転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2155話
その報告が来たのは、何故か俺がクレイドルにて農業についての監督官的な役割をしていた時だった。……正直なところ、今まで農業に関わった事のない俺が、何をどうすればこのような仕事をさせられるのやら。
そんな疑問を抱いてしまうのも、当然だろう。
それでも今日は特にやるべき事はないからという事で仕事をしていたのだが……
「先に接触してきたのはジオン公国か。てっきり、連邦軍の方が先だと思ってたんだけどな」
『そうでしょうか? 勿論連邦軍にとっても月という存在は大きいでしょうが、ジオン公国にとっては本土の最終防衛線といった意味も持ちます。それをシャドウミラーに占拠されている以上、やはりそちらを重視するのは当然だと思いますが』
そう言ってきたのは、ルナ・ジオンにおいて政治家としての道を歩み始めたルルー。
セイラの腹心という形で仕事をしているのだが、その能力を十分に発揮出来ているのは間違いない。
……ちなみに、ルルーの妹のメリルは一度こっちに戻ってきている。
アムロの説得を任せてみたのだが、そちらはどうやら上手くいっていないらしい。
もしかして、セイラみたいに俺と触れた事でニュータイプとして覚醒して、メリルの後ろに俺がいるというのを察知してるのか?
そう思わないでもなかったが、アムロと接した時はセイラと一緒に感じた、あの妙な空間には入っていない。
そうなると、恐らく……本当に恐らくだが、まだニュータイプとしては覚醒していないと思うんだよな。
ともあれ、出来れば一度アムロをクレイドルに招待してみたいところだ。
「それで、接触してきたのは誰だ?」
この場合の誰というのは、誰の手の者かという意味がある。
現在のジオン公国には、大きく分けて3つの勢力があった。
即ち、ギレン派、キシリア派、ドズル派。
まぁ、他にデギン派やガルマ派といったものもあるらしいが、その3つの勢力に到底及ばない。
デギン辺りは公王という立場上、それこ本来ならギレンを含めて他の3人よりも高い影響力を持っていてもおかしくはないのだが、問題なのはデギンが実質的に引退しているという事だ。
立場としてはまだ公王だが、実際の執務に関してはギレンに完全に任せており、影響力が小さくなっている。
デギンがこれまでやってきた事を思えば、単純に年齢による衰えを自覚したから……という可能性も否定は出来ないが、正直なところどうなんだろうな。
『ギレン・ザビです』
「ほう……」
ルルーの言葉に短く返しながらも、俺は少しだけ驚く。
てっきり、キシリアが接触してくると思っていたからだ。
そもそも、グラナダはキシリアが指揮する突撃機動軍の本拠地だ。
そうである以上、それを取り戻す為の交渉にキシリアが出てくるのは当然の話でもあったのだから。
『勿論、ギレン・ザビ本人という訳ではありません。その手の者となります』
「だろうな」
まさか、この交渉でギレン・ザビ本人が出てくるとは、俺も思っていない。
いや、寧ろそんな真似をされれば意表を突かれた……と、そう言ってもいいだろう。
……まぁ、それはそれで面白そうな気がしないでもないが。
「取りあえず、グラナダを貸し出す為とか諸々の交渉については任せる。エザリア達とも連絡は取り合ってるんだろ?」
『ええ。その辺りの条件については、しっかりと』
ルルーの自信満々の表情。
そう言えばルルーもダイクン派という事でジオン軍の上層部――端的に言ってザビ家派――から色々と嫌がらせは受けていたという話を聞いている。
そうである以上、今回はその時の仕返しをするには十分な時だと、そう認識してもおかしくはない。
「一応言っておくけど、くれぐれもやりすぎるなよ。向こうをやり込めるのはいいけど、それが原因で結局戦争沙汰なんて事になったら、ちょっと洒落にならないからな」
戦力的に戦争しても問題はないが、出来れば最初に立てた予定通りに租借地的な感じで貸し出す事にしたい。
『分かっています』
短く告げるルルーの言葉を、取りあえず信用しておくか。
それに政治の事は政治班に……この場合はエザリア達に任せておくに限る。
俺が迂闊に手を出すような真似をすれば、それこそ妙な騒動になりかねないし。
「そうか。じゃあ、俺からはこれ以上言う事はない。頑張って交渉してくれ。ルルーなら、ジオン軍のやり方に関しても大体理解出来てるだろうし」
元ジオン軍所属なだけに、当然のようにその辺りの事情は詳しい筈だ。
……まぁ、裏のやり取りとかはそこまで得意でもなさそうだが……幸い、ジェーンという元キシリア機関の味方もいるし、ある程度はどうにかなるだろう。
そんな風に考えつつ、その後もルルーと一言二言言葉を交わし、通信を切る。
さて、そうなると俺がやるのは……
「アクセル代表! その土を掘り返すのにメギロートを使った馬鹿が!」
俺が何をするのかを考えるよりも前に、向こうから騒動がやって来たらしい。
必死の形相で俺を呼んでいる奴の近くまで移動すると、その男から少し離れた場所では男の言葉通りにメギロートが土を掘り返している。……ただし、深すぎて、もしくは畝が高すぎて、とてもではないが農業に使うのは無理だろう。
「あー……うん、分かった。ちょっと待ってろ」
メギロートに一旦止まるように指示を出し、改めて荒らされた畑の方を見る。
もっとも、まだ特に種まきの類もしていない状況だったのを思えば、土を元に戻せば問題なく今まで通りに使える筈だった。
とはいえ、どうやって元に戻すか。……刈り取る者でも召喚してメギドラオンで地面を均す? いや、メギドラオンを使えば、それこそ大地がそのまま消滅してしまいかねない。
となると……
「バッタ、集まれ!」
メギロートよりも小さいバッタを呼び寄せ、荒れた土を元に戻すように指示をする。
元々バッタは、戦闘も出来るがこのような雑事の類をするのも得意としている。
実際にナデシコ世界の木蓮では、足りない人手をバッタが補っていたのだから、労働力としては十分な性能を持っている。
『おおおおおおおおおおおおおお』
バッタの群れが掘り返された地面を元に戻していくのを見て、クレイドルで農業を選んだ者達は感嘆の声を上げる。
牧畜の時とは違い、一応コロニーでは農業をやっている者もいた。
だが、コロニーの農業とクレイドルの農業では、色々な面で大きく違う。
コロニーの農業は、機械的な農業といった感じだ。
その分、手入れの類は楽なのだろうが、どうしても野菜の味といったものは落ちてしまう。
それに比べると、このクレイドルで行われる農業は普通に惑星上で行われる農業と変わらない。
……まぁ、人工的に重力制御をしていたりするので、明確に一緒という訳にはいかないだろうが。
ともあれ、それだけにコロニーで農業をやっていた者、興味のあった者といった者達がこうしてあつまっているのだが、ぶっちゃけ俺にそれを監督しろと言われてもな。
そのうち専門家を派遣してきちんと指導するって話だったから、それまでは土でも耕して……って感じだったんだが。
それもまた、メギロートを使って土を耕そうとした馬鹿な真似をした者がいて、問題ありとなってしまった。
いやまぁ、シャドウミラー的に見れば、メギロートを使って土を耕すといった真似は、そこまでおかしな話ではない。
古くは牛を、そして耕耘機のような機械を使って土を耕していたのを思えば、メギロートを使って土を耕すというのは間違っていないのだ。
ただでさえ、クレイドルは北海道以上の広さを持ち、農業をする者は基本的に大規模農業という形になっていく筈だ。
そうなれば、当然のように機械の力を借りる必要が出てくる。
「あー……後でシャドウミラーの技術班に、メギロートで土を耕せないか聞いてみる。もしくは、耕耘機でも開発して貰うか」
技術班の面々にしてみれば、耕耘機程度は作ろうと思えばすぐにでも作れるだろう。
もっとも、この場合問題なのは作れと言われてもすぐに作るかどうかといった事だろうが。
技術班の面々にしてみれば、耕耘機を作るのは難しくないが、面白くない。
そんな面白くない事は面倒だ。
そう言ってきてもおかしくはない。
あー……そうだな。別にわざわざ技術班に作って貰わなくても、どこか別の世界から輸入するという選択肢は存在する。
幸いにもUC世界は、ホワイトスターで繋がってる各世界の中でも文明は高い方だ。
勿論、マクロス世界のように飛び抜けた文明という訳ではないが、それでもネギま世界やペルソナ世界のような、まだ宇宙開発が殆ど行われていない世界に比べれば、技術力は上だ。
もっとも、ネギま世界は魔法が存在するし、ペルソナ世界はペルソナ能力だったり、アイギスのような人型アンドロイドがいたりするので、必ずしもUC世界が上という訳ではないのだが。
ともあれ、技術班に高性能な耕耘機を作って貰うよりは、どこか他の世界から耕耘機を輸入した方がいいのは事実だ。
「耕耘機をどうするかは、また後でルナ・ジオンの幹部達と相談する事にした方がいいな。お前達の方でも、どんな耕耘機が欲しいかってのは相談しておくように。世界によっては、同じ耕耘機であっても微妙に違ったりするからな」
取りあえず、そう言って誤魔化しておく。
いや、別に誤魔化してるって訳じゃないか。
実際、クレイドルで農作業をするのはこの面々なんだから、自分達が使いやすいと思えるような性能を持った耕耘機を用意するのが最善の選択肢なのは間違いないんだし。
「え? 俺達の希望を聞いて貰えるんですか!?」
「あー……全ての希望を聞けるって訳じゃないと思うけど、似たような機能を持った耕耘機とか、それ以外にも農業に使うような機械は作ってくれると思うぞ」
まぁ、ぶっちゃけた話、人手不足をどうにかするという意味では、量産型Wを使えばそれで解決するんだが……そんな真似をすれば、どうしてもクレイドルの人手が余る。
折角ルナ・ジオンという勢力を選んだのだから、ここに住む人々にはこのクレイドルで働いて、帰属意識や愛国心といったものを持って欲しい。
勿論、1年2年でそういう風になるのは無理だろう。
だが、その1年2年が10年20年ともなれば、話は違ってくる。
それだけの年数クレイドルにいて、セイラ達がザビ家のような横暴な態度を取らずにいれば、全員……とは言い切れないが、大勢がルナ・ジオンに対して帰属意識や愛国心を持つようになってもおかしくはない。
特にセイラ達ルナ・ジオンの首脳陣と一緒に、国を発展させてきたという思いがあれば、同胞意識のようなものも高くなるだろう。
「アクセル代表、向こうの方にでかい岩があるって報告が来たんですけど、どうしますか!?」
「岩か。……岩? は? 何でだ?」
一瞬納得しそうになるも、すぐにそう突っ込む。
もしここが自然であれば、岩が邪魔になったと言われても納得はする。
だが、このクレイドルはあくまでもマクロス世界で生まれた新型の新マクロス級――早口言葉みたいにも思えるが――である以上、当然ながらそのような岩が自然と存在する筈がない。
となると、その岩は誰かが意図的にそこに置いたという事になり……可能性として一番考えられるのは、このクレイドルを作った連中のお遊びといったところか。
お遊びにしても、ちょっとやりすぎのような気がしないでもないのだが。
まぁ、何を考えてそのような真似をしたのかは分からないが、俺がいる時にそれが判明したのがせめてもの救いか。
場合によっては、MSとかが必要に……ああ、メギロートがいれば岩とかあってもどうにでもなるか。
早速報告を持ってきた者に案内され、岩のある場所とやらに向かう。
「……うん、岩だな」
それが、俺の視線の先にある岩を見た正直な感想だった。
高さ5m、横幅10m程のかなり巨大な岩。
重さにすれば、一体どれくらいの重量があるのか……俺がいて本当に良かったなと、しみじみと思う。
「アクセル代表、これって何の為の岩なんですか? こうして露骨にあるって事は、何か意味があると思うんですけど」
「俺もそう思わないでもないが、こうして見ると、本当にどんな意味があるのやら。まぁ、普通に考えれば嫌がらせだろうけど」
ウィンダミアの一件で、このクレイドルはシャドウミラーの所属という事になったのだが、当然全員が素直にそれを認めた訳ではない。
中には、当然のようにそれを面白く思わない者もいただろうし、そういう連中にしてみれば、このくらいの嫌がらせは当然行うだろう。
「……取りあえず収納するか。この岩にも使い道はあるし」
「え? あるんですか?」
俺の言葉に意外そうに呟く奴がいるが……実際、このくらいの大きさの岩なら、武器として使ってもいいし、もしくはキブツにいれる材料としての使い道もある。
誰が何を考えてこのような真似をしたのかは分からないが、俺にとってはかなりありがたい贈り物だ。
そんな風に思いつつ、俺は岩を空間倉庫に収納するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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