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オズのガラスの猫

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第十一幕その八

 街のあちこちを猫の人達と仲良く歩き回って屋根や道や窓といったお国の至るところにいる猫達を見てでした。
 五人は唸ってです、こう言いました。
「やっぱりここはね」
「猫の国だね」
「猫の人達だけじゃなくて猫も沢山いて」
「そうして気持ちよくくつろいでいるからね」
「猫の国の名前に相応しいわね」
「そうでしょ、この国はね」
 ガラスの猫は他の猫達に気分よく挨拶をしつつ述べました。
「文字通りに猫の国なのよ」
「猫の人達に加えて猫も沢山いて」
「そう、楽しく暮らしているからね」
 こうナターシャにお話をします。
「国全体が猫ランドや猫カフェと言っていいね」
「そうしたお国なのね」
「そうよ、いい国でしょ」
「ええ、とてもね」
 ナターシャはにこりと笑って応えました、見れば他の子達も笑顔になっています。
「いいお国ね」
「そうでしょ、あたしこの国大好きよ」
「猫だからかしら」
「そうよ、ガラスの身体だけれどね」
 それでもというのです。
「あたしも猫でしょ」
「紛れもなくね」
「同じだから」 
 猫だからというのです。
「何度来ても落ち着くの」
「そうしたお国なのね」
「あたしにとってもね」
「そうなのね、けれど」
 ここで、です。ナターシャは自分の足元に来た白猫を抱っこしました。そうしてその猫を可愛がりながらガラスの猫にお話しました。
「貴女は普段エメラルドの都にいるわね」
「普段はね、けれど気が向いたらね」
「その時はなの」
「よくこの国に来てるわ」
 この猫の国にというのです。
「それもしょっちゅうね」
「そうなの」
「ええ、あたしにとってエメラルドの都と同じ位素敵な国だから」
 だからだというのです。
「よくね」
「この国に来てるのね」
「それで楽しんでるのね」
「そういえば君は寝る必要も休む必要もないから」
 ジョージは寅猫の目の前で猫じゃらしを動かして遊んでいます、寅猫は猫じゃらしにせっせと前足を出しています。
「ずっと全速で走れるしね」
「君が全速でずっと走ったら」
 神宝は自分にお腹を見せてごろごろしている三毛猫のお腹をやんわりと撫でています、すると三毛猫は気持ちよさそうにじゃれるのでした。
「都からもすぐだね」
「だからだね」
 カルロスも猫と遊んでいます、自分のところに来た白猫の背中を撫でたり耳を触ったりして気持ちよくさせています。
「時々この国に来てるんだね」
「じゃあ貴女はこの国にかなり馴染みがあるのね」
 恵梨香は黒猫の右の前足を指で持って握手をしたり肉球を触ったりしています、猫の肉球は本当に柔らかいです。
「よく来ていて」
「皆の言う通りよ、もうこの国はね」
 それこそとです、ガラスの猫は五人にお話しました。
「あたしの第二のお家みたいなものよ」
「エメラルドのお家が第一で」
「ここは第二なんだね」
「そこまでの場所になっているんだね」
「君にとっては」
「そうなのね」
「そうよ、ここに来たらいつも猫の皆と一日中遊んでね」
 そうしてというのです。
「楽しく過ごしてるのよ」
「もうずっとなのね」
「ええ、ただね」 
 ここでこんなことを言うガラスの猫でした。
「あたしは寝ることはしないけれど」
「普通の猫ちゃん達はね」
「猫の人達は一日八時間寝るけれど」
 普通の猫達はといいますと。 
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