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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第十一幕その十一

「昔からね」
「だからですか」
「そう思っているけれど」
「いえ、お心ですよ」
「内面がなんだ」
「はい、先生はとても素晴らしいですから」
 何が素晴らしいかもお話するトミーでした。
「お心が、そしてそのお心にです」
「薔薇があるんだね」
「そういうことですよ」
「そうだといいけどね」
「はい、それと」
 さらにお話するトミーでした。
「今日のデザートですが」
「うん、何かな」
「ヨーグルトです、そしてそのヨーグルトの中に」
 トミーは先生に笑顔でお話しました。
「赤薔薇のジャムを入れています」
「ここでも薔薇だね」
「はい、ブルガリアみたいですね」
「あそこはヨーグルトと薔薇で有名だからね」
「あの国を思い出しました」
「実際にそうだね、じゃあブルガリアのことも思いながらね」
 先生はトミーに笑顔で応えつつ言いました。
「デザートも楽しもうね」
「そうしましょう」
「是非ね、しかし薔薇はね」
「本当にいいですよね」
「うん、観ても奇麗で香もよくて」
「食べられますし」
「本当にいいよ」
 あらゆる意味で素晴らしいお花だというのです。
「あのお花はね」
「僕もそう思います」
「そうだね、じゃあデザートにね」
「ヨーグルトを食べて」
「最後まで楽しませてもらうよ」
「そうして下さいね」
 トミーも笑顔です、ただ。
 ふと皆がカレーを食べている居間のテレビを観ると少し不機嫌になりました、それはどうしてかといいますと。
「今日は駄目ですね」
「阪神だね」
「カープに負けていますね」
「今日はね」
「何か」
 こうも言ったトミーでした。
「阪神はカープには弱いですね」
「どうもね」
「負け越してますしね」
「今年もね、調べたらかなりのシーズンでね」
「カープには負け越してるんですね」
「不思議なことにね」
「相性ですかね」
「そうかもね、試合ごとの負け方も酷いしね」
 ただ負けるだけでなくというのです。
「もう毎シーズンこうだからね」
「チームに対する相性ってあるんですね」
「特に阪神はそれが顕著みたいだね」
「はい、今七回ですけれど十点取られて」
 そのうえでなのです。
「こっちは一点も入っていませんから」
「惨敗だね」
「そう言っていいですね」
「打つ気配もないし」
 阪神の方がです。
「これじゃあね」
「今日は負けですね」
「そうなるよ、これはね」
「残念ですね」
「うん、巨人には勝てても」
 それでもというのです。
「カープにはこれじゃあね」
「ちょっと困りますね」
「優勝出来てもね」
 それでもと思う先生でした、薔薇のことも気になりますが阪神のことも気になってしまうのでした。 
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