おぢばにおかえり
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第四十六話 受験が終わってその十五
「神戸は関西だから阪神よ」
「そうですよね」
「ホークスは福岡なのに」
「それでも僕的には神戸なんです」
笑って言ってきました。
「そこに行きたいですね」
「そうなのね」
「はい、是非」
「ううん、阪神も嫌いじゃないのよね」
「それとは別にです」
「ホークスが好きなのね」
「そういうことです、ただ本当に来年のことは」
今年はいいとしてもというのです。
「誰にもわからないですよね」
「そうね、野球だけじゃなくてね」
そう言ってしまうとです、私もこう答えるしかありませんでした。
「何でもそうね」
「世の中のことは」
「はい、ですからホークスもです」
このチームのこともというのです。
「そう言うしかないです」
「そうなるのね」
「はい、あとです」
「あと?」
「僕も来年ここでこうしてますかね」
阿波野君自身のことも言ってきました。
「先輩が卒業されて」
「頑張ってね、私が卒業しても」
「毎日詰所に挨拶に来ますから」
「それはいいから」
すぐにです、私は阿波野君に言い返しました。
「別に」
「あれっ、いいんですか?」
「何で来るのよ」
阿波野君に怒ったお顔でまた言い返しました。
「詰所に」
「結構毎日お邪魔してますし」
「今もなの」
「はい、それに先輩とお話したいですし」
「おみちのことで?」
「他にも色々と」
「色々って何よ」
「ですから色々とですよ」
返事になっていない返事ですがどうも阿波野君の場合は多いです、こうしたよくわからない返事が。そうしたことも思いました。
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