ドリトル先生と奇麗な薔薇園
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第十二幕その二
「魔物と何かの怨念があって」
「あとケンタッキーのおじさんだね」
「その三つの存在のせいでね」
まさにというのです。
「あそこまで負けたりするのかもな」
「そうかもね、甲子園には霊的な存在があってね」
そのせいでとです、先生は王子にお話しました。先生は霊的な存在を否定していません。科学も神と共にあると考えています。
「彼等が阪神に災いを為しているんだよ」
「迷惑だね」
「本拠地にあるのに阪神に福を与えるんじゃなくてね」
「禍をもたらしているね」
「そうなんだよね」
「魔物は高校野球の時はどっちに力を出すかわからないのに」
甲子園には魔物がいる、だから何時何がどうなるかわからないのです。それこそ勝っている試合が急に負けに向かうこともあります。
「プロ野球だとね」
「阪神に対してだね」
「殆どの場合向かうんだよね」
その力がです。
「相手チームに勝利を与えるんだよ」
「ううん、迷惑だよ」
王子のお言葉にはうんざりとしたものがありました。
「あと高校野球の分の怨念もあって」
「そしてケンタッキーのおじさんもいるから」
「そういったのが全部阪神に向かうんだ」
「そして夏には地獄のロードもあるね」
「何か悪い条件ばかりあるんだね」
「それが困るんだよね」
阪神の抱えている問題点だというのです。
「地獄のロードも困るけれど」
「霊的な存在がね」
「一番厄介みたいだね」
「お祓いをしてもね」
それがちょっとやそっとのお祓いでもです。
「相当なものでもね」
「祓えないんだね」
「それで相性もあってね」
「この三連戦みたいなこともあるんだ」
「やれやれだよ、まあそれでもデイリーはね」
阪神への愛情に満ちているこの新聞はといいますと。
「いい記事書いているけれどね」
「王子デイリー取ってるんだ」
「うん、家の新聞はそれにしているんだ。八条新聞とね」
この新聞だというのです。
「阪神についていいことばかり書いてくれているからね」
「何があってもね」
「この三連戦みたいなことがあってもね」
もう嘆くばかりの惨敗でもです。
「だからね」
「取ってるんだね」
「そうしているよ」
「そうだね、僕も大学でよく読むよ」
「いい新聞だよね」
「阪神ファンの人達が書いているからね」
その深い愛情で以てです。
「だから面白いんだよ」
「素直な愛情に満ちていて」
「読んでも気持ちがいいんだよ」
「だから毎朝読んでるよ、それで気分よく登校しているけれど」
「今日ばかりはだね」
「やれやれってなったよ」
如何に陽気な王子でもです、そうなってしまっていた今朝でした。学園は王子だけでなく色々な人が阪神のことを嘆いていました。
ですが先生はもう気持ちを切り替えていました、それでお昼にお好み焼き定食を食べながら一緒にいる動物の皆に言いました。
「明後日からまた試合だしね」
「遠征でね」
「けれどその遠征で勝つ」
「そうしていくのね」
「うん、そうしていけばいいからね」
気分を一新させてというのです。
「だからね」
「うん、明後日ね」
「また期待しようね」
「そうして観ようね」
動物の皆は先生に応えました、皆もお好み焼きを食べています。
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