レーヴァティン
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第六十九話 西に向かいその十一
「広まるな」
「そうよ、麻薬は病気みたいなものよ」
「手を出したら大変なことになるからな」
「流石にうちの叔父さんも手を出してないわよ」
ギャンブル狂いのその叔父もというのだ。
「あんなのやる奴の気が知れないって言ってるわ」
「そのどうしようもない叔父さんもか」
「ええ、あんなのやったらね」
それこそというのだ。
「身の破滅だってね」
「あれはギャンブル以上に怖いよな」
「阿片もそうだったけれど」
「他にも一杯あるしな」
「覚醒剤なんてね」
かつてはヒロポンといった。
「あんなのやったら」
「とんでもないことになるからな」
「だからね」
覚醒剤、それはというのだ。
「やるものじゃないわよ、そしてね」
「蔓延させない様にするのも政か」
「ええ、それを許したら」
「国も滅ぶしな」
「だからね」
「それでだよな」
「ええ、麻薬もどうにかしないと駄目よ」
旗揚げして確かな政を行う時が来ればというのだ。
「どうも洒落になってない麻薬あるみたいだし」
「こっちの島にもな」
「阿片なんか可愛い位のね」
「覚醒剤みたいなな」
「そっちにもヤクザ屋さん関わるし」
裏の世界の人間達がというのだ。
「こっちでもそうした人の利権を潰す為にね」
「取り締まるべきだな」
「そうなるわ、しかしいらないものもある世界ね」
留奈はここまで話して苦い顔になり溜息を出して言った。
「どうにも」
「こっちの世界は、じゃないわね」
「こっちの世界もよ」
清音にその顔で返した。
「ちゃんとやっていくべきね」
「農業や商業だけじゃなくて」
「そういった政も」
「していかないと」
「国は治まらないのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「だから旗揚げしたらね」
「政の方も頑張って」
「やっていかないとね」
「駄目ってことね」
こうした話になった、そしてだった。
一行はローマでやるべきことを全てやってからセビーリアに向けて出発した、船は帆を掲げて意気揚々と出港した。
第六十九話 完
2018・6・8
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