転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2169話
俺は、一瞬目の前で動いているMSが何なのか理解出来なかった。
いやまぁ、外見だけであればジンであり、シグーであり、ストライクダガーというSEED世界の中でも初期に開発されたMSなのは間違いない。
だが……そんな俺の常識は目の前で行われている光景を見れば、容易く崩れ去ってしまうだろう。
何故なら、それら3機種がザクとまともに組み合って四つ手の状態というのか? そんな状態になりながらも、決して負けていないのだから。
本来なら、ジン、シグー、ストライクダガーといった機体は、その動力炉の問題からどうしてもザクには勝てなかった。
月周辺で行われたジオン軍と連邦軍の戦いに介入したあの一件でも、ダラニの直線的な機動力と、多数で1機を相手にしていたのでこちらに被害はなかったのだ。
1機でザクと戦う事が出来たのは、青い巨星、黒い三連星、それ以外にもゲラートやガトーといったエース級だけ。
……黒い三連星は、S型を使っていたので、当然かもしれないが。
ともあれ、ジン、シグー、ストライクダガーとザクとでは、それだけの性能の差があった。
だが……それなら、俺の目の前にある今の光景は一体何だ?
「レモン、マリュー、これはどういう事か説明してくれるか?」
「あら、簡単な話よ。ようは、UC世界のMSとSEED世界のMSで性能差があったのは、純粋に動力炉の問題だけだったんだもの。なら、SEED世界のMSにUC世界のMS……ミノフスキー物理学で開発された核融合炉を使えばいいだけでしょ?」
UC世界の核融合炉を使えばいいだけ。
それは分かるし、その通りだとも思う。思うが……それをやるには色々と無茶なところがあるのは間違いない。
以前にちょっと似たような話を聞いた事はあったが、まさかそれをここまで早く実用化するとは……正直、意外だった。
そもそも動力炉だけの問題と言っても、SEED世界のMSはあくまでもバッテリーを使う事を前提にして設計されている。
例えば、俺も幾度となく悩まされてきた関節の疲労。
もしくは、主力を発揮する為の……そう、人間で例えれば神経や筋肉の構造。
出力の低いバッテリーに対応していたその筋肉や神経が、いきなりUC世界の核融合炉を使う事になったりした場合、当然のようにそこに掛かる負担は大きくなり、人間で言えば、それこそ筋繊維の切断なんて事が起きてもおかしくはない。
だが、こうして俺の視線の先で格闘戦をやっているのは、間違いなくザクとジンだ。
特に腕や足、関節といった場所が壊れたり、煙が出たりといった風にもなっていない。
「相変わらずだな、うちの技術班は」
「それは褒めて貰っていると思ってもいいのかしら?」
「それはな。……実は、ツィマッド社と交渉して、MSのコンペでザクに負けたヅダとかいう機体を引き取って、それをルナ・ジオンの機体として使おうかと思ってたんだが……この様子ならいらないか?」
「あら、貰えるなら欲しいわね。そのヅダという機体がどういう機体なのかは分からないけど、UC世界のMSの技術的な資料はあればあっただけいいもの」
「そうね。私もレモンに賛成よ。一応ジン、シグー、ストライクダガーに使われている核融合炉は問題なく動いてるけど、何かあった時の事を考えれば、やっぱり選択肢は多い方がいいわ」
技術班としては、ツィマッド社に積極的に接していく事に賛成、か。
そうなってくれれば、俺としても色々とありがたいのは間違いないけど。
「分かった。レモンとマリューの2人がそう言うなら、こっちでも動いてみる。ただ、また政治班に負担を掛ける事になりそうだが……魔法球もあるし、どうにかなるか」
そう言うものの、今度また魔法球を買った方がいいかもしれないな。
今は政治班の面々が休む時は、技術班の使っている魔法球で休んでいる。
あの魔法球にはかなりの手間暇が掛かっているし、技術班の面々がリラックス出来るようにと様々な設備が充実しているのは間違いない。
だが、休みを十分に満喫するには、それこそ技術班が作ったような人工のバカンスの場だけではなく、温泉とか海とか山とか川とか、自然の多い場所も必要となる。……まぁ、魔法球で温泉というのは、ちょっと難しいかもしれないが。
いや、寧ろ魔法だからこそ、そのくらいの事は出来たりするのか?
ともあれ、何気に現状で一番忙しい政治班を労う必要はある。
……実際に本当の意味で一番忙しいのはどこかと言われれば、それは間違いなく技術班だったりするのだが。
ただ、技術班の場合は完全に趣味と仕事が一致しているので、それこそ労いの類は必要ない。
その証拠が、現在俺の視線の先にあるUC世界のミノフスキー物理学を使った核融合炉を搭載したSEED世界のMSなのだから。
ヅダの件にしても、UC世界の技術を収集するという意味もあるが、それ以上に重要なのは、やはり自分達の知的好奇心を満たす事なのだ。
うん、そういう風に考えれば、技術班はもっと酷使しても構わないな。
……それでも嬉々として仕事をしている姿を想像出来るのは、きっと俺の気のせいではないだろう。
「じゃあ、アクセル。現在ルナ・ジオンで使ってるMSはどうする? UC世界の核融合炉に変える?」
「……よくこんな短時間でUC世界の核融合炉を作る事が出来たな」
「アクセルの持ち込んだFS型やS型、それにグラナダから入手したF型やR型なんかも回して貰ったしね」
あー、なるほど。シャドウミラーの技術力を考えれば、現物があればそれで十分か。
ミノフスキー物理学に関しても、別に秘匿されている学問とかじゃないし、UC世界でなら容易にレポートなり参考書なり、その他諸々の資料を入手出来る。
とはいえ、ミノフスキー物理学を使った核融合炉の設計図とかは、普通なら入手出来ない。出来ないが……まだサイド3に潜伏していてルナ・ジオン建国の準備を進めていた頃、技術本部に侵入してデータを根こそぎ奪ってきたんだよな。
技術本部というだけあって、そこに核融合炉の設計図とかがあっても、驚くような事はない。
「それに、ミノフスキー物理学が根底にあるからちょっと手間取ったけど、元々私達にとっては核融合炉は普通に使っていたしね。それを、私達が作れないと思う?」
「思わない」
一瞬の躊躇なく、断言する。
シャドウミラーにしてみれば、核融合炉というのは随分と古い技術なのは間違いない。
核融合炉が進化してプラズマ・ジェネレーターになり、そこから時流エンジンやブラックホールエンジンが使われるようになった。
……こうして改めて考えてみれば、核融合炉ってのは俺が思っていたよりも古い技術なのは間違いないんだよな。
勿論新しい技術だから良い、古い技術だから悪いという訳ではない。
枯れた技術と評される技術は、信頼性という点では間違いなく新しい技術よりも上なのだから。
もっともシャドウミラーの技術班が凄いのは、新しい技術であっても枯れた技術並みの信頼性を得られるようにしてしまう事なのだが。
「取り合えず、ジンやシグー、ストライクダガーがザクと同じくらいの出力を出せるのなら……待て」
そこまで言って、ふと気がつく。
ミノフスキー物理学を使った核融合炉を作ったのは、技術班だ。そうである以上、その性能がザクの核融合炉と同じくらいなんて事があるのか?
少なくても、俺が知っている技術班であれば間違いなく核融合炉の性能を上げてくる筈だった。
「……レモン、マリュー。正直に言ってくれ。あのジンとかに使われてる核融合炉、具体的にはどれくらいの性能だ?」
「そうね。ざっとザクが使っている核融合炉の1.5倍くらいかしら」
その言葉に安堵したのは、悪くない筈だ。
いや、1.5倍……5割増しの性能というだけで、普通なら驚くべき内容ではある。
あるのだが……レモン達技術班が開発した動力炉だという事を考えると、そのくらいで済んで良かった、というのが正直な感想だった。
それこそ、技術班ならザクの使っている核融合炉の10倍の性能を持つ新型の核融合炉を開発したと言われても、俺は驚かない。
それくらいシャドウミラーの技術班というのは天才の集まりであり、同時に天災の集まりでもある。
「そうか。……それなら、特に問題ないな」
多分、技術班について何も知らない者がその話を聞けば、問題は大ありだと叫んでいた事だろう。
だが、技術班について知っている俺にしてみれば、そのくらいは特に問題ないと判断出来る範囲内なのだ。
もしジオン公国や連邦の技術者がそれを知ったら、間違いなく『なんじゃこりゃっ!』とでも叫んでもおかしくはないのだが。
「そうでしょ。で、どうする? 取りあえず量産型Wとバッタ、コバッタをある程度纏めて寄越して貰えば、魔法球の中にある生産ラインはどれも動力炉をUC仕様に変えて、それ以外にも諸々の調整をする事が出来るけど」
「あー、そうだな。取りあえずジン、シグー、ストライクダガーの生産ラインを1つだけUC仕様に変えてくれ」
SEED世界から譲渡された生産ラインは、1機種につき複数存在している。
そんな状況である以上、生産ラインを1つ変えるくらいは問題ないだろう。……多分。
まぁ、問題があってもレモンがどうにかしてくれるとは思うけど。
「あら、1つでいいの? どうせなら、全部改修しておいた方がいいと思うけど」
「いや、1つで十分だ。どうせジン、シグー、ストライクダガーを使うのは、あくまでもこの独立戦争の時だけだしな」
「……なるほど。つまり、この戦いが終わった後はルナ・ジオンはシャドウミラーの機体ではなく、自分達で使う機体を用意するという事?」
「その方がいいだろ。ルナ・ジオンがシャドウミラーの保護国であるのは変わらないが、だからといっていつまでもおんぶに抱っこなんて事になれば、色々と不味い」
実際にはそこまで問題になるような事はないと思わないでもないが……それにどうせなら、ルナ・ジオンにはUC世界の技術で兵器を進化させていって欲しい。
技術を袖手する為にも。
「ふーん。……まぁ、アクセルがそう言うならいいけど」
「それに、出来ればオリジナルの機体はそのまま残しておきたいという思いがない訳でもないし。例えばマブラヴ世界のように、俺達と技術格差が大きい世界と接触して何らかの理由で兵器を輸出なりなんなりする必要になった時、どうせならバッテリーの方がいい」
そういう世界に行くかどうかというのは分からないが、俺の場合はいつどんなトラブルに巻き込まれるか分かったものではない。
特に大きいのは、やはりシステムXNを使った転移だろう。
今はこのUC世界の一件で忙しいので、その辺は特に気にしていないが……それでも、現在行われているジオンの独立戦争が成功、失敗のどちらであっても終わってしまえば、ルナ・ジオンの一件もそこまで長く騒動が続くとは思わない。
それに、既にシャドウミラーとの関係が出来ている今、もし俺がいなくなった状況でルナ・ジオンに何かあっても、間違いなくシャドウミラーの方で力を貸すだろうし。
そうなれば、何らかの問題が起きても対処は可能だろう。
もっとも、本当にそうなるかのかどうかは、今のところ不明なのだが。
そもそも、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、俺がシステムXNでどこか他の世界に行って戻ってきても、ホワイトスターでは数時間、もしくは数日程度しか経っていない可能性は十分にある。
「ともあれ、いざという時の事を考えるとバッテリーで動く機体は用意出来るようにしておいて欲しい。それに、ヅダの一件もある。……こっちは、本当に実現出来るかどうかは分からないが」
ツィマッド社にとって、ヅダというのは間違いなく喉に刺さった小骨といった存在なのは間違いない。
そうである以上、それを俺達が刺激した場合、過剰に反応してこっちを敵対視したり、関わり合いになりたくないと思ってもおかしくはなかった。
……出来れば、そうならないのが最善なのだが。
「結局ツィマッド社に関しては、政治班に任せるしかないんだよな。……レモン、マリュー、F-32みたいに向こうに渡しても構わない技術を使っているような機体って何かあったか?」
「え? 急にそう言われても困るわね。マリュー、何かある?」
「うーん……テスラ・ドライブとビーム兵器を使ってない機体でしょ? そうなると……ああ、F-32のような戦闘機じゃなくて戦車になるけど、フュルギアはどう?」
「……そう言えば、そういうのもあったな」
マリューの言葉に、シャドウミラーで運用していた戦車を思い出す。
ホバーで移動するという珍しい戦車で、対地対空双方に高い性能持つ。
武器もリニアカノンとミサイルポッドで、そこまで珍しい訳ではない。
もっとも、リニアカノンはヴァルキュリアシリーズが使っているのと変わらない威力を持つので、攻撃力はかなり強力なのだが。
「分かった、ならその線で政治班に頼んでみる」
そう言い、俺は技術班の倉庫にフュルギアを取りに向かうのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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