転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2174話
元ジオン軍所属のエースパイロット……異名持ちやら、パーソナルカラーを持っているのやら、評価されていなくても十分に一流と呼ばれるだけの能力を持つパイロット達との模擬戦を終え、数日。
その日、俺はクレイドルの中にある喫茶店にいた。
移住が始まってから、まだ時間はそれ程経っていない。
にも関わらず、こうして喫茶店が営業しているのは……
「やっぱり、あの合成食をこれ以上食べたくないと思ったのかしらね?」
俺の向かいに座っているシェリルが、小さく笑みを浮かべつつ呟く。
……普段シェリルが街中に出る時は、当然だが変装をしている。
何故なら、多くの世界で歌手としてデビューしている以上、どうしてもジャケットの写真といったものに出る必要があり、結果としてシェリルの顔を知っている者がある程度出来てしまうからだ。
そんなシェリルがもし街中にいれば、騒ぎとなるのは当然だろう。
だが、このUC世界においては、まだシェリルは歌手としてデビューはしていない。
そうなれば、当然のようにこの世界ではまだ名前が知られておらず、ファンに群がられることもない。
とはいえ、シェリルは間違いなく美人……それもちょっとした美人ではなく、普通に暮らしていればまず見ることが出来ない程の美人だ。
ストロベリーブロンドの髪をたなびかせているシェリルの姿は、それこそ多くの者が目を奪われることになるだろう。
ましてや、元々シェリルは男好きのする身体をしていたが、数え切れないくらい俺に抱かれることにより、以前よりも女っぽく、艶っぽくなっている。
事実、シェリルが以前クレイドルで出歩いた時には、何人かの素性の良くない人物に言い寄られたこともあったらしい。
当然のようにシェリルはそれを断り……だが、そこで断ることだけではなく、余計な事を口にしてしまうのがシェリルらしいところでもある。
結果として男達と喧嘩になり……勝ったのはシェリルだった。
シャドウミラー以外の者がそれを聞けば驚いたかもしれないが、それは不思議な話ではない。
元々歌手として人気が高く、本人の女としての魅力もあって、シェリルがその手の輩に好まれるのはおかしな話ではないのだから。
その為、シェリルは当然のようにエヴァから護身術を習っている。
実働班の幹部達程に強くはないが、それでもシェリルは一流と呼んでもいいだけの生身での戦闘力を持っているのだ。
そんなシェリルに絡んできた男達が辿ったのは、病院行き……ではなく、軽い怪我。
これはシェリルがクレイドルで派手な行動を起こせば、色々と面倒なことになると、そう理解していたからだろう。
その男達も、量産型Wに捕まってどこかに連れて行かれてしまったのだが。
いや、どこと言っても連れて行かれる先は決まっている。
恐らく今頃は、大自然の恵みを楽しみながら農業をしていることだろう。
「そうだな。あの合成食は、普通なら絶対に食べたくないと思っても不思議はないし」
あの合成食を食べたくないが為に、こうして自分の持っているスキルを活かし、喫茶店を経営する。
それは、俺にとっても十分に納得出来ることだった。
ちなみにこの喫茶店をやっている店主が以前喫茶店をやっていたという情報は、目の前にいるシェリルから聞いたものだ。
変装をしなくてもいいという気楽さからか、シェリルは結構な頻度でクレイドルの中を歩き回っており、それで得られた情報だろう。
「これからもこういう店は増えるでしょうから、クレイドルの中も色々と楽しくなりそうね」
「まあ、それは否定しない。けど、人が増えると面倒も増えるんだよな。それこそ、この前シェリルが叩きのめした相手のように」
「……知ってたの?」
あちゃあ、といった様子の表情を見せるシェリル。
シェリルにしてみれば、あの一件が俺に知られているとは全く思っていなかったのだろう。
「あのな、言っておくけどシェリルはシャドウミラーの幹部なんだからな? それも、かなり重要な」
シェリルの現在のシャドウミラーでの役割は、俺の恋人……というだけではなく、シャドウミラーの広告塔といった役割もある。
シェリルの知名度を考えれば、その役割は非常に大きい。
それこそ、シェリルを知っている者にしてみれば、それだけでシャドウミラーに好意的になったりする者も多い。
そうである以上、シェリルの安全を重視するのは当然だった。
「……ありがと」
シェリルの口から、小さな声が漏れる。
何だ? と思ってシェリルに視線を向けると、そこにあったのは薄らと赤く染まった頬。
今のどこに照れる要素があった?
そんな風に思うが、もしここでそれを口にしても、それこそ女心が分かっていないとシェリルの機嫌を損ねるだけだというのは、俺でも十分に理解出来た。
それこそ今まで数え切れないくらいにシェリルの事は抱いてきたが、かといってそれで女心が……シェリルの気持ちが完全に理解出来る訳ではない。
……女心という点では、それこそ人によって違うので、一概には言えないのだろうが。
「さて、それで……これからどうする?」
自分の頬が赤くなっているのを自覚しているのかどうかは分からないが、シェリルはそれを誤魔化すようにそう言ってくる。
ここでもう少しシェリルをからかってもいいのだが、そのような真似をした場合は間違いなく機嫌を損ねてしまうだろう。
そうならないようにする為には、やはりここはスルーした方がいい。
「そうだな、最近はこの店以外にも結構店が出てきたし、そっちに行ってみるか?」
「そうね。……まさか、移住が始まってからこんな短時間でここまで活発に商業活動が行われるようになるとは、思わなかったけど」
シェリルの言葉に、俺も頷きを返す。
とはいえ、その理由は明らかだったが。
「それだけ、きちんとした現金収入を欲しい者が多かったんだろうな」
「合成食……予想以上の効果が出たんじゃない?」
俺の言葉に、シェリルが悪戯っぽい笑みを浮かべて、そう告げてくる。
実際、マブラヴ世界の合成食がここまで効果を発揮するというのは、俺にとっても……そして、恐らくはルナ・ジオンの女王たるセイラにとっても、予想外の事だっただろう。
それにマハル出身の人間も多い以上、取りあえず餓死しなければそれでいいと、そう思っている者が多くてもおかしな話ではない。
それでも結果としてはこの様子なのだから、何気にマハルの住人も美味い食事は楽しみたいのだろう。
そんな風に話しつつ、俺とシェリルは店を出る。
ちなみに店で支払った金額は、俺達がルナ・ジオンに協力している見返りとして支払われている場所から出たものだ。
当然のように、本来であればこの程度の金額で足りるようなものではないのだが、それでも支払われているだけ好意は抱ける。
……もっとも、ルルーやジェーンといった者達にしてみれば、この程度で自分達に好意的になってくれれば……という、そんな狙いもあるのかもしれないが。
「ちょっ、ねぇ、アクセル! あれ見て、あれ!」
喫茶店を出てから数分後、シェリルの興奮したような……もしくは驚いたような声が周囲に響く。
一体何だ? そう思ってそっちに視線を向けた俺が見たのは……花屋。もしくはフラワーショップと呼ばれるような店だった。
いや、その店があるのは、特に驚くような事ではない。
ここはクレイドルの中でも政庁の近くにある通りなのだから、様々な店があるのは当然だろう。
だが……それでも驚きの声がシェリルの口から漏れたのは、今のこの状況……それこそ合成食云々という話をしているような時に、花屋が開かれていたからだろう。
それだけの余裕があるのかと。
というか、そもそもあの店で売ってる花はどこから入手したんだ?
俺が知ってる限りでは、花屋で売っている花というのは、農家が作っている花だ。
まぁ、俺は花に殆ど興味とかもないので、そういう常識があるという事しか知らないのだが。
もしかしたら他にも何か花を集める手段があるのかもしれないが……
そういう意味では、もしかしたらこの花屋はその何らかの別の手段を使って花を入手したんだろう。
一瞬、本当に一瞬だったが、もしかしたらクレイドルで農業をやっている者の中で花を育ててる者がいるのかもしれないと考えたが、クレイドルで農業をやっている者の多くは、少しでも美味い食事を食べたいというのが原動力だ。
そうである以上、多分違うと思うんだが……
ともあれ、花屋を見たシェリルは笑みを浮かべて寄っていこうと告げる。
「ね、アクセル。ちょっと寄ってみましょうよ。ね?」
「そうだな。今日のデートは別に何か目的があってのものでもないし、俺は構わない。……けど、どうやって花を手に入れてるんだろうな?」
「うーん……農業の方はまだ食べ物以外には力を入れてない筈だし……そうなると簡単に思いつくのは、街の外に行って採ってくるとか?」
そう告げるシェリルだったが、本人もその言葉には納得していない。
基本的にクレイドルに持ち込まれた動植物は、マクロス世界からのものだ。
移民船団を使う事に対して言えば、マクロス世界が本場なだけに、その経験は大きい。
実際、このクレイドルに様々な生き物を持ってくるにしても、マクロス世界から専門家を呼んでアドバイスして貰ったという話だし。
勿論シェリルがマクロス世界の人間だからといって、マクロス世界に存在する全ての花を知っている訳ではない。
そもそもの話、マクロス世界では幾つもの惑星に移民している者も多く、それこそ花の種類にしても無数に存在し、シェリルがそれを全て覚えていられる……という訳でもないだろうが。
「いらっしゃい。おや、随分と別嬪さんと色男のカップルだね。美男美女って奴かい? なら、そんな美形の2人には、花が似合うと思うんだけど……どうかな?
店の前で話している俺達に気がついたのか、花屋の店員らしき40代程の女が店の中から姿を現し、そう言ってくる。
笑みを浮かべている様子から、何となく上機嫌なのは分かる。
「そうね。良さそうな花があれば貰おうかしら。……けど、この花はどうやって手に入れたの? 今はまだこのクレイドルは圧倒的に人が足りない状況で、農業をやってる人にも花を育てるような余裕はないと思うんだけど……」
そう尋ねるシェリルに、花屋の店員は笑みを浮かべて口を開く。
「残念だけど、この花をどこから仕入れているのかは企業秘密だよ。ただまぁ……違法な事はしてないから、安心しておくれ」
どこから仕入れたのかを話す事は出来ないが、違法な事もしていない。
その言葉は色々と……本当に色々と怪しいのだが、ここでそれを聞いても本人が何かを喋るようなことは、恐らくないだろう。
ただ、こうして見ている限りでは、実際に後ろ暗いところもなさそうなので、一先ずは信じてもいい……と、思う。
もし何らかの後ろめたい事がある場合、ただの素人がここまで上手く誤魔化せるとは思えないし。
人を見る目という点では高い能力を持っているシェリルも、そんな店員の言葉に不審を覚えなかったようで、それ以上追求する事はなかった。
「そうね。じゃあ……そっちの赤い花を貰えるかしら」
「毎度あり」
そうして花を購入したシェリルは、店を出るとその花を手に、嬉しそうな笑みを俺に向けてくる。
「ふふっ、どう? やっぱりアクセルと一緒にいるのなら、赤い花は必要よね。赤と言えば、アクセルの色だし」
「……そう言って貰えて、俺も嬉しいよ」
とはいえ、このUC世界において赤というのは俺じゃなく、セイラの兄のシャアの象徴的な意味合いを持っているのだが。
もっとも、それはあくまでもこのUC世界だけでの話だ。
シャドウミラーを知っている……それこそニーズヘッグの力を知っている世界の者にしてみれば、赤というのは俺のイメージカラーとなるだろう。
「さ、じゃあ次の場所に行きましょ。そうね、小物とかは結構売ってるお店が多いらしいわよ?」
「小物?」
「ええ。特に技術を持ってる人が掘った木彫りの人形とか」
木彫りの人形と言われて俺が思い浮かべたのは、鮭を咥えた熊の姿だった。
……一応あれも、木彫りの人形と言ってもいいのか?
何故ここでそんなのを思い浮かべたのかと少し考え……すぐに納得する。
このクレイドルを比較する時、俺はよく北海道の大きさと比較をしている。
だからこそ、北海道のお土産として有名な……有名な? うん、まぁ、多分有名だよな。ともあれ、そんな有名な木彫りの熊を思い浮かべたのだろう。
「そうか。じゃあ、小物屋にちょっと寄ってみるか。……鮭を咥えた熊とかないといいけどな」
そう言った俺の言葉の意味が理解出来なかったのか、シェリルは不思議そうに首を傾げるだけだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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