オズのガラスの猫
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第十一幕その六
「日本ではもう」
「ありふれたお料理なのね」
「いえ、それどころか」
恵梨香も猫まんまを食べつつ言います。
「粗食っていいますか猫の御飯の」
「人た食べるものでもなのね」
「ないとも言われています」
「そうなの」
「はい、もう質素なんてものじゃないです」
それこそというのです。
「猫まんまは」
「そうなのね」
「はい、本当に猫の御飯なんです」
「いえいえ、とんでもないことです」
支配人さんは恵梨香に畏まって述べました。
「この猫まんまはです」
「ご馳走なのね」
「私達にとってはです」
まさにというのです。
「キャビア以上の」
「そこまでなの」
「美味しいお料理です」
「そうなのね」
「よくこうしたお料理があるものだとです」
「そこまで思ってるの」
「左様です、お味噌汁もいいですが」
それよりもというのです。
「鰹節が入っていますと」
「余計にいいのね」
「素敵な味になります」
鰹節、それが入っているとというのです。
「これ以上はないまでに」
「そうなのね」
「はい、ですから」
「猫の国ではなのね」
「キャットフードと同じだけです」
「親しまれているのね」
「左様です」
まさにというのです。
「そうなっています」
「成程ね」
「我々猫人達にとっても」
「そしてあたし達にもよね」
ガラスの猫が言ってきました。
「そうよね」
「はい、その通りです」
「あたしは食べないけれどね」
このことを言うのも忘れないガラスの猫でした。
「この国普通の猫も一杯いるしね」
「そうそう、凄く多いよね」
カルロスがガラスの猫に応えて言ってきました、皆で猫まんまを食べつつ。
「猫がね」
「色々な種類の猫がいるよね」
神宝はホテルの外の窓のところにいるシャム猫を見て述べました。
「外の世界の各地にいる」
「国自体が猫カフェや猫ランドみたいだよ」
こうまで言うジョージでした。
「この国にいたら」
「私もそう思うわ」
ナターシャもこう言います。
「この国は猫が凄く多いから」
「それは我が国にとって最高の誉め言葉です」
支配人さんは皆のお話ににこりと笑って応えました、見ればそのお髭がピンと誇らしげに立っています。
「嬉しいことです」
「そこまでですか」
「はい」
ナターシャにまさにと答えました。
「その通りです」
「色々な猫が沢山いることが」
「それで嫌に思われていますか?」
「いえ、全く」
ナターシャは首を横に振って答えました。
「猫好きですから、皆」
「猫を好きじゃないなんてどうなのよ」
ガラスの猫がまた言ってきました。
「時にあたしをね」
「そこでそう言うのは本当に貴女ね」
「そうでしょ」
ナターシャにもいつも通り胸を反らして応えます。
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