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空に星が輝く様に

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517部分:最終話 空に星が輝く様にその五


最終話 空に星が輝く様にその五

「それじゃあ私達は」
「そっちはこれから何処に行くの?」
「とりあえず食べる」
 そうするというのだった。
「御弁当持って来たから」
「椎名さんの手作りなんだ」
 赤瀬も話してきた。
「それをね。今からね」
「そう。あんたお料理も好きなのね」
「好きな相手には手料理」
 椎名はこんなことも言った。そこには普遍の響きがあった。
「だから」
「そうよね。じゃあ私も今度ね」
「作るのね」
「やってみるわ」
 こう椎名に話すのだった。
「とはいっても作られるのって和食だけだけれどね、まだ」
「和食なの」
「うち和食が多いから」
 それでだというのだ。家の食べ物の嗜好がそのまま出る形になっていた。
「だからね」
「そうなの」
「それでいいかな」
 星華はここで彼氏に顔を向けて尋ねた。
「和食で」
「うん、いいよ」
 天道ににこりと笑って彼女に答える。
「それじゃあ。その時はね」
「楽しみにしておいてね」
「今も楽しんでね」
 また星華に言う椎名だった。
「そっちもね」
「ええ、わかってるわ」
 星華もその椎名に笑顔で答えた。
「それじゃあ。またね」
「うん、またね」
 こうしてだった。星華は天道と共に椎名達と別れた。椎名はその彼女を見送ってだ。そのうえでこう赤瀬に言ったのだった。
「いい感じ」
「そうだね。仲いいよね」
「よかった」
 そしてだった。こうも言うのだった。
「あのままだといける」
「幸せになれるね」
「うん、もうあの娘は大丈夫」
 星華はというのだ。大丈夫だというのである。
「安心していける」
 そしてだ。星華についてこうも言うのだった。
「友達が幸せになるのは」
「いいことだよね」
「そう、凄くいいこと」
 こう話すのだった。
「ほっとした」
「友達。もう一人できたしね」
「大切にする」
 星華のことをだ。そうするというのだった。
「絶対に」
「そうだね。友達はね」
「宝物。何にも換えられないもの」
「だからこそ。大切にして」
「何があっても守るから」
 こうだ。赤瀬に話すのだった。椎名はその幸せを楽しんでいる友達の背中を見ていた。そのうえで今はこの上なく優しい顔になっていた。
 狭山と津島はコーヒーカップの中にいた。回転するその中にいながらだ。二人で賑やかに話をしていた。
 周りのカップの多くにも彼等と同じカップルや家族がいる。そうした人達を見てだ。二人はこんなことを話すのだった。
「ねえ」
 津島の方からだった。
「ここいいわね」
「だよな。ちょっと酔いそうだけれどな」
「あんた酔う体質だったっけ」
「そうじゃないけれど何かな」
 明るい笑みを浮かべながらだ。彼は津島に話すのだった。
 
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