転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2187話
「は? 何でそれが俺に回ってくるんだ?」
リーブラの見学から数日、先遣隊――という表現はどうかと思うが――として、ツィマッド社の研究者の何人かがやってきて、ルナ・ジオンにいる各種技術者達と意見を交換しているらしいという報告をルルーが俺に持ってきたのだが……それと一緒に、正直何故俺にそんな話を持ってくる? といった内容まで持ってきた。
ちなみに、ルナ・ジオンにいる技術者やら科学者やらといったのは結構な人数になっており、意外なことに連邦からやってきた技術者や科学者も協力している。
それだと連邦軍にMSの技術が流れるじゃないかという思いがない訳でもなかったが、コバッタや量産型Wのおかげでその辺の心配はしなくてもいいらしい。
勿論それでも怪しいような奴は引っ張り込むような事はなかったが。
そんな感じで、ルナ・ジオンの技術にはジオン軍、連邦軍双方の技術が入り込む事になっており、特異な発展をする可能性が高まっていた。
もっとも、ジオン軍と連邦軍の技術の合流という意味では、ジオンの独立戦争が成功するにしろ失敗するにしろ、いずれ行われる事だから、ちょっとルナ・ジオン側の方が早い……という事になるのだろうが。
ともあれ、MSの技術という一点において、ジオン公国は連邦の先を進んでいる。
だが、逆に言えばそれ以外の技術に関しては連邦の方が先を進んでいる訳で、そういう意味ではルナ・ジオンでその2つの技術が融合するというのは色々とこの先有利になりそうだ。
……ともあれ、それは別にいい。
ヅダの改修についても上手くいきそうだという目処が経ったという意味では、ありがたいし。問題なのは……
「ルナ・ジオンに協力して欲しいなら、それこそルナ・ジオン側の問題だろ? 一応俺達シャドウミラーはルナ・ジオンを保護しているという形にはなってるが、それでも別にルナ・ジオンを支配してる訳じゃないぞ?」
「ええ、それは分かっています。ですが、向こうがシャドウミラーの代表者にお会いしたいと」
「……俺に? 何でまた?」
ルルーの言葉にそう疑問を抱くが、ルルーはそれに首を横に振る。
「残念ですが、そこまでは分かりません。ですが、かなり真剣な様子でしたので、恐らく何らかの重大な要件があるのは確実かと」
重大な案件、か。
今までにも、当然ながら俺に直接会いたいと望んできた相手はいる。
グラナダを1人で攻略したり、建国宣言の時に魔法を見せつけたりといった事をしたし、何よりシャドウミラーの代表という立場である以上、ルナ・ジオンと関わりなく俺と接触したいと思う者が出てきてもおかしくはないだろう。
だが、俺はそのほぼ全てを却下していたし、それが影響してか、その意見が俺の下に来るという事そのものも少なくなっていた。
にも関わらず、こうしてルルーがわざわざ俺に会いに来たという事は、それが大きな意味を持つという事なのだろう。
実際、ルルーもそういう事を仄めかしているし。
「分かった、会おう。で、場所は?」
「政庁の方でお待ちして貰っています」
その言葉に頷き、俺はルルーと共にその待っているという者がいる部屋に向かうのだった。
「アクセル代表、お目に掛かれて光栄です」
部屋の中に入った俺を待っていたのは、3人の男女。
その中の1人……3人の中でも真ん中に立っていて俺に話し掛けてきた。恐らく3人の中でも主導的な立場に立っているのだろう男が、笑みを浮かべて俺の方に近づいてくる。
線が細く、顔立ちは整っている。いわば、学者肌の男と思しき人物。
ちなみに残りの2人のうち、女の方は男と顔立ちに似たものがあるようだから、妹か……もしくは血縁者といったところか。
そして最後の1人は、いかにも武人といった……ガトーにどこか似ている雰囲気を持ってる男だ。
恐らくこの男は2人の護衛役といったところだろう。
ちなみにルルーは、仕事があるという事で部屋の前でさっさと自分の仕事に戻っていった。……ルルーらしいが。
「ああ、そう言って貰えて何よりだ。……それで、俺に会いたいという事だったが?」
「はい。私はギニアス・サハリン。こちらは妹のアイナ・サハリン。そして私の護衛のノリス・パッカードと言います」
ギニアスと名乗った男の言葉に、アイナとノリスと紹介された2人が頭を下げる。
アイナの方はその仕草が洗練されているのを見る限り、恐らく相応の家で育ったのだろう。
ノリスという人物も、その辺の家でそう簡単に雇えるような男ではないようだし。
そして何より……
「サハリン? 確か、ジオン公国にはサハリン家ってのはあったと思うが……そのサハリン家か?」
ジオン公国には、幾つもの名家と呼ばれる家がある。
それこそ、ラル家とかはそんな感じだし、カーウィン家もそうだ。
だが、当然ながら名家と言っても順風満帆という訳ではないのは、ラル家やカーウィン家の現在の状況を見れば明らかだろう。
そうである以上、当然の話だが没落する可能性もある。
……こうして俺に会いに来たという事はサハリン家もそちらに属するのか?
「はい。サハリン家はジオンの中でも有数の名家でした。ですが……それも、過去の話です。現在のサハリン家は……」
そう言い、首を横に振るギニアス。
没落しつつある現在のサハリン家をどうにかしたいと思ってここまで来た……という事か?
けど、商売はしているものの、基本的にルナ・ジオンとジオン公国は敵対している状況だ。
そんな中で、クレイドルまでやって来て……ましてや、ルナ・ジオンではなくシャドウミラーを率いている俺に話を持ってくるというのは、一体どういう理由だ?
「まぁ、話は分かった。けど、それで何で俺に?」
「はい。実は、アクセル代表に会うのは、MIP社からの推薦でして」
「MIP社?」
そこまで呟き、ふと思い出す。
以前、MIP社がジオン公国の名家から協力を要請させられていたという話を、誰かから聞いた覚えがあった事に。
「以前MIP社がジオン公国の名家と何かやってるって話を聞いた事があったけど……それが、サハリン家なのか?」
「そうです」
「なるほど。……で? 何でまたわざわざクレイドルにまでやって来て俺に話を持ってきた? MIP社から紹介して貰ったって事は、当然何か理由があるんだろう?」
これで、実は面識を得たいだけだったと、そう言うのであれば、それこそこの場から叩き出してもおかしくはない。
だが、当然のようにギニアスは頷きを返す。
「はい。ルナ・ジオンとシャドウミラー。その双方に頼みたい事があり、やって来ました」
「……まぁ、だろうな。で? 頼みたい事ってのは何だ? それを聞くかどうかは分からないが、まずは言ってみろ。ああ。取りあえず立ったままってのもなんだし座ってくれ」
ギニアスが何を考えてこのような無謀とも言える真似をしたのかは分からない。
だが、そこまでして叶えたい何かがあるというのであれば、それに興味を持ってもおかしくはなく、実際にギニアスと話している俺もそれが気になったのは間違いない。
また、ギニアスだけではなく、アイナやノリスといった面々の瞳にも強い意志や決意の感情があるのを見れば、それこそ先程俺が思ったように、シャドウミラーの代表たる俺と面識を得たいから、というだけではないのは間違いない。
俺の言葉に従い、ソファに座った3人の中でギニアスが口を開く。
「はい。では、失礼して。サハリン家というのは、ジオン・ズム・ダイクンの時代から名家として存続してきました。ですが、それも今のジオン公国では……ザビ家の覚えが良い家だけが名家という扱いになっており、それ以外の家は没落していく一方なのです」
そう言い、首を横に振るギニアス。
その話の内容は、俺も分かる。
ラル家やカーウィン家を始めとして、ルルーの家のキャメロン家もそうだろう。
まぁ、それらの家はダイクン派である以上、当然なのかもしれないが。
「サハリン家はダイクン派だったのか?」
「いえ、ダイクン派でもザビ家派でもなく、中立といったところです。……それが、ザビ家にとっても面白くなかったのかもしれません」
「だろうな」
ダイクン派は当然の事、明確に自分達に味方をしなかった連中にも、ザビ家は当たりを強くしていったという話を聞いている。
それは、純粋に他の家が邪魔だったというのもあるのだろうが、同時に名家という存在の影響力を少しでも削ごうという思いもあった……というのが、ラルの予想だ。
「その件もあり、今の私はザビ家が支配するジオン公国に対しての忠誠心はありません。勿論、他に選択肢がなければ話は別だったでしょうが……今は、ルナ・ジオンという、ジオン・ズム・ダイクンの血を引く人物が治めている国があります」
正確には、まだ国として連邦に認められている訳ではないのだが。
とはいえ、半ば暗黙の了解というのは得ているのだから、国と言っても間違いではないか。
「なるほど。ようは移住を希望すると。……まぁ、基本的にルナ・ジオンではよっぽど問題がない限り移住希望者を却下するような真似はしないから、その辺は大丈夫じゃないか? それこそ、背後に誰かがいるとかなれば、話は別だが」
「それは問題ありません」
きっぱりとそう言うギニアスだったが……没落してる名家なら、あまりその心配はないか。
それにもし何かを企んでいたとしても、クレイドルでは量産型Wとコバッタの目が光っている以上、そういうのはちょっと難しいだろうし。
「なるほど。その件は分かった。けど、それだけなら、別に俺に話を持ってくる必要はないだろ? ジオン公国の名家がルナ・ジオンに来るとなれば、それなりに大きな話題だし、ルナ・ジオンの方でも色々と宣伝とかに使う筈だ。俺にわざわざ話を持ってくる必要はないと思うが?」
ギニアスは、線が細い……いわば、繊細な美形と表現してもいい容姿をしているし、アイナの方はいかにも育ちの良さそうな貴族令嬢といった様子を見せている。
それこそ、ルナ・ジオンの移住を勧める為のパンフレットやら何やらに出ていてもおかしくはないと思うくらいには。
「いえ、その……それはともかくとして、ですね」
俺の言葉に微妙に話を逸らすギニアス。
何気にそういうのには、あまり慣れていないのか?
まぁ、落ち目だとそういう機会もないのかもな。
「ともかくとして? それで、何だ?」
「アクセル代表は、MA……という言葉を知ってますか?」
「ああ。MIP社で作ってる、MSとはまた別の種類の兵器だろう?」
「はい。実は現在サハリン家に連なる技術者や、それ以外にもMIP社に協力を要請して、MAを……アプサラスというMAを開発する、アプサラス計画というのを動かしています」
「へぇ」
MIP社に協力を要請したというのが判明した時点で、何らかの計画を遂行中だというのは分かっていた。
だが、その計画名を直接言ってくるというのは、俺にとっても予想外だった。
「アプサラス、ね。具体的にはどのような機体なんだ? ああ、もし機密だったら……」
「いえ、その件に関してが、アクセル代表に面会を希望した理由ですので。……アクセル代表も知っての通り、連邦軍の本部たる南米のジャブローは厚い岩盤によって鉄壁の防御力を誇っています。アプサラス計画で開発しようとしてるMAは、戦艦級……いえ、それよりも強力な威力を発揮するメガ粒子砲を装備した飛行型MAにて、ジャブローを直接叩く、という物を開発する予定のものです」
「……また、随分と無茶というか、難しそうな物を」
「本来なら、アプサラスの完成によってサハリン家の復興を……と、そう思っていたのですが……」
この言葉は、最後まで聞かなくても理解出来た。
恐らく夢物語、もしくは技術的な問題で実行出来ないとジオン軍上層部に……もしくはジオン公国上層部に判断されたのあろう。
あるいは、資源的な問題もあるか。
そんなMAを作ろうとするのであれば、当然大量の資源を必要とする。
突撃機動軍の本拠地たるグラナダを俺に落とされ、その時に受けた被害……パイロットの命は助かったものの、軍艦や戦闘機、MSといった物の多くは破壊されてしまった。
パイロットの命は助かっても、そのパイロットが使う兵器が残っていなければ意味はない。
それらを再生産する為には、当然のように多くの資源を必要とする。
俺達に譲渡するドロス級、グワジン級の件もあるので、そちらも出来るだけ早く建造する必要がある。
幾らジオン軍がオデッサを占拠し、ルナ・ジオン経由でシャドウミラーから資源を安く購入しているとはいえ、ジオン公国に余裕というものは殆どない。
「却下された、と。そういう事か」
「はい。であれば、ジオン・ズム・ダイクンのご息女であるアルテイシア様がいるルナ・ジオンならばと、そう思ったのです」
「……なるほど」
俺はギニアスの言葉に頷きを返すのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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