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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第十一幕その三

「ちょっと言い切れないね」
「そうなんだよね、これが」
「いざどの薔薇かっていうと」
「先生は派手じゃないし」
「男の人だし」
「それに色々なものが中にあるから」
「はっきり言えないよ」
 具体的にどんな薔薇かはというのです、先生のお心にある薔薇は。
「立派な人でね」
「奇麗な心なのは事実だけれど」
「それでも具体的にどんな薔薇かっていうと」
「言いにくいね」
「どの薔薇でもいいよ」
 先生は考え込む皆に微笑んで言いました。
「僕はね」
「そう言われてもね」
「何かこうして考えていくと」
「どの薔薇なのかってなるし」
「オスカルさんだったら白薔薇だったしね」
「王妃様は赤薔薇で」
 動物の皆はベルサイユの薔薇からも考えるのでした。
「けれどね」
「先生は具体的にどの薔薇か」
「そう考えるとね」
「ちょっとまだね」
「はっきり言えないよ」
「そうなのかな、まあどんな薔薇でも僕はいいよ」 
 紅茶の最後の一口を飲んで言う先生でした、先生の水分補給はお水よりもお茶特に紅茶が多いです。
「皆の言葉を受け入れるよ。じゃあお茶を飲んだし」
「うん、じゃあね」
「今からね」
「また論文ね」
「それにかかるのね」
「そうするよ、今度は恐竜についてだよ」
 そちらの論文を書くというのです。
「それを書くからね」
「へえ、恐竜なんだ」
「恐竜についての論文を書くの」
「そうするの」
「うん、恐竜はロマンがあるね」
 先生は皆ににこやかに笑ってお話しました。
「そうだね」
「うん、確かにね」
「恐竜にはロマンがあるよ」
「太古のロマンっていうか」
「その大きさと外観でもね」
「そうだね、その中のカモノハシ竜について書くんだ」
 こちらの恐竜についてというのです。
「トラコドンとかイグアノドンとかね」
「ああ、そうした恐竜についてなの」
「今から論文書くんだ」
「執筆開始ね」
「そうするよ、しかしイグアノドンはね」
 この恐竜についてこんなことを言う先生でした。
「最初は四本足で歩いていると言われていてね」
「最初はなの」
「そう言われていたんだ」
「うん、それが二本足になってね」
 恐竜の研究が進む中でそう言われたのです。
「それで最近じゃまた四本足じゃなかったかってね」
「言われてるの」
「戻ったんだ」
「そうなったんだね」
「そうなんだ、恐竜についても学問は日々進歩していてね」
 それでというのです。
「その姿も研究が進むにつれてなんだ」
「変わったりするんだ」
「そうなっているんだ」
「歩き方とかまで」
「変わっていくんだ」
「果たして本当はどうだったのか」
 それはというのです。
「はっきりわかるまでに時間がかかるよ」
「ううん、すぐにはわからなくて」
「その姿の予想もなんだ」
「わかるまで色々変わるんだ」
「イグアノドンみたいに」
「こうだって言われても変わるしね」
 その姿がというのです。 
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