転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2168話
移住希望者の受け入れは、最初こそ色々と戸惑っていたが、当然のように何度も経験すればそれだけスムーズになっていく。
移住希望者の多くは、やはり最初に量産型Wやバッタ、コバッタといった存在に驚くが、それでも多くの者はそれに慣れていった。
……中にはどうしても量産型Wやバッタ、コバッタが好きになれないと言って、クレイドルまで来たのはいいものの、結局はそのまま自分の出身コロニーに帰ってしまった者もいるが。
他にも、最初に来た中にいた、怪しい動きをしていた連中。
予想通りに色々と怪しい行動をして、量産型Wやコバッタに見つかり、捕まってしまったらしい。
で、現在はそういう連中は農場に叩き込まれて土を耕したり、肥料を撒いたり、雑草を抜いたり……といった農業の仕事をしている。
この連中が耕した畑は、基本的に農家を希望する連中に譲渡される事になる……らしい。
微妙に酷いような気がしないでもないが、スパイやら破壊工作員やらを処刑したり軟禁したりしないで、普通に自由にさせている――農業をさせているのだが――時点で、かなり甘い判断だと思わないでもない。
……まぁ、その耕した畑も奪われる訳だが。
ともあれ、移住希望者の対応はかなり上手くいっていると言ってもいい。
そんな中で、唯一移住希望者が遅れているのが……俺が現在いる、ハワイだ。
HLVの打ち上げ施設を作る必要があるのだが、当然ながらそんなのは今日作り始めて明日完成なんて事は出来ない。
「ふん、ふん、ふんー」
そんな俺の視線の先で、機嫌良さそうにしているのは、ヴェルナー。
本来ならシーマの部下の海兵隊なのだが、今回は意地でも自分でこの仕事をやると言い張り、実際にMSの操縦技術も高いからという事で、こうしてハワイにいる。
「随分とご機嫌だな。あのMS……ズゴックってのは、そんなに高性能なのか?」
「ん? ああ、アクセルか。ああ、勿論。ズゴックはかなりご機嫌なMSだぜ。特に水中での動きがいい」
随分と機嫌が良いが……これは、それだけズゴックが高性能な機体だという事の証だろう。
いや、単純にヴェルナーが海を好きだというのもあるのだろうが。
ジオン公国との交渉で入手した、ズゴック。
地球侵攻作戦において、ジオン軍が幾つか用意した機体の中の1つだ。
水陸両用MSというカテゴリの機体で、ルナ・ジオンやシャドウミラーが接触を持っていた、MIP社が開発したMS。
驚くべきは、ビーム兵器を使用可能にしているところ。
ビーム兵器をMSが使用するには、まだ時間が掛かると思っていたのだが……実はこのズゴックよりも前のゴックというMSでもビーム兵器を持っていたらしい。
とはいえ、ゴックにしろズゴックにしろ、ビーム兵器は使えるが、それはあくまで機体に内蔵したものだ。
いわゆる、ビームライフルとかの手持ちではない。
当然のように、ジオン軍やジオニック社、ツィマッド社、MIP社はMSが使えるビーム兵器……ビームライフルの類を開発しようとしてはいるのだろうが、現在苦戦中といった感じらしい。
それ以外にも、このズゴックは水陸両用MSだから、陸上でも高い戦闘力を発揮する。
それこそ、ザクの地上型……ザクⅡJ型と同等くらいの性能を持っているとか何とか。
つまり、現在地球で運用されているMSの中で最高性能を持っている訳だ。
とはいえ、そのズゴックにも難点がある。
ザクはジオニック社で設計したMSなので、それこそF型、FS型、S型、J型とバリエーションは多いが、それでも操縦する方法は細かいところに違いはあれど、ほぼ同一と言ってもいい。
だが、ズゴックはMIP社が開発したMSである為に、その操縦系統はザクと大きく違う。……まぁ、兵器メーカーの違いというだけではなく、水陸両用型という点も大きく関わってきているのかもしれないが。
そんな訳で、人によってはザクからズゴックに乗り換える時にはしっかりと、じっくりと機種転換訓練を行う必要がある。
もっとも……
「ヴェルナーはズゴックに普通に適応しているな」
「そりゃあそうだろ。水中用のMSだ。俺が乗れない訳がない。爺さんも言ってたぜ。漁師は、船を乗りこなしてこそ一流ってな」
「……そうか」
やる気だけで船……MSを乗りこなせるのなら、それこそジオン軍のMSパイロットはもっと増えていたと思うけどな。
ヴェルナーは、何だかんだとシーマの部下の中ではかなりの腕利きだ。
だからこそ、ズゴックにもすぐに乗り換えられたのだろう。
まぁ、本人にズゴックの……水陸両用MSについての適性があったというのも、間違いではないのだろうが。
「それにしても、このハワイは最高だな! 何より、周囲が海に囲まれてるってのがいい。魚も獲り放題だし」
「いや、一応その辺りは本職の漁師がいるんだから、好き勝手にはするなよ?」
もっとも、ヴェルナーは本当に漁師の才能があったらしく、俺が聞いた限りではその本職の漁師よりも多くの魚を獲ったりした事もあったらしい。
本職って一体何だ? と俺が言いたくなっても不思議ではないだろう。
それを聞いた時は、てっきりヴェルナーはMSパイロットを止めて漁師にでもなるのではないかと思っていたのだが……幸いにも、今のところはヴェルナーにそのつもりはないらしい。
これはヴェルナーがルナ・ジオン軍に対して強い仲間意識を持っているからなのか、それとも漁師は趣味として楽しもうとしているからなのか。
その辺りは俺にも分からなかったが、ともあれ腕の立つMSパイロットが残ってくれるのは、俺としても賛成だ。
「ああ、分かってる。……ん? ああ、どうやらMSの整備が終わったみたいだな。じゃあ、俺は行ってくるけど、アクセルはどうするんだ?」
こっちに近寄ってくるメカニックを見て、ヴェルナーがそう尋ねてくる。
ズゴックの様子を見たいというのはあるが、それ以外にもHLVの打ち上げ施設の建造についても見ておきたいところなんだよな。
ちなみに、本来ならこういう仕事はハワイの住人に回した方がいいのだろうが……今回に限っては急ぎの仕事という事で、メギロートやバッタが文字通りの意味で24時間体制で働いている。
幸いにも打ち上げ施設を作っているのは無人島なので、騒音問題とかは起こっていないらしい。
何気にハワイ諸島は諸島とついているだけあって、狭い中に人が住んでいたりするから、どうしても騒音問題とか関わってくるんだよな。
だからこそ、HLVの打ち上げ施設は無人島に作る事にしたんだし。
「HLVの打ち上げ施設の方を見てくるよ。ズゴックの様子も気にはなるけどな」
「そうか。出来ればズゴックの性能を見て欲しかったんだが。言ってはなんだが、ズゴックはかなり凄いぞ。これがあれば、海での戦闘はこっちが圧倒的に有利だと思えるくらいにはな」
そう言い、ヴェルナーはメカニックの方に向かって走り出す。
走る速度が速いのは、それだけズゴックに乗るのを楽しみにしているという証だろう。 正直なところ、そこまでか? というのが俺の正直な気持ちなのだが……まぁ、今の様子を見る限りではヴェルナーにとってズゴックというのはそれだけの価値がある代物なのだろう。
「水中用MS、か。ハワイには幾つか配備しようと思ってたんだけどな」
SEED世界の水中用MSで有名なのはグーンやゾノだろう。W世界では、キャンサーとパイシーズか。
それと、SEED世界の水中用MSは、ザフトの最新鋭MSとしてアッシュもあった。
このアッシュはビーム兵器を装備しており、それこそズゴックと似通ったフォルムという事もあってか、非常に高い性能を持つ。
……そんなアッシュと同じような性能のMSを開発するとなると、MIP社はやっぱり侮れないよな。
MAの件もあるし。
MIP社の方とも、既に接触は始めている。
とはいえ、向こうは何だかんだとジオン公国に対して愛着があるので、ルナ・ジオンに会社諸共に裏切る……というつもりはないらしいが。
それでも技術者の中には未知のMSに興味を持つ者もおり、会社や部署での移住は無理でも、個人でMIP社を辞めて移住してくる奴は実はそれなりにいる。
MIP社は元々シャドウミラーやルナ・ジオンが真っ先に接触した兵器メーカーで、F-32の件もあってこっちの技術力を知っている。
だからこそ、会社を辞めてでも自分の中の好奇心に負けてルナ・ジオンに来る者がいるのだろう。
MIP社よりは少ないが、ジオニック社の方でも同じように個人としてルナ・ジオンにやって来ている者はいる。
こちらは、カーウィン家だったり何気にジオニックとそれなりに関係を持っていたゲラートからの接触が影響している。
MSの本場のジオン。その中でもザクを作った兵器メーカーという事で、ジオニック社の技術者はルナ・ジオンにとっても非常にありがたい。
で、残るのはツィマッド社なんだが……実は、ある程度はルナ・ジオンに来ているのだが、その人数は3社の中で最も低いんだよな。
まぁ、どうしても直接の伝手がないというのは痛い。
一応カーウィン家の力で間接的にルナ・ジオンに来るように勧誘はしたらしいのだが……ツィマッド社にとって、ジオニック社というのは不倶戴天の敵という認識を持っている者が多い。
俺が聞いた話によれば、MSのコンペでジオニック社が出したザクと、ツィマッド社が出したヅダの間で色々と問題があったとか。
何でも、純粋な機体性能という点ではヅダの方が明確に上だったらしい。
だが、コストという点ではザクに軍配が上がり、何より問題になったのはヅダが空中爆発――宇宙だから空中という表現は正しくないのだろうが――した事だ。
その辺りが決定的な理由となり、最終的にジオン軍ではザクが採用された。
だが、ツィマッド社にしてみれば、純粋な性能ではなく政治力で負けたと、そう思っている者も多いとか。
普通に考えれば、いつ爆発してもおかしくないMSというのは、俺のような例外でもなければちょっと乗る事は躊躇すると思うんだが。
俺が知っているその辺りの事情は、あくまでも人伝のものであって、自分で直接見たり聞いたりした訳ではない。
そうである以上、どちらの言葉も完全に信じるといった真似は出来ないが……ただ、ヅダはちょっと気になるMSなのは事実だ。
現在ルナ・ジオン軍では、黒い三連星を除いてザクは使用していない。
ザクはジオン公国の象徴というのがあるし、ヴェルナーが喜んで乗っているズゴックも、ルナ・ジオンに譲渡はされたが、あくまでも資料用としての数機だけで、ルナ・ジオンとして量産出来る訳ではない。
そうなると、やはりルナ・ジオンとして使える機体が必要になる。
……今はそれがジンやシグー、ストライクダガーだが、やはり動力炉の問題で得られる出力はザクに比べるとかなり低い。
そして何より、ジオン軍では採用出来なかったMSを改修して普通に使えるようにしたとなれば、それはかなりインパクトがある。
ルナ・ジオンの技術力を見せる為にも、それは結構いい手段だな。
ツィマッド社に接触してヅダの開発チームを引き抜けないか交渉してみるか。
もっとも、ヅダの設計をルナ・ジオンの技術者達が弄るのを面白くないと反発される可能性もあるが。
……何らかの取引材料を用意する必要があるか? それこそ、MIP社にF-32を譲渡した時のように。
とはいえ、そう簡単に譲渡してもいいような兵器の類はないしな。
何より、この世界にある技術でもそこまで無理をせずに開発出来るような代物であるという縛りは、色々と厳しい。
SEED世界で入手した、戦闘ヘリや長距離哨戒機とかは……まぁ、この世界の技術の外側にある技術や概念で設計されたと考えれば、そこまで問題ではない、か?
そんな風に考えつつ、取りあえずその辺は技術班と政治班に相談してから決めた方がいいと判断し、影のゲートに身体を沈めてHLVの打ち上げ施設に向かう。
影から姿を現せば、そこではメギロートやバッタ、コバッタが必死に打ち上げ施設を建築している場所だ。
24時間働けますかってのは何かのフレーズであったと思うが、俺の視線の先の光景では、メギロートやバッタ、コバッタが休む事もないままに打ち上げ施設を作っていた。
こうして見る限りだと、そう遠くないうちに打ち上げ施設は完成しそうだが……
ただ、それでも間に合うかどうか、だな。
視線を少し打ち上げ施設から少し離れた場所にある島に向ける。
そこはこの施設とは違って人が住んでいる島だ。
だが、現在はそこには普段よりもかなり多くの人数が集まっていた。
言うまでもなく、この打ち上げ施設が完成したらHLVでクレイドルへの移住を希望する者達だった。
一応、このUC世界では地球に残っている者達はエリートという扱いだったりするんだが……まぁ、中には不法に地球に残ってる奴もいるらしいしな。
そういう連中にしてみれば、今回のクレイドルに……ルナ・ジオンへの移住というのは、良い機会なのだろう。
遠くの海でズゴックが海中から頭を浮かび上がらせたのを眺めつつ、そんな風に考えるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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