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オズのエリカ

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第三幕その五

 ふとです、エリカが言いました。
「全部それぞれの属性の壁で造られないのかしら」
「家やお店もだね」
「ええ、それは無理なの?」
「公共物はそれでいいけれど」
「それでもなの」
「お家やお店はね」
「出来ないの」
「出来るけれどそれぞれの属性が力を合わせることはね」
 このことはといいますと。
「結構な力を使うからね、皆」
「だからなの」
「プライベートな、それぞれの元素だけでいい場所はね」
「一つの元素で造っているの」
「そうなんだ、公の場所は皆が力を出し合ってね」
 そうしてというのです。
「壁や道や王宮にしているんだ」
「それで凄く頑丈で壊れないのね」
「そうなんだ、だからね」
「普通のお家やお店はなのね」
「それぞれの元素だけなんだ」
「そうなっているのね」
「うん、若しもだよ」
 それこそとお話する兵隊さんでした。
「この国の全てを建物とかをあらゆる元素を使った壁で造ると」
「皆大変なのね」
「結構な力を使うからね」
 だからだというのです。
「あえてね」
「それはしないのね」
「そうなんだ」
「そうなのね」
「そういうことなんだよ」
「税金みたいだね」
 ジョージはここまで聞いてこう思いました。
「それぞれの元素を使った壁とかは」
「税金っていうと」
「僕達の世界にあるもので国家に僕達がお金というものを支払って」
「お金?」
「まあ力ですね」
 オズの国ではお金がないのでジョージはこう説明しました。
「力を出してその力で国を動かしてもらうんです」
「そういうものだね」
「皆が力を出し合って国を守る城壁を造っていますから」
 それでというのです。
「そう思いました」
「成程ね」
「いや、本当にです」
 実際にとです、さらにお話するジョージでした。
「この国ではそうしたものを出しているんですね」
「まあ君の考えではそうなるかな」
 オズの国の住人である兵隊さんにはわからないことでした、このことは。
「とにかくね」
「力を出し合ってですね」
「皆で城壁や王宮を造っているよ」
「公のものをですね」
「この国ではそうしているんだ」
「そのこともわかりました」
「そういうことでね」
 兵隊さんはジョージにお話しました。
「わかったくれたかな」
「はい、よく」
「ならいいよ。では今からね」
「王宮の中に入って」
「今の王様とね」
 それにというのです。
「各元素の精霊の首長さん達にもね」
「お会いするですね」
「うん、今からね」
「わかったわ」
 一行を代表してエリカが答えました。
「じゃあこれからね」
「うん、王様と首長の方々のところに案内させてもらうわ」
「それじゃあね」
 是非にと頷いたエリカでした、ただ。
 ここでエリカは毛づくろいに入りました、兵隊さんはそのエリカを見て言いました。 
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