魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第百四十五話
AM07:30
「あ、もしもしフィグネリア?」
『若?………その格好どうしたんだい!?』
一夏は裸で束に抱きつかれたまま、フィグネリアにヴィジホンで通信を入れた。
フィグネリアには胸から上しか写っていないが、その肩から伸びる筈の腕が無いのが見えていた。
「ちょーっと実験でしくってね。こんなナリだからさ、義肢ができるまで円香預かっといてくれ。じゃな」
『ちょっ! 若っ!待っ!』
一夏がプツッと通信を切る。
「随分乱暴な連絡だね」
「アレ以上何を言えと? あと起きたら全裸になってた事の説明は?」
「ちょうどいい抱き枕があったから」
「あっそ…」
束が抱擁を解くと、一夏は体を起こそうと腹筋に力を入れた。
が、起き上がる事は無かった。
「……………」
仕方なく一夏は飛行術式で浮き上がり、プラスチック製の義肢を硬化魔法でくっつけワンピースを纏った。
「朝ごはんにしよっか」
一夏は歩く事無く、まるで幽霊がそうするかのように部屋から出ていった。
「あー…大丈夫かなアレ…」
束が階下に降り、ダイニングへ向かうと一夏キッチンに立ち何の不自由も無さそうに食事を作っていた。
「おぉ…なんという破壊力」
「ん?どうしたの束さん?」
と一夏が振り返った。
一夏が体を動かす度、カシャと音が鳴る。
各所のわざとらしい球体関節が、一夏の人間離れした可愛らしさを加速させていた。
ふよふよと浮遊しカシャカシャと作り物の手足を動かす一夏は謎の色気を匂わせていた。
義肢を邪魔しないように、と選んだワンピースもその印象を出すのに一役買っているだろう。
ソレをダイニングから眺めていた束は、自分が危ない扉を開けそうだと少し寒気がした。
「いっ君。不自由ない?」
「セルフマリオネットと同じ要領で動かしてるから問題ないよ。
感覚が無いのはちょっとアレだけどね」
『ますたー。何なら感覚の演算してますたーの脳の出力しようか?」
「いや、いいよ。珍しいなお前が実体化するなんて」
「ますたーがそんなだしね」
「そっか」
「私は邪魔になりそうだし、束と待ってるよ」
「そか」
橙がトテトテと歩いてきて、束の横にちょんと座った。
「はーあ。さっきますたーに代わるかって聞いたら断られちゃった。
リハビリだー、って言ってさ」
「ふふ。いっ君らしいね」
「む。笑い事じゃないよ束」
「ごめんごめん」
一夏が朝食を運んできた。
オニオンスープとサンドイッチだ。
いただきます、と唱和してから食べ始めた。
「はぐはぐ…はみゅ…」
「いっ君」
「うみゅ?」
「食べさせてあげよっか?」
「ん? 大丈夫だよ」
一夏がサンドイッチを持った右手の手首を360度回した。
「特に支障ないし」
「そう? じゃぁさ、後で義手つくる参考にしたいからちょっと録画するよ」
「何を?」
「いっ君の食事風景」
「まぁ、いいけど」
束は内心ガッツポーズをしていた。
(っしゃぁ…! いっ君ver球体関節人形のムービーゲットぉ!)
(束ぜったい何かかんがえてる…)
食事を終えるとホクホク顔の束が一夏を捕まえて対面でソファーに座った。
義肢はイノセントの中に収納された。
「束さーん。洗い物あるんだけどー」
「ちぇーちゃんおねがいねー」
「うん。わかったよ束」
橙は手早く皿を洗うと、リビングに向かった。
「ますたー、ちょっと失礼するよ」
橙が一夏に後ろから抱き付き、強制憑依した。
頭から猫耳が、ワンピースの裾から尻尾が伸びる。
『あー。ダメかー。私の体を憑依させたら手足がはえるんじゃないかって期待したんだけどなー』
「みゃう?」
「ありがとねちぇーちゃん」
『んーん。力及ばず、だよ』
束は欠損猫耳男の娘を抱き締めた。
「にゃに?」
「ん……❤」
束が甘えるように一夏に頬を擦り付ける。
「みゃー…❤」
一夏もくしくしと擦り付ける。
子猫が甘えるように。
一夏が束の胸に顔を埋める。
「にゃー❤」
すりすりと顔を擦り付けると、くぅくぅと寝息を立てはじめた。
「ふふ…たーんと甘えていいよ。いっ君」
束は左手を一夏の背中に回し、右手でホロウィンドウを開いた。
片手でホロキーボードを叩く。
ホロウィンドウに表示されているのは義肢の設計図だ。
「フィードバック……はソフト重視でいいか…。稼働は…モーターとアクチュエーターの併用…表面は人工皮膜56型……」
途中、束は唐突に手を止めた。
「そういえば…アマノガワが…」
束はカプセルを取り出して飲み込んだ。
「うんこれでいっ君が起きる頃には…むふふ…❤」
(何考えてるんだろこのエロウサギ。
アマノガワってたしか速効性乳腺刺激ナノマシンじゃぁ…………………。
ぁ…なるほど…。そういうプレイか)
後書き
R18へ続く!
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