魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第百三十七話
AM 10:37
「恋愛成就と交通安全の御守り合わせて1000円です」
「ありがとうねお嬢ちゃん。猫耳似合ってるよ」
「ありがとうございます(俺は男だ死ねよロリコン)」
今日はお祭り。
という訳で御守り販売のお手伝い中だ。
「一夏、破魔矢できたぞ」
「あ、そこ置いといて」
販売所の中では箒(狐モード)が御守りや破魔矢や絵巻等を作っている。
円香、リム、エレンは箒の手伝いだ。
なぜ俺がわざわざ巫女服を着て接客なんぞしているかと言えば、俺がその手のアイテム製作関わったらヤバいからだ。
吸血鬼が作ったとなればソレは程度はともあれ呪術的な力を持つ。
そんな物が流通すれば間違いなく臥煙が暴力陰陽師か式神童女、あるいはその両方を送り込んでくるだろう。
もしかするとエピソードのような吸血鬼ハンターかもしれない。
とまぁ、そんな訳で俺と俺のファミリアは接客だ。
左隣に奏、右隣に橙(有機素体)その更に右に稲荷(有機素体)が座って御守りを売っている。
やっぱり一番人気は奏だ。
今の奏はだいたい25歳くらいの見た目だ。
金髪金眼の浮世離れした美しい巫女服の女。
まだ祭りが始まって少ししか経って居ないのに御守りの売上がいい。
なお、奏の方だけに客が来るかと言えばそうでもない。
うん…なんだ…その…この街ってロリコンが多いんだろうか…。
さっきから俺たちの方に来る輩の眼がヤバい。
あと奥のエレン達を覗く目。
銀髪は目立つんだろう。
まぁ、『そういう視線』は放っておくとして…。
すっと、手を掲げる。
指をピストルの形にし……
「ばぁん」
「ますたー。程々にね」
「大丈夫大丈夫。零拍子とかクラップスタナーとかの技術使ったからバレてないよ」
「それ篠ノ之流と暗殺の奥義だよね。
なんという無駄遣い…」
そう、問題はピストルを持った参拝客だが…
『イチカ、イチカ。捕縛しました』
『ありがとう。轟雷』
『イチカー! 一人仕留めたけどどうしたらいい?』
『放っておいていいぞフレズ』
FA:Gに監視させているし、まぁ、大丈夫だろう。
それに…
「おうソコの姉ちゃんちょっとこっち来て貰おうか」
「何すんのよ! 警察呼ぶわよ!」
「警察が来て困るのはそっちだろう?
例えば、その脇の下に入れてるチャカとかよぉ」
「!?」
ここは組長の縄張りなのだ。
組長は柳韻さんをとても慕っている。
その柳韻さんが神主を務める神社で発砲騒ぎなど、組長が許す筈がない。
シルヴヴァインも会場警備に回っている。
事件など起こりようも……っと…これはフラグだな。
「すいませーん。恋愛成就の御守りください」
「はーい。わかりま……………弾?」
目の前でピンクの御守りを持っていたのは弾だった。
「くく…おまえ…今の接客ボイスよかったぞ。
録音しときゃよかった」
「るせっ。お前だけ1000円にしてやろうか」
「そこで二倍で済ませる辺りお前って人がいいよな」
「おらさっさと金出せ」
弾が御守りと千円札を出した。
御守りは紙袋に入れて、お釣の五百円と渡す。
「お買い上げありがとうございます」
精一杯の営業スマイルだ。
というか、ただの皮肉の笑みだ。
「お、おう」
「キョドるなお前もロリコンかよ」
自分で言うのもなんだが、俺は女顔で整った顔立ちで童顔だと思う。
「ロリコンではないな」
「そうかよ、だったらさっさと帰れ」
「お前の巫女舞見に来たのに帰れるかよ」
じゃぁなんで朝から来たんだよコイツ!
「舞は夕方だぞ」
「ああ、それまでは暇を潰させて貰うさ。
家にいたら手伝わされるからな」
ああ…成る程道理で…
ならずっといるのか…
一応忠告しとかないとな…
「弾」
手招きをして、弾に耳打ちする。
「銃をもった参拝客には注意しろよ」
「マジかよ」
「狙いは俺か箒か円香か…」
俺の場合は女性権利団体。
箒と円香の場合は各国工作員。
まぁ、こんな人のいる中で銃をぶっぱなすバカもいないだろうけど…。
「とにかく、一目につかない所には行くなよ」
「ああ、わかった」
12:04分
お昼になり、雪子さんが休憩していいと言ったので、屋台を回る事にした。
だがその前に…
「さーて。言い訳を聞こうか弾」
巫女服のままで、弾の居る石垣の所へ行く。
後ろに箒達がぞろぞろ着いてきてるので弾がやらかしたみたいに見えるだろう。
まぁ、コイツの自業自得なので庇わないが。
「え? 何が?」
「てめぇずっとニヤニヤしながらこっち見やがって」
弾のアホはずーっとこの石垣に座ってこちらを見ていたのだ。
「暇潰し。猫耳巫女は眼福だったぞ」
「死ね」
グラムディスパージョンを腹に叩きつけようとしたが、避けられた。
「おおい! 今の俺でもなんか光ってるの見えたぞ明らかにヤバいやつじゃねぇか!」
なんだ、やっぱりサイオン見えるのかコイツ。
「大丈夫。霊感があると殴られた痛みを感じるだけだ」
「やだよ!」
三発程一気に撃ってみたが、紙一重でかわされた。
「チッ…器用な奴め」
「はぁ…はぁ…。ところでそちらの美人さんは?」
弾の視線が奏に向けられる。
「俺様の名は奏。ユートピアの主にして眷属」
「俺が調伏した吸血鬼だ」
「!?」
弾が数歩後ずさる。
「あ、大丈夫大丈夫。コイツ俺の血しか飲まないから」
昨日今日はマグカップに移さず直接飲ませた。
巫女舞のため吸血鬼性を抜いておいたのだ。
巫女舞ともなれば写真を取る奴が出てくる、そこで写らなかったらそれはそれで面倒だ。
なお瞳もパレードで擬装中。
ヴォーダンヴォージェと間違われたら国際問題待ったなしだ。
「そうなのか?」
「俺様は不味い血は飲まねぇんだよ」
「ゆーし。屋台まわっぞー」
屋台は射的やら籤引きやらりんご飴やら大判焼きやら色々だ。
祭りといえば、で思い付く屋台は大抵あるだろう。
前世の過疎地域の祭りとは大違いだ。
「一夏お姉ちゃん! いいこと思い付いた!」
「嫌な予感がするが一応聞こう」
「杏飴食べながらちゅーしよう!」
案の定かエロガキ!
「却下だ却下」
後ろで弾が吹いたきがするが無視だ。
「えー。今日一回もちゅーしてなんじゃん」
「我慢しろ……。あとでしてやるから」
「やった! あのね! 昨日リムと二人でちゅーの練習したんだよ!」
マジか。それは見てみたいな。
あとでやってもらおう。
「おいおいおいおいおい!」
後ろ襟を捕まれて首が閉まる。
「にゃんだよ弾?」
「お前何してんの!? なにこんなちっさい子にキスとかしちゃってんの!? ロリコンなの!?」
「俺は被害者だ。昨日無理矢理キスされたんだぞ」
「でもお兄ちゃんもノリノリだったじゃん」
「年上として負けられんだろうが」
「でも箒姉ちゃんにまけてたよ?」
「リリムキッスは無しだと思うんだ」
ポム、と弾が俺の頭に手を置いた。
「どうした、弾」
「苦労してるんだな。一夏」
「その顔やめろぶっ飛ばすぞ」
「大丈夫大丈夫。今日はお兄ちゃんがうんとあまやか…ほげぇぁ!?」
気付けば弾が横から殴られていた。
「お兄ちゃんは私達のなの!」
おお…円香…。
「がふっ…………イモウトコワイ…」
「自業自得だばぁーか」
その後は組長の所で焼そばを買ったり若頭がやってた大判焼きを買ったりした。
時々屋台の売り子にシルヴヴァインのメンバーが入っていてクスッときた。
ロシア系のイケメン達なだけあってマダム達に人気だった。
「つーか、鈴の奴来てないな…」
「鈴は昼から来るってよ。お前と違って家の手伝いさ」
「なるほど。それでお前はメシしか買わない訳か」
レクリエーション系の屋台を素通りしていたのを弾は気づいていたらしい。
「で、あの絶壁娘はいつ来るんだ一夏」
「弾」
「なんだよ」
「御愁傷様」
一応の背中に薄い障壁を張っておく。
「は?」
刹那、ドンッ! という鈍い音がした。
弾の顔が面白い顔になってたのでスクショを一枚。
弾が倒れて来たので支えてやると…
「あら一夏。その巫女服似合ってるわね」
「鈴。いきなり発勁はダメだとおもうな」
「大丈夫よ。アンタの障壁のせいで気絶だけで済んでるわ」
浴衣姿の鈴が居た。
「ところでどう?似合ってる?」
「ああ、似合ってるよ」
「ふふん。私の色気でイチコロよ!」
やー。エロスっていうか、キュートだな」
「ふぇ!?」
何故か鈴が赤くなった。
「お、どした鈴?」
『一夏。声に出てたぞ』
あ?
『お前は今鈴をキュートだと言ったんだ』
マジで!?
『この無自覚天然タラシめ』
箒さん怒ってます?
『ん?何にだ?』
あ、怒ってないなコイツ。
「あー。なんか、すまんな、鈴」
「いいわよ別に……(キュートって!一夏が私を可愛いって!)」
とりあえず弾をどうにかしないと…
「ちょっと弾を休憩所に持っていくから待ってて」
弾を米俵みたいに担いで、休憩所へ。
「……鈴って俺に気があんのかな……
ってそれは無いか」
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