね」
そしてそれぞれの混血の人達もです。
「いるわね」
「そうね、けれど昔は」
「白人だけだったのよ」
「そうなのね」
「それが今じゃそうなったから」
人間の人達もというのです。
「随分変わったわ」
「実は昔のアメリカもアジア系やアフリカ系の人はいたんですが」
それでもとです、アメリカ人のジョージが言ってきました。
「影響力がなかったですしその文化も」
「オズの国に出なかったのね」
「そう思います、表に出ることも」
アジア系やアフリカ系の人達が当時のアメリカで、です。
「なかったですから」
「だからなのね」
「はい、本当に」
それでというのです。
「昔のオズの国に出ることはなかったんです」
「そうなのね」
「それでオズの国の人間の人達も」
「白人の人だけだったんですね」
「そうなのね」
「僕アメリカでもこっちでも色々な人と友達です」
そうだというのです。
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