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オズのガラスの猫

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第十二幕その五

「凄くね」
「そうでしょ、猫の国の人達と同じでね」
「犬の気質でね」
「いい人達なのよ」
「犬はいい生きものだよ」
 その犬の国の市長さんも言ってきました。
「そして我々もね」
「犬としてなんですね」
「うん、自分を律していてね」
 そしてというのです。
「よくありたいと思っていてね」
「それでなんですね」
「そうなる様にしているから」
「それで、ですね」
「犬のいい部分をもっと育てる様にいつも努力しているんだ」
「そうですか」
「僕達はね」 
 まさにと言う犬の市長さんでした。
「誰かと一緒にいるとその人を笑顔にしたくなるんだ」
「自然とですね」
「そうなんだ」
 まさにというのです。
「僕達は」
「そうなんですね」
「そう、普通にね」
 まさにというのです。
「だから今もね」
「皆をですね」
「笑顔にしたいと思っているよ」
 今もというのです。
「本当に」
「そうですか、じゃあ」
「今は楽しくお話をしようね」
「わかりました」
「いい匂いもするしね」
 こうも言った犬の市長さんでした。
「今は楽しみだよ」
「あっ、犬のお鼻だから」
「わかるよ、色々な香辛料を使っていて」
 そうしてというのです。
「随分美味しいお料理が出来そうだね」
「お鼻でもうそこまで、ですね」
「わかるよ」
 こうナターシャに答えるのでした。
「全部ね」
「そうなんですね」
「あのシュールストレミングはね」
 まさにというのです。
「あんまりだったよ」
「匂いが」
「あんな臭いものはないよ」 
 こう言うのでした。
「何かと思ったよ」
「食べものですが」
「それはわかったけれどね、僕達の鼻にとっては」
 犬の国の人達のそれにとってはです。
「もう耐えられなかったよ」
「それで喧嘩にですね」
「なったんだ」
「そのことは聞いてましたが」
「いや、本当に僕達はね」
「お鼻がいいから余計にですね」
「いい匂いにも敏感でね」
 そうしてというのです。
「逆もだから」
「あの食べものは」
「とても耐えられなかったんだ」
「やっぱりシュールストレミングは」
「爆弾みたいだよ、僕達には無理だよ」
 犬の国の人達にはというのです。
「今から食べるお料理は大丈夫だろうけれどね」
「そうですか」
「これはお魚だね」
 このこともわかる市長さんでした。 
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