| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

別人と思われて

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章

 それでだ、仲間達の言葉に賛成してそのうえでステージではミニスカートで胸元や腋が見える様な服装になり演奏を行った、その際普段はかけている眼鏡を外して髪型も普段より派手なものにしていた。
「とにかく派手よ」
「メイクだって力入れていきましょうね」
「とにかくビジュアルも重視だから」
「楓っち顔立ちもいいし」
「美形だから」
「特に眼鏡外したら映えるから」
 その整った顔立ちがというのだ。
「眼鏡も外してね」
「それでメイクも派手で」
「楓っちメイクもナシュラル系だけれどね」 
 そちらはあまり時間をかけない、簡単に手早くやっている。元々顔立ちが整っているのでそれでも問題がないのだ。
 だがステージではそうしたことも別だった、楓は眼鏡を外してメイクも濃く派手にしていた。そうしてバンド全体の人気は上がり楓個人の人気も出ていた。
 ネットでもグループのことが評判になり楓も注目されていた。とにかくネットでの注目が大きくユーチューブでもライブの映像があげられていて再生数もかなりのものになっていた。
 しかしある日楓がケースに入れたベースを背負ってジーンズに長袖、眼鏡をかけてナチュラルメイクで髪型は普通に下ろしてよく演奏しているステージハウスの傍を通りがかった。その入り口に楓達のバンドのメンバーそれぞれの写真も飾られていて最近人気急上昇中のバンドと紹介されていた。そこでふとだった。
 今は高校生のバンドが演奏中とあったので中に入ってどんな演奏か観てみた、男子高校生のジャズバンドだったが歌も演奏も高校生にしては中々だと思った。ただし高校生のせいか衣装はどう見ても彼等の普段着でそちらはどうかと思った。
 客も結構多くステージは盛況だった、そこでだった。
 バンドが休憩をしている時に楓の近くの席に座っている客達、高校生位の年齢の娘達が楓を見てこんなことを囁いているのが聞こえた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧