転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2166話
月の周辺で行われた戦いは、結局のところルナ・ジオン軍が鎮圧するという結果で終わった。
もっとも、鎮圧とは言っても実際には撃破された機体も多いので、ジオン軍と連邦軍双方に出た被害はかなりのものとなったのは間違いないが。
当然のようにジオン軍も連邦軍も、ルナ・ジオンの行動に対して文句を言ってきたが、戦闘をしていた部隊に、それ以上月に近づかないようにと何度も警告した映像が残っている以上、不満を言える筈もなく、抗議の声は大人しくなったらしい。
もっとも、ジオン公国はともかく、連邦は未だにルナ・ジオンを独立した国家であると認めてはいない。
そうである以上、抗議してきてもいいのか? という思いはないでもないのだが……取りあえず、ルナ・ジオンにとって悪くはない出来事なので、ルナ・ジオンにもシャドウミラーにも、その辺りに突っ込む者はいなかったが。そして……
「連邦とジオン公国が戦争をしている今の状況では、月は安全とは言えません。南極条約で月に攻撃をするのは禁じられているにも関わらず、つい先日はジオン軍と連邦軍が戦闘をしながら月に近づいてきました。それ以上近づかないように忠告をしましたが、両軍ともにそれを聞くことはなく……結果として、今回の悲劇が起こってしまったのです」
そう告げるセイラの映像は、例によって例の如く、地球圏全体に放映されている。
それを行っているのは、当然のようにルリとラピスだ。
「私は、月を統べるルナ・ジオンの女王という立場から、今の月が無防備な状況を放っておく訳にはいきません。よって、シャドウミラーと協議した結果、月の周辺に要塞を……シャドウミラーの分類では、機動要塞と呼ばれる物を設置します。これにより、月に向かって侵攻しようとした者は、その報いを受ける事になるでしょう。出来ればこのような真似はしたくなかったのですが、月の支配者としては我が領民を危険なままにする事は出来ません。苦渋の決断として、このような選択をする事になりました」
そう告げ、セイラは少し大袈裟なまでに手を振るう。
次の瞬間、セイラから少し離れた場所に立体映像が映し出された。
そこに表示されているのは、バルジ、リーブラ、ニヴルヘイムの3つの機動要塞。
本来ならピースミリオンもこれに加わるのだが、ピースミリオンはどちらかと言えば要塞ではなく、ステルス空母的な感じで動く事になりそうだという事もあって、存在は隠す事になった。
ジェネシスの方は、未だに完成していないので、それは後回しという事だろう。
「この機動要塞は、それぞれバルジ、リーブラ、ニヴルヘイム。そのどれもが、シャドウミラーによって建造された物です」
正確には、純シャドウミラー産というのはニヴルヘイムだけなんだが。
バルジとリーブラはW世界で作った物をそのまま受け取った形だし。
まぁ、それを言うならニヴルヘイムだって根本……アイディアという点では、ギアス世界のダモクレスな訳なのだが。
もっとも、ニヴルヘイムには大量にシャドウミラーの技術が入っているので、既に別物と言ってもいいが。
バルジとリーブラに関しても、基本的にはそのままだが、シャドウミラーが得意としている重力制御技術で、基本的にはどこであっても1Gの重力で生活が出来る。
何だかんだと、その辺りは色々とストレスになりやすいからな。
もっとも、格納庫のように重い物を運んだりする場所では敢えて無重力にしている場所もあるのだが。
「見ての通り、どの機動要塞も性能は高いです。これにより、ジオン公国と連合が共に月に害意を抱く事がないように期待します。そして、月の民達……ルナ・ジオンの国民達よ、貴方達は私達の国民です。そうである以上、ジオン公国からも、そして連邦からも私が……私達ルナ・ジオンが守ります。だから、安心して日々の生活をして下さい」
その言葉を最後に、中継が切れる。
さて、これでジオン公国と連邦がどう反応するのか。
「どうなると思う?」
「まずやってくるのは、当然のように抗議でしょう。もっとも、向こうもそれを受け入れられるとは思っていないでしょうが」
そう尋ねると、真っ先に口を開いたのはジェーンだった。
元ダグラスの秘書にして、元キシリア機関の一員でもあるジェーン。
そのジェーンは、現在ルナ・ジオンの中でも政治の中枢で仕事をしている。
……いや、単純にルナ・ジオンに人手が足りないだけか。
アンリがワルキューレの中でも政治の出来る人物をある程度引っ張ってはきたが、それだけでどうにかなる訳でもない。
いや、一応今はどうにかなってるんだよな。
ただ、それは量産型Wやコバッタを使っているからというのもあるし、何よりまだクレイドルに住んでいる人数がそこまで多くはないからというのはある。
……実際、北海道以上の広さを持つクレイドルに現在住んでいる人数を考えると……人口密度という点ではもの凄い事になっていそうだ。
とはいえ、既に移住を希望する者はシャドウミラーの方から出したカトンボに乗って、こっちに向かっている筈だ。
そういう者達がクレイドルに到着すれば、中には政治に関係する仕事が出来るような者もいるだろう。
まぁ、政治に詳しい者が移住者の中にどれだけいるのかは、それこそ運に近いんだろうが。
「受け入れられないのに、抗議をしてくるのか?」
「はい。言ってみれば、他の者達に示すポーズですね。外聞を気にした行動です。特に連邦は絶対民主主義と揶揄される政治形態ですが、それでも……いえ、だからこそルナ・ジオンの言い分を素直に聞くような真似は出来ないと思っても構わないかと」
「ジオン公国の方は?」
「こちらは……半ば本気といったところでしょうか。ですが、結局私達が機動要塞の配置を強行しても、向こうは何も出来ません」
「だろうな」
ジェーンの言葉に納得する。
そもそも、ルナ・ジオンの本拠地たる月は、サイド3からそう離れている訳ではない。
そうである以上、当然のようにジオン公国としては、自分達のすぐ側で機動要塞を……それも3つも存在するというのは、絶対に避けたい筈だった。
だが、ジオン軍とルナ・ジオン軍の間にある戦力差は圧倒的と言ってもいい。
ましてや、ジオン公国は現在ルナ・ジオンと何とか友好的な関係を築きたいと、そう思っているのだから。
「そうなると、取りあえず機動要塞を配置するのに問題はないと、そう考えてもいいんだな?」
「そう……ですね。ただ、ジオン軍や連邦軍の中にも、強硬派やタカ派と呼ばれている勢力があります。そのような人達にしてみれば、ルナ・ジオンの行動は許しがたいとして、こちらに攻撃してくる可能性は捨てきれないかと」
ジェーンがジオン軍や連邦軍の名前を出したが、その中に月が入らなかったのは、基本的に月は完全に支配したと、そう考えているからだろう。
量産型Wやメギロート、バッタ、コバッタ……そのような戦力を無尽蔵に配備出来るのだから、レジスタンス活動を行おうとしても難しい。
ましてや、ルナ・ジオンが月を支配しているとはいえ、基本的には以前と同じ自治という形を取っているので、不満を持っている者はそう多くはない。
それどころか、量産型Wやコバッタの能力によって汚職を働いていた者達が何人も捕まったのだから、寧ろルナ・ジオンの支配を喜んでいる者の方が多い。
とはいえ、世の中には反骨心の高い者がいるのは当然で、皆が認めているからこそ、ルナ・ジオンの月の支配を認められないと思う者もそれなりにいる。
そういう奴が妙な行動に出ないといいのだが。
「そっちの対処はメギロートとかバッタに任せるしかないだろうな。それに、月の周辺に機動要塞を設置するのを邪魔するにも、どうしようもないだろうし」
「……アクセル代表の空間倉庫、卑怯ですよね」
ジェーンの半ば呆れの混ざった視線が俺に向けられる。
まぁ、そう言いたくなる気持ちは分からないでもない。
本来なら、リーブラやバルジ、ニヴルヘイムといった大きさの建造物を運ぶとなれば、それこそ人手も手間も大量に掛かる。
だが、俺の場合は空間倉庫に入れて持ち運ぶ事が出来るのだから、そのような手間は必要ない。
それどころか、俺が移動する為の輸送機なりなんなりがあれば、それでいいのだ。
いや、ニーズヘッグを使った場合は、システムXNを使うので輸送機すら必要なくなる。
そんな風に運んでくる機動要塞の運搬を邪魔するとしたら……それこそ、一体どんな方法があるのやら。
そんな疑問を抱きつつ、その後も色々と相談をし……結局その日はホワイトスターにある俺の家に帰るのが遅くなり、千鶴から軽い小言を貰う事になるのだった。
セイラが全世界に月の周辺に機動要塞を設置するという事を宣言してから、数日。
ジオン公国、連邦軍共に抗議をしてきたが……それは元々予想されていた事だったので、スルーされていた。
月に住んでいる者達の反応に関しては、こっちが予想していたよりも遙かに良かった。
やっぱり占領はしても、月面都市の運営には基本的に関わっていないというのが大きいのだろう。
後ろ暗い事をしていた連中は、処分されているし。
もっとも、そういう後ろ暗い事をしていた連中と繋がっていた連中にしてみれば、ルナ・ジオンは恨み骨髄といった感じだろうが。
そして、大抵そういう連中というのは強い影響力を持っている訳で……それでも特に騒動が起きていないのは、ルナ・ジオンが力を見せたから、というのも大きいだろう。
「では、アクセル。お願いね」
「ああ」
セイラに見送られ、俺は一応という事で護衛のメギロートを引き連れ、シャトルで移動する。
てっきり誰か……それこそジオン軍や連邦軍の強硬派辺りが何らかの妨害行為をしてくるのかと思ったが、そこまで短絡的な真似をする奴はいないらしい。
いや、正確にはやろうとしてもどういう手段で俺が機動要塞を運んでくるのか分からないから、妨害出来ないというのが正確もしれないが。
もしかしたら、月に向かう航路とかでジオン軍や連邦軍が待ち伏せしている可能性もある。
それこそ、臨検して機動要塞を自分達の物にしようとする為に。
……まぁ、それは無駄に終わるのだが。
シャトルで出発して暫くが経ち……やがて、量産型Wが口を開く。
「アクセル代表、目標宙域に到着しました」
「分かった。なら、俺はこれからバルジを出してくるから、周囲を警戒しておけ。もしシャドウミラーとルナ・ジオン以外の勢力が近づいてきた場合は、警告。警告しても退かないようなら、撃破しても構わない」
「了解しました」
短く言葉を交わし、俺はそのまま宇宙空間へ。
普通ならパイロットスーツや宇宙服といった物を必要とするのだが、混沌精霊たる俺にそんな物は必要ない。
いつも通りの生身のままで宇宙空間に出て、シャトルから十分に離れる。
そうして空間倉庫のリストの中からバルジを選択し……次の瞬間、月の近くにバルジが出現した。
月とかでも、この光景を見る事が出来た者がいれば、間違いなく驚いただろう光景。
そんな光景を想像しつつ、俺は次にカトンボやコンテナといったように、メギロートやバッタ、コバッタが大量に入っているそれらを取り出していく。
生き物を入れる事は出来ないので、量産型Wは無理だが……それでも、バルジを運用するには十分な人員――という表現が正確かどうかは分からないが――用意する。
元々命令はされていたので、メギロートやバッタ、コバッタといった無人兵器達は、俺が何かを指示するよりも前に、自分達のやるべき事をやる為に動き出す。
前もってその辺りの命令をプログラムしておいてくれた技術班万歳だよな。
もっとも、無人機であるが故に、今の状況ではルナ・ジオンやシャドウミラーに所属している者以外の誰かがバルジに接近してくると、即座に迎撃態勢に入るのだが。
バルジ砲という、リーブラの主砲級の威力を持つ攻撃が可能になったバルジは、正直なところ戦略兵器的な存在と言ってもいい。
そんなのが他に2つ、それ以外でもピースミリオンやジェネシスといった代物があるのを思えば、月はまさに鉄壁の要塞と化したと表現してもおかしくはないと思う。
そんな風に考えている間にも無人機は動き続け……取りあえず最低限の準備が完了したのを確認し、俺はその場から立ち去る。
今は最低限だったが、そのうちより無人機の数が多くなり、バルジの運用についても問題なく行われる事が出来るようになるだろう。……うん、多分。
そんな風に思いつつ、俺はシャトルに戻り……他の予定宙域に移動し、リーブラとニヴルヘイムの配備を完了するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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