仮面ライダーエグゼイド　この手の中

「そしてそのことはだ」
「僕達ならですか」
「出来る、君達にはその強さがある」
「そう言える根拠は」
「君達は一度彼そしてスサノオに勝っている」
　宝生達には檀正宗を、天空寺達にはスサノオのことを話したのだった。
「そしてあの時からそれぞれさらに強くなっている、だが檀正宗彼は」
「あの時からですか」
「何も変わっていない」　
　それも全く、というのだ。
「そこが違う」
「そういうことですか」
「そうだ、そして彼はそのことに気付いていない」
　檀正宗、彼自身はそうだというのだ。
「それでどうして負けるか。それに戦いは彼が目的ではない」
「スサノオですね」
「彼はその前座に過ぎない筈だよ」
　日向は冷静に述べた。
「違うかな」
「確かに。言われてみますと」
　宝生も日向の言葉に頷いた、それは他の者達も同じだった。誰もが日向のその言葉に確かなものを感じた。
　そして院長もこう言った。
「そうだよ、本当に檀正宗は全く変わっていないよ」
「それに対して僕達は本当に変わりましたね」
「彼に最初に勝った時よりも強くなったよ、心も身体も」
　彼も宝生達に話した。
「それからも戦いを経てきたしね」
「だからですか」
「そう、その君達が彼に勝てるか」
　檀正宗、まだ自らを神と考えていて他者を見下している彼がだ。
「既に答えは出ているよ」
「それじゃあ」
「そう、私は君達が戦いに出たら」
　そうしたらと言うのだった。
「勝ったお祝いの用意をして待っているよ」
「また大胆ね、確信して言うなんて」
　ニコは院長のその言葉に驚いた。
「あたし達があいつにもスサノオにも勝つとか」
「私もだよ」
　日向も言ってきた、それも微笑んで。
「院長先生と共にね」
「戦いをなの」
「そう、私もね」
　まさにというのだ。
「待っているよ」
「勝って帰った時のお祝いの用意をして」
「そうしてね」
「では拙僧達もですな」
　御成は院長と日向の言葉を聞いて述べた。
「お祝いのパーティーの用意をしましょうぞ」
「そうね、タケル達があんな奴に負けるか」
　アカリも檀正宗のことを考えた、そしてアカリもまた言った。
「そんな筈ないわよ」
「そうだよな、あんなこと言う奴なんてな」
「負けるのがお決まりの展開だからな」
　シブヤとナリタもこう話した。
「それじゃあな」
「俺達も皆のお祝いの用意を手伝おうな」
「私も」　
　カノンも強い言葉と共に頷いた。
「お手伝いします」
「場所はここでいいな」
　ユルセンは今自分達がいる病院の中のその一室に場所を決めた。
「他の場所がいいって言う奴はいるか？」
「豪華ホテルとかは駄目か？」
「駄目に決まってるだろ」
　仙人だけが言ってきたがユルセンは即刻却下した。
「というかおっさんは何するんだよ」
「わしか。皆を待つぞ」
「お祝いのパーティーの用意の手伝いはしねえのかよ」
「うむ、寝て待つ」
「そこでそう言うのがおっさんだな」
　まさにと言うのだった。
「本当に何もしねえな」
「じゃあ何をすればいいのだ」
「何もするなよ」
　これがユルセンが仙人に言うことだった。